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第42回。ヒッチハイクを乗せ損ねた。

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掲載日2017年 03月19日 09時00分

3月18日。
土曜出勤。

普段は6時には家を出てしまうのだけど、今日は8時前にゆっくり出勤。
普段通らない国道も程よく混んでいた。
でそこの道路っきわの歩道に段ボールを持った若い男性が。

行先は東京。

乗せてえ…。
と思ったが時間はともかく、この交通量でブレーキ踏むと確実に事故る。
引き返すほどの余裕はなかった。
私も東へ向かうので、どっかその辺まで行って降ろしてあげたい。そして
「交通量が多いところは車が急に停まれないから、大きめの県道でトラックとか多いコンビニの近くとかにしたらどうか」
と言いたかった。

今から5年くらい前にヒッチハイクを乗せたことがあった。
その時は大学生の山下君という二十歳の男の子だった。
愛知県のド山奥の施設の名が段ボールに書いてあった。
何処だか知らないが行ってみたかったので乗せてみた。そん時はヒマだったし。

小雨が降っていたうえ、あんなミステリ小説なら確実に何人か殺されそうな施設に何をしに行くのかと尋ねると
オリエンテーリング
だという。早い話が山歩き、撃たないサバゲーか?と聞くとまあそうだと言うのでそれ以来そう思っている。

山下君は実に大人しくて良い奴だった。
なぜヒッチハイクなのかと言えば、一緒に行く予定だった友達が高熱を出し、山下君は免許も無ければその施設まで行く交通手段もろくすっぽないのだった。
2時間くらい北上して、霧雨の煙る愛知県野外教育センターにたどり着いた。山下君は燃料代を、というのをジュース一本だけおごってもらって別れたっきりだ。今でもよく覚えている。
元気かな。
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