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第1章  伏龍

第51話  教示

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 そして――翌日。

 朝9:00にエルフの方々との初めての勉強会を迎える。

 昨日のエルフの名前覚えてる?

 ふっふっふっ! 俺は覚えてるぜ。

 呼びかけると噛むけどな!

 エルフ達の自己紹介も兼ねて昨日聞いた素性をまとめるぜ!

 まずはアダンボルン・イ-ディセル師。

 司書長の祖父の右腕と呼ばれた人だってさ。人間で言うと40歳くらいに見えるけどご高齢らしい。

 エルフ内ではイ-ディセルか老って呼ばれてた。

 俺的には老にはどう見ても見えない。

 王国内では司書長の補佐で、エルフとしての地位は同等か上っぽいね。

 次が昨日は俺の隣に座ってた。

 ルインウィアス・ジージェッジリオン師。愛称はリオン。

 司書長と仲がよさそうで司書長を結構からかって遊んでる。

 どんどん行くぞ。

 エルディン・ドゥルド-ルドリ-師。愛称ドリー。

 司書長に一番丁寧に対応してる。

 スィギエティ・リンカーベリリ師。愛称リリ。

 あんまりしゃべらない。

 ガラリル・ディシオルティル師。愛称ティル。

 たぶん一番若そうだな。

 イ-ディセル師は他のエルフを家族姓で呼んでいる。

 司書長だとア-ルヴだね。

 リリ師だとリンカーベまでだね。

 女性陣同士は愛称で呼び合うのが普通なのかな?

 まぁ。女姓おんなせいの方ってことだね。

 全員ひく程の美人でシンメトリーな顔って整いすぎていて怖いくらいだ。

 俺はとりあえずエルフの言葉の覚え方を聞いてみた。

 ――それは、いろは歌の豪華版だったんだ。

 イ-ディセル師のバリトン。女性陣のソプラノとアルトのハモリ。

 聞いているとバックミュージックにオーケストラが聞こえてくるようだった。

 映像的には雲の切れ間から光が差し、神でも降臨しそうな。。。

 すげぇよ。すげぇけど。いろは歌を良い声でコーラスする必要がありますか?

 俺は準備していたホワイトボードを取り出す。

「御使い! ……の御業!」

 ――ティル師が何か言った。

 全員がティル師を見て、直ぐに俺を見た。

 ん? なんだ? ……蜜飼い……のみわざ?


 ノミワザ? ……飲み技っっ!!

 っっ! コントのネタで使われている人間ポンプの事か!!

 え? 他になんかあるか? どういうこと? 意味が分からん!

 部屋がちょっと緊迫している。

 意味はわからんが、俺は蜜飼いとしてジェントルにティル師に蜂蜜を渡す。

 なに? 他の方も欲しいの? まぁいいけど。

「ほら! ノアくん続けて!」

「あー。はい。まず、この文字列を覚えてください」

 俺はホワイトボードにカタカナで五〇音を書き。

 その隣にひらながを書いた。

「一行目のあいうえおを母音と言います。各行の発音の元となるという意味です。たとえば、かぁ。きぃ。くぅ。けぇ。こぉの様に母音と連動しているのが分かると思います」

 エルフには母音の概念が無かったんだ。

 いろは歌では整理されていないからね。

 この五〇音を覚えて貰えば俺の教える事の根幹が完了する。

 言葉は完璧に話せるんだ。意欲の高い優秀な人たちだ学習完了はあっという間だろう。

 これから漢字を教えるのが大変だろって?

 ふっふっふ! 小学一年生から六年までの漢字ドリルが出せたんだ。

 エルフへの学習指導は丸投げが決定している案件なのだよ。

 ここからはずっと俺のターンだ!
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