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今日、見た夢を整理する
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気が付くと私の幼馴染でおそらく一番長い付き合いの友人クマさん(体重130キロの巨漢)と、前の会社で数少ない趣味(プロレスと映画)と気が合うOさんと一緒に何処かの山奥に居た。
クマさんとOさんは面識どころかお互いに存在すら認識してないはずだったけど、ここではフツーに話していた。
遺跡のような遺構のような、不思議な場所があってその奥に向かっていた。
行ったことないけどアンコールワットをもうちょい派手にしたような建物で、石を積み上げた壁に蔦が絡まり、石を敷き詰めた床には木の根っこがボコボコ波打っていた。
最奥にあったものが何だったのかはわからない。けど、そこから戻らなくちゃならない。クマさんが持ってきた道具は黄色くて、コロコロのついてる旅行鞄みたいなものだった。それを広げると大きなパネルのようなものになり、それに乗って行くことが出来るはずだった。が、使えないしもう畳めないので、持って帰るしかなくなった。みんなで担いで運び出す。意外と軽くて平気だった。
夢を見ていて「あっコレ夢か」と気が付くのは、重さや疲労、痛みを感じなかったとき。
高いところから落ちる恐怖は感じても、落ちた時の痛みを感じなかったり。
必死で走って走っても疲労をちっとも覚えなかったり。
そういう時に
あっ夢だ
と夢の中で気が付く。そのあと割とすぐ目が覚めることが多い。
起きると夜中の3時前だった。
もう一度寝たら、自宅で二十歳ぐらいの時によく会ってた女の子と一緒にいた。背中のタトゥーから髪型から顔からあの時のまま、写真から出てきたみたいな感じだった。あの子と自宅で合ったことは一度もなかったはずだけど、別に違和感は感じなかった。どのぐらいの時間、その夢を見ていたかはわからない。
突然、何か音楽が鳴っていることに気が付いた。彼女も気づいて
コレなんの歌?
と聞いてきた。その時の彼女の顔はあいまいだ。
レッドツェッペリンの天国への階段、だよ。目覚ましに使ってるんだ
と私は答えた。そのまましばらくのあいだ構わずに続けていたけど、音量がどんどん大きくなって、次に目を開けたら枕もとのスマホからジミー・ペイジのギターソロが流れてきていた。
あー夢か、久しぶりに見たなあ、と思ってまた寝た。
その時も何か夢を見てて起きたら9時前だった。
よく寝た。
断片的な、破片か欠片みたいなものが脳のそこかしこに散らばってる感触はあるんだけど、夢の内容までは思い出せない。けど、しっかり見たという記憶だけは残っている。どんな夢だったのか、取るに足らない夢なのか。
それとも結構きっつい夢だったから、その前後の取るに足らない夢ごと吹っ飛んでしまったのか。
そういえばテレビゲームの夢だった気もする。
物置の整理をしてたら、スーパーファミコンのカセットが20本か30本くらい出てきた。ロックマンX2が1本ダブってた。だから、なんかゲームがらみの夢だったんじゃねえかなと思う。
夢って何度も見るやつと、パターンが決まってる夢とがあって。
私は子供のころから数年に一回、多いと年に一回くらい見る夢があって。真っ暗な駅のホーム、たぶん建て替える前の豊橋駅の、ブルートレインが通過したホーム(子供のころ、祖父母に頼んで夜中に見に行ったことがある)がモデルになってると思う真っ黒の空に満天の星。怖いぐらい星が近くて綺麗に輝いてる。駅のホームの明かりと線路以外はあまり見えない。
そこにオーロラが浮かぶと、緑や赤の入り混じった赤ちゃんの顔になって泣き出す。その赤ちゃんは駅の近くの踏切で死んでしまった子で、自分の死体を探して今でも泣いている。私はその赤ちゃんの泣き声をわんわん聞きながら死体を探す夢。夜空いっぱいにエコーがかかったみたくわんわん響く泣き声がずっと背中にへばりついてて不快なこと極まりない。焦るし、怖いし、早く見つけなきゃ!と思って色んなところを探す。
見るたびに赤ちゃんの死体が隠れている場所は違ってて、踏切に埋まってるときもあったし、駅にコインロッカーがあってその中にあったりもした。
コインロッカーを発見した時、夢の中なのに全身が総毛立ったのを覚えている。
あの夢は広がっている。最初は駅のホームと踏切だけだった。それが小さい駅舎も出来て、自動販売機も置かれて、駅舎を出て踏切に向かうちょっとした道路と街並みも見えた。街灯や底を走る赤い車も覚えている。
コインロッカーは、その広がり続けている駅舎と夢の中の架空の町が、また一つアップデートされたような気がする。
いつもなら走って踏切に向かうところを、ふと反対側を見たらそこがコインロッカーだった。
うわああ、ここにあったんだ…!
と思ったときに
(まさか)
と思ってロッカーを開けようとした。でも当然ロッカ-は開かない。
ガチャ!
ガチャ!
ガチャ!
次々にロッカーに取りついてもカギがかかっていて開かない。頭のどこかでわかってた。次に扉の開いたロッカーの中に赤ちゃんがいる…
背中の上で赤ちゃんが泣いている。脳の奥で直接泣いている。
ギャア、ギャア、ギャア
と泣いている音と、ロッカーを開けようとするガチャっという音が混じりあって
ガチャ、ギャア!
ガチャ、ギャア!
ガチャ、ギャア!
そして夢中で取っ手を引っ張ったロッカーが、開いた。
ギャア!
と赤ちゃんの泣き声がひときわ高く響いた。
ロッカーに詰め込まれたままぎゅうぎゅうに肥大化した赤ちゃんの顔だけがこっちをしっかり見ていて、黒目しかない目玉で私をじーっと見つめていた。
あの夢は今でも忘れられない。どこかで記憶を補完したり、筋が通るように記憶を作り変えてしまっているのかもしれない。
むしろ、そうであってほしい。
本当に不条理で理屈の通らない脳内世界で私の無意識が何を見たのか。
知りたいようで少し怖い。
クマさんとOさんは面識どころかお互いに存在すら認識してないはずだったけど、ここではフツーに話していた。
遺跡のような遺構のような、不思議な場所があってその奥に向かっていた。
行ったことないけどアンコールワットをもうちょい派手にしたような建物で、石を積み上げた壁に蔦が絡まり、石を敷き詰めた床には木の根っこがボコボコ波打っていた。
最奥にあったものが何だったのかはわからない。けど、そこから戻らなくちゃならない。クマさんが持ってきた道具は黄色くて、コロコロのついてる旅行鞄みたいなものだった。それを広げると大きなパネルのようなものになり、それに乗って行くことが出来るはずだった。が、使えないしもう畳めないので、持って帰るしかなくなった。みんなで担いで運び出す。意外と軽くて平気だった。
夢を見ていて「あっコレ夢か」と気が付くのは、重さや疲労、痛みを感じなかったとき。
高いところから落ちる恐怖は感じても、落ちた時の痛みを感じなかったり。
必死で走って走っても疲労をちっとも覚えなかったり。
そういう時に
あっ夢だ
と夢の中で気が付く。そのあと割とすぐ目が覚めることが多い。
起きると夜中の3時前だった。
もう一度寝たら、自宅で二十歳ぐらいの時によく会ってた女の子と一緒にいた。背中のタトゥーから髪型から顔からあの時のまま、写真から出てきたみたいな感じだった。あの子と自宅で合ったことは一度もなかったはずだけど、別に違和感は感じなかった。どのぐらいの時間、その夢を見ていたかはわからない。
突然、何か音楽が鳴っていることに気が付いた。彼女も気づいて
コレなんの歌?
と聞いてきた。その時の彼女の顔はあいまいだ。
レッドツェッペリンの天国への階段、だよ。目覚ましに使ってるんだ
と私は答えた。そのまましばらくのあいだ構わずに続けていたけど、音量がどんどん大きくなって、次に目を開けたら枕もとのスマホからジミー・ペイジのギターソロが流れてきていた。
あー夢か、久しぶりに見たなあ、と思ってまた寝た。
その時も何か夢を見てて起きたら9時前だった。
よく寝た。
断片的な、破片か欠片みたいなものが脳のそこかしこに散らばってる感触はあるんだけど、夢の内容までは思い出せない。けど、しっかり見たという記憶だけは残っている。どんな夢だったのか、取るに足らない夢なのか。
それとも結構きっつい夢だったから、その前後の取るに足らない夢ごと吹っ飛んでしまったのか。
そういえばテレビゲームの夢だった気もする。
物置の整理をしてたら、スーパーファミコンのカセットが20本か30本くらい出てきた。ロックマンX2が1本ダブってた。だから、なんかゲームがらみの夢だったんじゃねえかなと思う。
夢って何度も見るやつと、パターンが決まってる夢とがあって。
私は子供のころから数年に一回、多いと年に一回くらい見る夢があって。真っ暗な駅のホーム、たぶん建て替える前の豊橋駅の、ブルートレインが通過したホーム(子供のころ、祖父母に頼んで夜中に見に行ったことがある)がモデルになってると思う真っ黒の空に満天の星。怖いぐらい星が近くて綺麗に輝いてる。駅のホームの明かりと線路以外はあまり見えない。
そこにオーロラが浮かぶと、緑や赤の入り混じった赤ちゃんの顔になって泣き出す。その赤ちゃんは駅の近くの踏切で死んでしまった子で、自分の死体を探して今でも泣いている。私はその赤ちゃんの泣き声をわんわん聞きながら死体を探す夢。夜空いっぱいにエコーがかかったみたくわんわん響く泣き声がずっと背中にへばりついてて不快なこと極まりない。焦るし、怖いし、早く見つけなきゃ!と思って色んなところを探す。
見るたびに赤ちゃんの死体が隠れている場所は違ってて、踏切に埋まってるときもあったし、駅にコインロッカーがあってその中にあったりもした。
コインロッカーを発見した時、夢の中なのに全身が総毛立ったのを覚えている。
あの夢は広がっている。最初は駅のホームと踏切だけだった。それが小さい駅舎も出来て、自動販売機も置かれて、駅舎を出て踏切に向かうちょっとした道路と街並みも見えた。街灯や底を走る赤い車も覚えている。
コインロッカーは、その広がり続けている駅舎と夢の中の架空の町が、また一つアップデートされたような気がする。
いつもなら走って踏切に向かうところを、ふと反対側を見たらそこがコインロッカーだった。
うわああ、ここにあったんだ…!
と思ったときに
(まさか)
と思ってロッカーを開けようとした。でも当然ロッカ-は開かない。
ガチャ!
ガチャ!
ガチャ!
次々にロッカーに取りついてもカギがかかっていて開かない。頭のどこかでわかってた。次に扉の開いたロッカーの中に赤ちゃんがいる…
背中の上で赤ちゃんが泣いている。脳の奥で直接泣いている。
ギャア、ギャア、ギャア
と泣いている音と、ロッカーを開けようとするガチャっという音が混じりあって
ガチャ、ギャア!
ガチャ、ギャア!
ガチャ、ギャア!
そして夢中で取っ手を引っ張ったロッカーが、開いた。
ギャア!
と赤ちゃんの泣き声がひときわ高く響いた。
ロッカーに詰め込まれたままぎゅうぎゅうに肥大化した赤ちゃんの顔だけがこっちをしっかり見ていて、黒目しかない目玉で私をじーっと見つめていた。
あの夢は今でも忘れられない。どこかで記憶を補完したり、筋が通るように記憶を作り変えてしまっているのかもしれない。
むしろ、そうであってほしい。
本当に不条理で理屈の通らない脳内世界で私の無意識が何を見たのか。
知りたいようで少し怖い。
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