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第183回。自動車港でラッシャーだった その2

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掲載日2017年 08月06日 01時00分


男の現場に付き物なのは、タバコと喧嘩とエロ話と…ユニークなアダ名。
なにしろタバコの煙がすごいところで、非喫煙者の少ないこと。
大袈裟でなく40人ぐらい居て私だけだったんじゃないかな。
よくライターで肘の辺りを炙られたなあ。リアクションには自信があります。
ジュッ!っていったもん。肘が。

で喧嘩。
さすがに西暦2000年も7年が過ぎると現場もクリーンで、大っぴらに暴力沙汰なんか起こせない。
まあ折り合いの悪かった現場監督を自分とこの詰め所に軟禁しちゃった人は居たけども。
仲の良し悪しはあったと思うけど、大きな揉め事はそのぐらいだったかなあ。

エロ話は、半端なかったね。
ココじゃ書けないようなことも色々あった。
彼女が出来ると根掘り葉掘り聞かれたり、彼女が現場のIさんのお母さんと同じ名前で爆笑されたり。
体の愛称を聞かれて思わず
「よかったです」
とバカ正直に答えたキッドさん(当時19歳)を、いま私が先輩作業員の立場だったらやっぱり頭引っ叩いて笑ってたと思う。

よくやられたイタズラは、寄せ場に置いてあった週刊誌のエロ広告やエロ記事・ヌードなんかを切り抜いたのをコッソリ背中やヘルメットに貼られるってやつ。お前は平成初期の電話ボックスか!って感じで本当に気が付かずに作業していたキッドさん(当時19歳)のことを、いま私が見たらやっぱり爆笑しつつエロ本のスケベな見出しを切り抜いて反射板に貼り付けてたと思う。
あと近くのガラの悪いゲーセンでメダルゲームやって取ってきたオナホを、車のアチコチに設置されること。リアワイパーにしっぽり挿さってたり、原付のミラーを一旦外して貫通させてまた取り付けたり、手の込んだこともしていた。リアワイパーは私がやられたが、気が付かずに家に帰り、次の日もノコノコ出勤してきたせいで朝から大爆笑。いい気分だった。

誤解をされたくないのでくれぐれも言っておくけど、今でも私はあの頃いっしょに寄せ場に居た人たちが大好きだ。ツヨシくん、イズミさん、タツヤくん、ヤマダくん、タナカさん、カキウチさん、タカハシさん、イチハシさん、オダさん、シライさん、ナカガワさん、チカダさん、白谷さん、ヤマダさん、太陽さん、オカダさん、カネコさん、金田さん、コンさん、シゲさん、カドワキさん。書ききれないぐらいのオトナのお兄様、おじ様方に世話になった。体はキツかったけど楽しかった。良い思い出なんだ。

思い出といえば私が授かったあだ名も思い出深い。
以前書いた通り、私の前歴からレスラーと呼んでくれたのは親分格のイズミさんだった。
わりとそれが定着していたが、他にも小太りだからブーちゃん、ってのもあった。
コレはわかりやすかったな。
あの当時、あんだけ汗かいて暑い現場に居てガンガン働いてたのに、もらったお給料のほとんどを食費と遠距離恋愛の彼女との交際費にあててたのでまあ太った。
カツ丼のメガ盛に親子丼乗っけてペプシコーラで食ってりゃ太るなって方が難しいけどな。
で、体重はどんどん増えていったからブーちゃんでよかったわけだ。

辞める前に最後についたのは
ボブちゃん
だった。
船積みの現場からモータープールに移ってから、そっちのエライ人であるところのオガワさんに命名された。というか主にオガワさんがそう呼んでいた。
あの当時、格闘技・プロレスともにボブ・サップ選手が人気で、一般的な知名度もかなりのものだった。
そこで、なんか格闘技をやってたんなら、とボブ・サップからとってボブちゃん。
北の最終兵器(イゴール・ボブチャンチン)ではないのだよ。
何人わかるんだよ。

そんなわけで愛すべき小太りとして可愛がっていただいていた…と思いたい。
そんな愛すべきやんちゃな人々との生活は今振り返っても楽しかったなと思うのだ。
元気かなみんな。
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