16 / 111
第一章
15
しおりを挟む
「まずはお前たちの属性の適性を見る。『サモンボール』」
『サモンボール』は各種属性を活性化させる魔法の玉だ。使用するレベルに応じて範囲が増えるが、今は一人分でいいから一番低いレベル一を使う。
呼び出した『サモンボール』は十二個。火、水、風、土に、光と闇をそれぞれ二個ずつだ。六種類を一セットとして、それぞれ姉妹の前に浮遊させる。
「す、すごいです」
「呆けるな。この程度なんでもない」
「す、すみません……でも、すごいですよね?」
本当にすごくないのだ。初級の魔法で、前衛でも大半の者が扱える。ただ見かけることは少ないだろう。
「珍しいだけだ。効果など本来は微々たるもので、魔力のムダと言ってもいい」
そう、効果の割に燃費が悪いから誰も使わないだけだ。俺は使うがな。
「ひとまずそれぞれの玉に手をかざせ。それで属性の相性が分かる」
あまり使われない理由のもう一つがこれだ。属性の相性が合わないと効果が出ない。しかも対応する属性の魔法しか強化しない。臨機応変が求められる戦いで、これはない。普通なら。
「私は、緑と、黒?」
「わたしも緑と黒!」
双子だからか、二人とも同じ色と相性がよかったようだ。
「しかしキャスは黒がより強く、シスは緑がより強いか。同じように見えて個性がしっかり分かれているな」
緑は風、黒は闇だ。天狐族と聞いたから光が強いのかと思ったが、違っていた。風は、森や山岳といったワードを聞いていたからなんとなく想像していた。
「まず属性を説明する。緑は風。中近距離の攻撃が得意で、支援は遠くまで飛ぶ。ただし離れたり規模が大きくなるほど燃費は悪くなる」
「規模が大きくなるほど燃費が悪くなる、ですか」
「たしかに族長も、大嵐を使うたびに息切れしていたもんね」
大嵐、『テンペスト』か?
前衛が扱うにしては中々に強烈な魔法だな。息切れしていたのは、魔力が足りずに生命力を魔力に転換して放っていたからだろう。
そして、天狐族全体が闇属性の傾向にあると知れたな。
「もう一つ、黒は闇だ。近距離の攻撃が得意で、支援や妨害は遠くまで飛ぶ。この属性には、生命力を魔力に転換する力もある」
「命を削って、でしょうか?」
「違う、疲れるだけだ。お前たちの言っていた族長のようにな」
「そうだったんだ!」
「自分の命を奪う能力は、むしろ光の方だ。あれは己の器を燃やして威力を上げる。勇者なんかがそうだな」
勇者。
どこかにいるらしい無敵に近い存在。
神がいるのだから当然いるよなってものだが、実態はかなり危うい。
さっき俺がいった通り、勇者は光の属性が強く、自分の器を燃やしてしまう。熱血系主人公みたいな感じだが、本気で命まで燃え尽きてしまうのだからシャレになってない。
出会うこともないだろうがな。
「そうだったのですか」
「勇者!? すごい! え、すごいの、それ?」
「シスが疑問に思うようにすごくはない。冒険者で一等級の伝説的な英雄が、大事件を解決した後に引退しているのは、大半が……」
「己の器を燃やし、力を失ったからですか?」
「そうだ。強力な力は身を滅ぼす。彼らは伝説的な働きの代償に、己の未来を自ら奪う」
赤の他人のためにそこまでやるんだ。それで俺も助かっているかもしれんから文句はないが、俺自身がやる気は毛頭ない。
たとえ、そう、俺自身が光の才能マックスだとしても、そんな道は選ばん。
冒険者ギルドで順調に出世街道を進み、二等級に格上げされそうだが、是が非でもそんな道はお断りしたかった。
したかったなぁ。
「まぁいい。それで、先ほど見ただろうが、俺は体術もできる。これは魔法使いでも必須だと考えている」
真剣に俺の話を聞く姉妹。これなら教える手間も最小限ですみそうだ。
「だから属性の強化と共に、体を鍛える。基本はこの二つだ!」
「属性の強化と」
「身体を鍛える!」
やる気があって結構。
「よし、それではこうだ」
俺は『サモンボール』を呼び寄せて、風と闇以外を消す。それから風と闇を合体させる。
「『デュアルボール』。二つの属性を活性化させる魔法だ。これを常に持っておけ」
「は、はい……やはり、これ、すごいですよね?」
「わーい!」
「誰も使っていないという意味ではすごいだろうな。レア魔法だ。いずれ二人とも使えるようになるが、おそらく自らは使わんだろう」
本当に燃費の悪い魔法だ。俺レベルであれば苦もなく使えるが、使った分を超える効果などでない。こうやって他人に渡して威力の底上げや回復の補助はできるが、その程度。
だが、この玉は常に属性を活性化させる。だから属性の相性値がガンガン上がっていく。魔法を使わなければ上がらないものが勝手に上がるのだ。上限に達するまではチート級の魔法でもある。
ではなぜこの魔法が使われていないのか。
簡単だ。属性相性というものは途中までは容易に、それこそ自然に生活する中で上がる。それでも上がらなくなると、今度はこの『サモンボール』でもほとんど上がらない。属性値が四から五になるのに、『サモンボール』なしで四年、ありで三年かかると言われて、誰が使うのか。魔力のムダである。ただえさえ魔法使いは不遇なのに、ムダに魔力を使いたくない。
「俺は維持するのが片手間でできるからな。お前たちの属性値をすぐにカンストさせてやる」
「はい!」
「やったー! って、それもよく分かんないんだけどね」
属性の影響については追々だ。
「今はそれよりも、装備を整えにいく。『デュアルボール』もそのまま持ち運ぶわけにはいかん。今は、ポケットにでもいれておけ」
光る魔法の玉をそのまま肩に乗せて歩くわけにもいかない。ポケットも、冒険者装束ともなれば空きなどない。
適当にポーチでも見繕って、そこに詰め込んでしまおう。
「ああ、そうだ。これだけは今すぐ覚えてもらおう。『収納ボックス』」
普段は無詠唱で使う亜空間を呼び出す。
黒々とした口が空中に現れる。
「この中に一度手を突っ込んでみろ」
「はい!」
「かしこまりー!」
そして姉妹そろってズボシッと手を突っ込んだ。
ちゅうちょなしかよ!
自分で言っておいてなんだが、かなり危険そうに見えるんだが……。
あとシス、軽い! 軽すぎるわ!
お前の姉は重いのに、妹は逆に軽いのかよ!
女って、女って一体……。
「あ、これは」
「『収納ボックス』!? うそ!?」
戸惑う俺をよそに、二人はちゃんと魔法を習得できたようだ。
この魔法、魔法の才能が一定以上あれば確実に覚えられる魔法で、習得方法は二つ。
自力でがんばるか、こうやって他人の『収納ボックス』に触れるか、だ。
俺はたまたま領地に行商に来ていた商人に触らせてもらったから運が良かった。俺が騎士不適合の魔法使いだってのが有名になってたのも、今思えば幸運だった。
魔法使いだと知られて幸運だったなんて、あの時以外にないけどな。
これを使えることは、自分が魔法使いだというようなものだ。リスクが高い。
そして使えるようになる側も、そうだと宣言するようなもの。便利で、騎士とは違う利用価値のあるこの魔法が広まらないのもそんな事情だ。
しかしそれは魔法使い固有のチート能力を放棄するようなものだ。だから地位も下がる。悪循環だが、どうでもいい。俺は使えるからな。
騎士共も魔道具で亜空間を使えるし、その魔道具を持っているヤツは多い。だから目立つ行動さえしなければバレはしないのだが……。
「お前ら、それは魔法使い専用の魔法だ。絶対に、大っぴらにするな!」
「かしこまりました」
「かしこま! あいた! お姉さま、いたい……」
「調子に乗りすぎです」
「はぁい。かしこまりましたー」
俺が注意する前にキャスが注意したか。
『サモンボール』は各種属性を活性化させる魔法の玉だ。使用するレベルに応じて範囲が増えるが、今は一人分でいいから一番低いレベル一を使う。
呼び出した『サモンボール』は十二個。火、水、風、土に、光と闇をそれぞれ二個ずつだ。六種類を一セットとして、それぞれ姉妹の前に浮遊させる。
「す、すごいです」
「呆けるな。この程度なんでもない」
「す、すみません……でも、すごいですよね?」
本当にすごくないのだ。初級の魔法で、前衛でも大半の者が扱える。ただ見かけることは少ないだろう。
「珍しいだけだ。効果など本来は微々たるもので、魔力のムダと言ってもいい」
そう、効果の割に燃費が悪いから誰も使わないだけだ。俺は使うがな。
「ひとまずそれぞれの玉に手をかざせ。それで属性の相性が分かる」
あまり使われない理由のもう一つがこれだ。属性の相性が合わないと効果が出ない。しかも対応する属性の魔法しか強化しない。臨機応変が求められる戦いで、これはない。普通なら。
「私は、緑と、黒?」
「わたしも緑と黒!」
双子だからか、二人とも同じ色と相性がよかったようだ。
「しかしキャスは黒がより強く、シスは緑がより強いか。同じように見えて個性がしっかり分かれているな」
緑は風、黒は闇だ。天狐族と聞いたから光が強いのかと思ったが、違っていた。風は、森や山岳といったワードを聞いていたからなんとなく想像していた。
「まず属性を説明する。緑は風。中近距離の攻撃が得意で、支援は遠くまで飛ぶ。ただし離れたり規模が大きくなるほど燃費は悪くなる」
「規模が大きくなるほど燃費が悪くなる、ですか」
「たしかに族長も、大嵐を使うたびに息切れしていたもんね」
大嵐、『テンペスト』か?
前衛が扱うにしては中々に強烈な魔法だな。息切れしていたのは、魔力が足りずに生命力を魔力に転換して放っていたからだろう。
そして、天狐族全体が闇属性の傾向にあると知れたな。
「もう一つ、黒は闇だ。近距離の攻撃が得意で、支援や妨害は遠くまで飛ぶ。この属性には、生命力を魔力に転換する力もある」
「命を削って、でしょうか?」
「違う、疲れるだけだ。お前たちの言っていた族長のようにな」
「そうだったんだ!」
「自分の命を奪う能力は、むしろ光の方だ。あれは己の器を燃やして威力を上げる。勇者なんかがそうだな」
勇者。
どこかにいるらしい無敵に近い存在。
神がいるのだから当然いるよなってものだが、実態はかなり危うい。
さっき俺がいった通り、勇者は光の属性が強く、自分の器を燃やしてしまう。熱血系主人公みたいな感じだが、本気で命まで燃え尽きてしまうのだからシャレになってない。
出会うこともないだろうがな。
「そうだったのですか」
「勇者!? すごい! え、すごいの、それ?」
「シスが疑問に思うようにすごくはない。冒険者で一等級の伝説的な英雄が、大事件を解決した後に引退しているのは、大半が……」
「己の器を燃やし、力を失ったからですか?」
「そうだ。強力な力は身を滅ぼす。彼らは伝説的な働きの代償に、己の未来を自ら奪う」
赤の他人のためにそこまでやるんだ。それで俺も助かっているかもしれんから文句はないが、俺自身がやる気は毛頭ない。
たとえ、そう、俺自身が光の才能マックスだとしても、そんな道は選ばん。
冒険者ギルドで順調に出世街道を進み、二等級に格上げされそうだが、是が非でもそんな道はお断りしたかった。
したかったなぁ。
「まぁいい。それで、先ほど見ただろうが、俺は体術もできる。これは魔法使いでも必須だと考えている」
真剣に俺の話を聞く姉妹。これなら教える手間も最小限ですみそうだ。
「だから属性の強化と共に、体を鍛える。基本はこの二つだ!」
「属性の強化と」
「身体を鍛える!」
やる気があって結構。
「よし、それではこうだ」
俺は『サモンボール』を呼び寄せて、風と闇以外を消す。それから風と闇を合体させる。
「『デュアルボール』。二つの属性を活性化させる魔法だ。これを常に持っておけ」
「は、はい……やはり、これ、すごいですよね?」
「わーい!」
「誰も使っていないという意味ではすごいだろうな。レア魔法だ。いずれ二人とも使えるようになるが、おそらく自らは使わんだろう」
本当に燃費の悪い魔法だ。俺レベルであれば苦もなく使えるが、使った分を超える効果などでない。こうやって他人に渡して威力の底上げや回復の補助はできるが、その程度。
だが、この玉は常に属性を活性化させる。だから属性の相性値がガンガン上がっていく。魔法を使わなければ上がらないものが勝手に上がるのだ。上限に達するまではチート級の魔法でもある。
ではなぜこの魔法が使われていないのか。
簡単だ。属性相性というものは途中までは容易に、それこそ自然に生活する中で上がる。それでも上がらなくなると、今度はこの『サモンボール』でもほとんど上がらない。属性値が四から五になるのに、『サモンボール』なしで四年、ありで三年かかると言われて、誰が使うのか。魔力のムダである。ただえさえ魔法使いは不遇なのに、ムダに魔力を使いたくない。
「俺は維持するのが片手間でできるからな。お前たちの属性値をすぐにカンストさせてやる」
「はい!」
「やったー! って、それもよく分かんないんだけどね」
属性の影響については追々だ。
「今はそれよりも、装備を整えにいく。『デュアルボール』もそのまま持ち運ぶわけにはいかん。今は、ポケットにでもいれておけ」
光る魔法の玉をそのまま肩に乗せて歩くわけにもいかない。ポケットも、冒険者装束ともなれば空きなどない。
適当にポーチでも見繕って、そこに詰め込んでしまおう。
「ああ、そうだ。これだけは今すぐ覚えてもらおう。『収納ボックス』」
普段は無詠唱で使う亜空間を呼び出す。
黒々とした口が空中に現れる。
「この中に一度手を突っ込んでみろ」
「はい!」
「かしこまりー!」
そして姉妹そろってズボシッと手を突っ込んだ。
ちゅうちょなしかよ!
自分で言っておいてなんだが、かなり危険そうに見えるんだが……。
あとシス、軽い! 軽すぎるわ!
お前の姉は重いのに、妹は逆に軽いのかよ!
女って、女って一体……。
「あ、これは」
「『収納ボックス』!? うそ!?」
戸惑う俺をよそに、二人はちゃんと魔法を習得できたようだ。
この魔法、魔法の才能が一定以上あれば確実に覚えられる魔法で、習得方法は二つ。
自力でがんばるか、こうやって他人の『収納ボックス』に触れるか、だ。
俺はたまたま領地に行商に来ていた商人に触らせてもらったから運が良かった。俺が騎士不適合の魔法使いだってのが有名になってたのも、今思えば幸運だった。
魔法使いだと知られて幸運だったなんて、あの時以外にないけどな。
これを使えることは、自分が魔法使いだというようなものだ。リスクが高い。
そして使えるようになる側も、そうだと宣言するようなもの。便利で、騎士とは違う利用価値のあるこの魔法が広まらないのもそんな事情だ。
しかしそれは魔法使い固有のチート能力を放棄するようなものだ。だから地位も下がる。悪循環だが、どうでもいい。俺は使えるからな。
騎士共も魔道具で亜空間を使えるし、その魔道具を持っているヤツは多い。だから目立つ行動さえしなければバレはしないのだが……。
「お前ら、それは魔法使い専用の魔法だ。絶対に、大っぴらにするな!」
「かしこまりました」
「かしこま! あいた! お姉さま、いたい……」
「調子に乗りすぎです」
「はぁい。かしこまりましたー」
俺が注意する前にキャスが注意したか。
0
お気に入りに追加
514
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【R18】抑圧された真面目男が異世界でハメを外してハメまくる話
黒丸
ファンタジー
※大変アダルトな内容です。
※最初の方は、女の子が不潔な意味で汚いです。苦手な方はご注意ください。
矢島九郎は真面目に生きてきた。
文武の両道に勤め、人の模範となるべく身を慎んで行いを正しくし生きてきた。
友人達と遊んでも節度を保ち、女子に告白されても断った。
そしてある日、気づいてしまう。
人生がぜんっぜん楽しくない!
本当はもっと好きに生きたい。
仲間と遊んではしゃぎ回り、自由気ままに暴力をふるい、かわいい娘がいれば後腐れなくエッチしたい。
エッチしたい!
もうネットでエグめの動画を見るだけでは耐えられない。
意を決し、進学を期に大学デビューを決意するも失敗!
新歓でどうはしゃいだらいいかわからない。
女の子とどう話したらいいかわからない。
当たり前だ。女の子と手をつないだのすら小学校が最後だぞ!
そして行き着くところは神頼み。
自分を変える切欠が欲しいと、ものすごく控えめなお願いをしたら、男が存在しないどころか男の概念すらない異世界に飛ばされました。
そんな彼が、欲望の赴くままにハメを外しまくる話。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる