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第5章 流来
第6話 疑惑
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A級を進めたいギルド長の言葉にエレオノーラは少し間を置いて答えた。
「ノアさんはのんびり行くと言っていました。すぐにA級に上がるつもりはないのでしょう。どうやら最前線への参加義務が引っかかっているようです。――」
「――しばらくは旅をしながら世界を見て回りたいとおっしゃっておいででした」
「――ノルトライブの最高傑作が陽の目みるのはまだ先か」
(俺のギルドからは、何の援助もしていないが……権利だけは主張しておこう。坊主が何処で育ったのかはな。フフフ)
「他の都市のギルドに自慢しすぎるのもご注意ください。ノアさんが知ると嫌がりますよ」
「あぁ。――だが、そのおかげで面白い話を聞けた。城楯からな。ギルド長限定のオフレコだ。聞きたいか?」
「話したいならどうぞ? 聞いて差し上げても良いですよ? ……開示を要求します」
ギルド長は苦笑いしながら話しだした。
「――まったく。城楯の五つのダンジョンが攻略された。一人の冒険者によってな」
ためを作るようにギルド長はそこで言葉を止める。
ダンジョンの成り立ちや仕組みは王国でも詳らかになっていない。
何故なら攻略出来たダンジョンが少なく。
ダンジョンに核がいることすらあまり知られていないほどだ。
そして、ダンジョンの管理者の存在。それは都市伝説の眉唾な存在と認識されている。
一方で城楯都市ドゥブロベルクの五つのダンジョンはゲートキーパーと呼ばれるボスモンスターが最下層に存在している。
そのため、そのモンスターを倒すことでダンジョンを攻略したとみなされていた。
倒されたゲートキーパーは数日でまた再配置されるのだ。
「なるほど。――逸材は他の都市にもいるという訳ですね」
ギルド長はもったいぶって言葉を続ける。
「――その冒険者の師匠も絶界だ。まったくあの野郎。急にやる気出しやがって」
「……もう一人の絶界の弟子ですか?」
「絶界の顔を知っているのもギルド長のダジルぐらいだ。エルフと王国のお墨付きで名を伏せてダンジョンに入っていたらしい。――」
「――新たな世代の綺羅星達がもうすぐ舞台に上がる。楽しみが増えたぜ」
そう言ってギルド長は頬を吊り上げるように笑った。
§
――王民事業体イ-ディセル・ノルトライブ支所
その報告にイェルダは血相を変えて聞き返した。
「ノアさんが少女とデートしていたって? ……本当ですか?」
報告をした男性はゆっくりと頷いた。その肯定を彼女は厳しい眼で見つめ返した。
「ノアさんはのんびり行くと言っていました。すぐにA級に上がるつもりはないのでしょう。どうやら最前線への参加義務が引っかかっているようです。――」
「――しばらくは旅をしながら世界を見て回りたいとおっしゃっておいででした」
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「他の都市のギルドに自慢しすぎるのもご注意ください。ノアさんが知ると嫌がりますよ」
「あぁ。――だが、そのおかげで面白い話を聞けた。城楯からな。ギルド長限定のオフレコだ。聞きたいか?」
「話したいならどうぞ? 聞いて差し上げても良いですよ? ……開示を要求します」
ギルド長は苦笑いしながら話しだした。
「――まったく。城楯の五つのダンジョンが攻略された。一人の冒険者によってな」
ためを作るようにギルド長はそこで言葉を止める。
ダンジョンの成り立ちや仕組みは王国でも詳らかになっていない。
何故なら攻略出来たダンジョンが少なく。
ダンジョンに核がいることすらあまり知られていないほどだ。
そして、ダンジョンの管理者の存在。それは都市伝説の眉唾な存在と認識されている。
一方で城楯都市ドゥブロベルクの五つのダンジョンはゲートキーパーと呼ばれるボスモンスターが最下層に存在している。
そのため、そのモンスターを倒すことでダンジョンを攻略したとみなされていた。
倒されたゲートキーパーは数日でまた再配置されるのだ。
「なるほど。――逸材は他の都市にもいるという訳ですね」
ギルド長はもったいぶって言葉を続ける。
「――その冒険者の師匠も絶界だ。まったくあの野郎。急にやる気出しやがって」
「……もう一人の絶界の弟子ですか?」
「絶界の顔を知っているのもギルド長のダジルぐらいだ。エルフと王国のお墨付きで名を伏せてダンジョンに入っていたらしい。――」
「――新たな世代の綺羅星達がもうすぐ舞台に上がる。楽しみが増えたぜ」
そう言ってギルド長は頬を吊り上げるように笑った。
§
――王民事業体イ-ディセル・ノルトライブ支所
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「ノアさんが少女とデートしていたって? ……本当ですか?」
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