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第288回。床屋さんのはなし。
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昔から馴染みのお店、行きつけのお店ってあるじゃん。
大人なら飲み屋さん、居酒屋とか、バーとか。
おじいちゃんおばあちゃんになると愛知県なら喫茶店だな。
近所の喫茶店全部にコーヒーチケット(コーヒー10杯分の値段で1杯オマケで11枚つづりになっているものが多い)を持っていて、どこの店に行っても目立ってたうちの婆さんみたいなもんで。
でさ、子供の頃って意外と行き付けっていうか行くお店が決まってたのは
床屋さん
だと思うんだよな。
アチコチで切ってもらってた人ってあんま居ないだろ?
まあ親御さんが切ってくれてたって人も居るかもだけど。
私も小学生から高校生ぐらいまでは近所の
THE床屋さん!
って感じのお店でカットしてもらってた。
家からすぐ近くなのと、何よりその床屋のオジサンがプロレス大好きで、私がそもそもプロレスをもう一度見始めるきっかけになったのも、このお店だったから。
だもんだから、予約をしてお店について、前のお客さんを待ってる間にも小さなテレビでその週のワールドプロレスリングの録画したやつが流れてるの見てたり、週刊ゴングを読んだりしてた。
んでね、順番が来るじゃん。
呼ばれて、あの床屋さんの椅子に座って、ぐいーんって上がるじゃん。
髪の毛を切る前にツルツルのアレを首にふわさっと巻きながら床屋のおじさんが言うセリフ、みんな思い浮かぶよね?髪の毛切る前に、準備しながら聞くんだ。
「いやー、今は何処の団体(の試合や選手)がおもしろいかねえ!?」
髪の毛の話は二の次で、まずプロレス談義から入りつつシャンプーしたり、なんだったらもう少しずつ切り始めてたりする。
まあ中高生の男子の髪型なんかそうそう洒落た事しないし、それでいいんだけどな!
でもって、今は何処そこの誰ソレが勢いがある、とか、この試合が面白かった、とか、あの当時もっぱらの話題と言えば、破壊王こと故・橋本真也さんの去就だったり、それに付随する様々な事件・発言だったりしたのでその議論などもしていた。
なんか、プロレスの話が増えたから関係ない話をと思って床屋さんの話を始めたのは良いけど結局プロレスだな。
まあそんなわけで、ずっとお世話になってたお店から変わったのが22歳ぐらいのとき。
当時バイトしてたガソリンスタンド(いつも話に出てくる出光のお店とは別の、セルフサービスの店)で一緒にバイトしてたTさんという女性が、美容師さんのタマゴだった。
んで、市内の美容院で働き出したところだったので私もそこでお世話になることにしたのだ。
ちょうど、なんかもうちょいオシャレなお店に行ってみたいなと思っていた、色気づいてた時期でもあったし、Tさんは明るくて優しくてちょっとおっとりした、おとがいのツンとした九州美人だったから、私は当時この人の事がとても好きだった。
のだが、まあ想いが叶わなさそうだと思ったのであきらめて、普通にいいお客さんであり、ちょっと前からの知り合い、くらいに落ち着いている。
今でも、このTさんのところでお世話になっている。
さすが美容師さんは聞き上手で、いつも楽しくお話をさせて頂いている。
髪の毛もオシャレだ!
でも話の内容が、怪談話だったり落語の話だったり映画だったり結局プロレスだったり、全然オシャレじゃないのがな。
お店もオシャレだし他の店員さんもみんな優しくて爽やかでイマドキの人って感じで、早い話が
モテそう
な人ばかりなんだよな。
その中で、なんかデブが来て落語の話なんかしてんなーってのは、どういう見え方をするんだろうな。
今度は横浜中華街の近くのオシャレなバーの話とかしよっと。
ちなみに最近はちょっと髪の毛の量が減って細くなって、早い話がハゲかかってきているので、目立たなくしてくれているらしい。美容師さんによると、髪の毛の量とか長さによっては薄く見えやすいこともある、と。
まー私はハゲるのが嫌なんじゃなくて、どうせならカッコよくハゲたいと思っているので、その時も相談しようと思っている。
あ、でも、昔のカッコイイ名レスラーにはハゲも多いし
(バーン・ガニアとかスティーブ・ライトとかハードボイルド・ハガティとか)
案外原点回帰で、あのおじさんの床屋さんに行った方が良かったりしてな。年齢並みになったら、また街のフツーの床屋さんに戻るのもいいかもしれない。
年を重ねることへの、ささやかな楽しみを見つけた気がする。
ハゲる事も含めて。
大人なら飲み屋さん、居酒屋とか、バーとか。
おじいちゃんおばあちゃんになると愛知県なら喫茶店だな。
近所の喫茶店全部にコーヒーチケット(コーヒー10杯分の値段で1杯オマケで11枚つづりになっているものが多い)を持っていて、どこの店に行っても目立ってたうちの婆さんみたいなもんで。
でさ、子供の頃って意外と行き付けっていうか行くお店が決まってたのは
床屋さん
だと思うんだよな。
アチコチで切ってもらってた人ってあんま居ないだろ?
まあ親御さんが切ってくれてたって人も居るかもだけど。
私も小学生から高校生ぐらいまでは近所の
THE床屋さん!
って感じのお店でカットしてもらってた。
家からすぐ近くなのと、何よりその床屋のオジサンがプロレス大好きで、私がそもそもプロレスをもう一度見始めるきっかけになったのも、このお店だったから。
だもんだから、予約をしてお店について、前のお客さんを待ってる間にも小さなテレビでその週のワールドプロレスリングの録画したやつが流れてるの見てたり、週刊ゴングを読んだりしてた。
んでね、順番が来るじゃん。
呼ばれて、あの床屋さんの椅子に座って、ぐいーんって上がるじゃん。
髪の毛を切る前にツルツルのアレを首にふわさっと巻きながら床屋のおじさんが言うセリフ、みんな思い浮かぶよね?髪の毛切る前に、準備しながら聞くんだ。
「いやー、今は何処の団体(の試合や選手)がおもしろいかねえ!?」
髪の毛の話は二の次で、まずプロレス談義から入りつつシャンプーしたり、なんだったらもう少しずつ切り始めてたりする。
まあ中高生の男子の髪型なんかそうそう洒落た事しないし、それでいいんだけどな!
でもって、今は何処そこの誰ソレが勢いがある、とか、この試合が面白かった、とか、あの当時もっぱらの話題と言えば、破壊王こと故・橋本真也さんの去就だったり、それに付随する様々な事件・発言だったりしたのでその議論などもしていた。
なんか、プロレスの話が増えたから関係ない話をと思って床屋さんの話を始めたのは良いけど結局プロレスだな。
まあそんなわけで、ずっとお世話になってたお店から変わったのが22歳ぐらいのとき。
当時バイトしてたガソリンスタンド(いつも話に出てくる出光のお店とは別の、セルフサービスの店)で一緒にバイトしてたTさんという女性が、美容師さんのタマゴだった。
んで、市内の美容院で働き出したところだったので私もそこでお世話になることにしたのだ。
ちょうど、なんかもうちょいオシャレなお店に行ってみたいなと思っていた、色気づいてた時期でもあったし、Tさんは明るくて優しくてちょっとおっとりした、おとがいのツンとした九州美人だったから、私は当時この人の事がとても好きだった。
のだが、まあ想いが叶わなさそうだと思ったのであきらめて、普通にいいお客さんであり、ちょっと前からの知り合い、くらいに落ち着いている。
今でも、このTさんのところでお世話になっている。
さすが美容師さんは聞き上手で、いつも楽しくお話をさせて頂いている。
髪の毛もオシャレだ!
でも話の内容が、怪談話だったり落語の話だったり映画だったり結局プロレスだったり、全然オシャレじゃないのがな。
お店もオシャレだし他の店員さんもみんな優しくて爽やかでイマドキの人って感じで、早い話が
モテそう
な人ばかりなんだよな。
その中で、なんかデブが来て落語の話なんかしてんなーってのは、どういう見え方をするんだろうな。
今度は横浜中華街の近くのオシャレなバーの話とかしよっと。
ちなみに最近はちょっと髪の毛の量が減って細くなって、早い話がハゲかかってきているので、目立たなくしてくれているらしい。美容師さんによると、髪の毛の量とか長さによっては薄く見えやすいこともある、と。
まー私はハゲるのが嫌なんじゃなくて、どうせならカッコよくハゲたいと思っているので、その時も相談しようと思っている。
あ、でも、昔のカッコイイ名レスラーにはハゲも多いし
(バーン・ガニアとかスティーブ・ライトとかハードボイルド・ハガティとか)
案外原点回帰で、あのおじさんの床屋さんに行った方が良かったりしてな。年齢並みになったら、また街のフツーの床屋さんに戻るのもいいかもしれない。
年を重ねることへの、ささやかな楽しみを見つけた気がする。
ハゲる事も含めて。
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