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第167回。帰り道のジュース

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掲載日2017年 07月21日 01時00分

中学の時、柔道部だったので基本的には良く食べて飲んでいた。
もう世の中の常識は練習中こそ水分補給!しっかり飲め!!ということになってくれてたので、練習中はしっかりお茶を飲んでいた。
にもかかわらず、帰り道には喉がカラカラ。水筒はからっぽ。
ではどうするか。

買い食い、というか買い飲みである。
ちょうど我が家まであと少しってところに自販機があって、コレが500mlのデカいペプシも100円。
ずいぶんお世話になりました。
後輩が出来ると、彼らにも奢ってあげるやさしい先輩キッドさん。

そのすぐ向かいには顔なじみのコンビニがあったので、そこで大きいペットボトルをひとつ買って回し飲みすることもあった。私のイッコ上で近所の兄貴分でもあったシゲキ君は、よくそうやってジュースを分けてくれた。私が先輩にお世話になったら私も後輩をお世話するのだ。
まあ殆ど友達みてえなもんだし、大したことでもないんだけどね、それでも、なんか一人だけ飲んでたり一人だけ飲めない子がいると嫌じゃん?

それから私が3年生になったときに1年生に入ってきた芦沢君が、そのすぐ裏通りの駄菓子屋さんを教えてくれた。
林屋さんというお店で、昔ながらの小さなお店だ。
ここは素晴らしいことに70円のチェリオのビンがあった。持って帰るとビン代10円がかかるやつ。
冷蔵庫の取っ手が栓抜きになっててさ、そこにガッチャン!て引っかけて飲むんだよな。

あれが暑い日なんか美味くって。その夏で引退するまでちょくちょく行ってた。
ちょうど我が家のはす向かいのお店がなくなってしまったこともあって、お世話になったなあ。

高校に入ってからも町道場で柔道を続けることになったので、中学の部活に顔を出したことがあった。
帰り道に、久しぶりに林屋によって帰ろうかというと
「あー、あそこ辞めちゃったんだよね。佐野君(偉大なる先輩キッドさんは後輩からもこう呼んで貰ってた)たちが引退してから買い食い禁止になって。そのあとでたこ焼きも始めたんだけどね林屋さん」
なんとタイミングの悪いことか。

いっぺん食べたかったな、そのたこ焼き。

駄菓子屋さんのお好み焼きだとかたこ焼きって美味しいんだよな。妙に。
うちのはす向かいにあったお店のは団子状にデカいのが3つ刺さってて、食べ応えもあった。
ああいう形のたこ焼きは、あそこ以外では見かけないなあ。
お好み焼きも焼きそばも、店ごとに味付けがかわってていいんだよな。

屋台も昔はそうだった。
今じゃどこも似たような感じに思えるのは、そもそもお祭りにも屋台にもあまり興味を持たなくなったからかな。
うちは親父(テルさん)がテキ屋だったからお好みも焼きそばも上手でね。BBQなんかやると、どっかから調達してきた半分に切ったドラム缶とコンクリブロックで炭火を焚いて、鉄板置いて器用に焼いてくれた。
あの屋台味の焼きそば、また食べたいなあ。

駄菓子屋とジュースとお好み焼きと。
高いものじゃなくても青春の味ってね。
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