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第337回。頭クルクルパー小説のススメ

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あのー、私キッドは小説を書くのが好きでして。
お読みになってくださっている皆様、ありがとうございます。
いつも励みになります。

以前はホラー小説が中心だったのが、BL小説にも手を出し、最近ではこれまた有難いことにリクエストを頂き18禁の小説まで書かせていただいております。
でも一番好きなのが、ホラーでもSFでもサスペンスでもない。
人呼んで「頭クルクルパー小説」というもの。
まあ私が勝手にそう呼んでいるんですが、要するにデヴィッド・リンチやテリー・ギリアムの映画だとか、椎名誠さんや飴村行さんの小説に出てくるような
ナニガナンダカヨクワカラナイガトニカクロクデモナイモノ
が私の脳内で放し飼いになっていて、巨大な一つ目をギョロギョロさせた蜘蛛が巣を張ってたり、九尾の河童とキングギドラと温水洋一さんのキメラが走り回ってたり、速度制限の道路標識が意思をもってうつ病こじらせて自殺したりしてるイメージを捕まえて力づくで文章にして書き出してしまい、皆さんにお見せしている、とまあそういう作品です。精神のキメラ、自律神経の無意識、思考のハザマ、そういったふと思い浮かべたものから、頭の中に残った音楽、映像、映画、マンガ、小説、特撮、風景、思い出、心の傷、体の傷、あの子の声、涙、泣いてる顔、後悔、懺悔、殺したいオトコその1、死んでほしい実父、子供のころの家庭環境、好きだったあの子、殺したい男(クソバカ)その2、いいよなアッタマのよろしいお方は私のようなバカがちょっとしたことで右往左往してるのをどのようにご覧になってるんですかねえ的な愚痴と僻み、ペットボトルのなかでのんきにあぶくを浮かべる炭酸水、スケートボードのお兄さんが優しかった、午後19時の公園で21歳の君と、長野県の山奥を走る高速道路から見た夜景、馬鹿みたいに晴れた青空、空に伸びる陸橋、回遊魚みたいなヘッドライトの群れ、スーパーマーケットの精肉売り場のポップ、アレナ・メヒコの天井、殺したい女その2、太ももに傷とフランスゆきの船、その1がとっくに死んでいる、身綺麗な立場で後ろ向きに生きたがる童貞と処女ども、三重県の精肉工場の直売所、晴天の下で揺れる吊り橋、パレ・ロイヤル、深夜のドンキホーテ、諏訪湖に反射する灯かりたち、デリヘルのお姉さんのタトゥ、女装の麗人のベーシスト、エル・トポ。
と、まあ、こういうものたちを混ぜこぜにし、何でもいいから詰め込んで書いちまうってわけです。
意味わからないですが、私にもわからないし、たぶんコレに意味を見出したりくっ付けないとダメだと思う人には読まれないと思うので、まあいいかなと。

わかんないんですよ、でも、あるんだから仕方がない。
まだたぶん書こうと思えばずらずら出てくる。
カプセルに入った虹、その一粒一粒の中にも虹。水蒸気に反射して浮かび上がる虹の、その一つ一つの粒の中にうつる空と虹。
こんなん。頭に浮かんだまま、意味とか物語なんか知らねえから書いてしまう。

記憶も妄想も、好きな人も嫌いな奴も殺したいアイツもコイツも、脳内では全部平等に薄っぺらで形が無い。だから書いてしまえるし、書くことで何か変わったりわかったり踏ん切りがついたりは決してしないので、安心して恨んだり惚れたり妬んだり殺意を抱いたままで明日も生きてゆける。
具現化するには平べったい、でも黙っているのは辛すぎる。
そんな心象風景の殴り書きのようなもんなのかもしれない。

でね。
もーーー今日ここまで読んでくださっているお客様にはちょっとぐらい創作語りしてもいいだろう?
えっとですね、なぜ今日いきなりこんなこと書いてるかと言いますと、こういった頭クルクルパー小説を、いずれ何かの機会に発表して、新作を同人誌にしたいと思ってまして。
ええ相方のチャーコさんにもシブられましたよ。でも、エッセイと同じように、同じ人が書いてるんだ、って。私キッドはこういう奴なんだってことを示さないと、私がダメになっちゃう気がして。

倉橋ヨエコさんの歌じゃないけど、誰かに傷つけられても平気なようにあらかじめ自分で傷を晒すような真似をしておきたかったのです。

で、有難いことにリクエストを頂戴して書いた18禁小説。
これまた本当に有難すぎることにアクセス数も沢山。
有難すぎて味を占めそうなので、ここらでキッチリこっちの世界に帰ってこないと。
そう思って、ちょっと片足を突っ込む感じで書いてみました。というか、書きたかったけど、頭の切り替えがうまくいかなくて溜まってたんだよね…。
ああすっきりした。

お付き合いいただきありがとうございます。
本番もお楽しみに…!
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