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第1章  伏龍

第18話  追究

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 明け方近く朝チュンで目を覚ます。

 椅子の背にもたれかかり気を失っていたようだ。首や体が痛い。

 ――のどもカラカラだ。

 目の前には、――ありますね。

 ――――金塊っ! どうやら錬金召喚には成功したらしい。

 ……出すと気を失うなら二度とやるまい。

 ……お金に困らない限り。キリッ!

 俺は金塊をアイテムボックスへしまい。水を飲んでからベットで少し眠る。

 おやすみなさい――。

 いつも通りレオさんと朝食をとり、今日は予定がないので、設置許可が出たら巣箱の設置と雨宿りの箱の準備とスズメっぽい奴らの餌台も設置するかな?

 そう思いながら軽い気持ちで、錬金召喚したら気を失った話をレオさんにしたら、血相を変えだし、めちゃめっちゃ怒られた。

 レオさんに怒られたのは初めてだが、気を失うのは魔力が枯渇した状態になったときで、そのまま死に至ることもあるそうだ。ひょえ~!

 もう二度とやるまい。

 ……お金に困らない限り。キリッ!

 何を出したかしつこく聞かれ、のらりくらり答えないでいると行動監視のため同部屋にするとの最終勧告されてゲロったよ。

 誰得だって話しだよね?

 むしろ――お互いに損みたいな?

 金の採掘と錬金召喚は国が管理していて、勝手に生み出すとお縄になるそうです。タラッ。

 人はあきれ果てるとあんな顔になるんですね。

 司書長への重大報告案件になりました。

 今日が本来は休みの安息日だ。

 でも、今日も今日とて、レオさんは大学院へ行くつもりだったが、8:30集合のもと一緒に司書長への面談という名の弾劾裁判に出席する。

 ――――被疑者は俺だ。

 集合時間10分前に玄関前に向かう。待っている2人の元へ行くと挨拶もそこそこに連行された。

 そして今に至る。目の前には昨日のシャキットの絵袋があり。

 取り調べ官はパオラさんだ。

「ノアくんは昨日『旅の途中で手にした』と言いましたが、これはどこで見かけましたか?」

「――昨日は誤魔化そうと嘘をつきました。すみません」

 そんなのバレバレなんだよというように、パオラさんは頷く。やっぱなかったな。俺の役者魂っ!

「ノアくんはこれが何か知っていますか?」
 
「えっ? えぇ。――種ですよね。書いてあるその写っ……絵の」

「っっ! あたしの見立てでは、これはアーティファクトだよ。それも古代真聖紀の非常に状態が良い」

「?? ……アーティファクト?? とは何ですか?」

 本当に初めて聞いた。なんだそれ? ――意味が想像できない。

「超古代に今には残っていない技術で作られた。創造物なの」

 超古代? この世界が未来の地球なんてオチないよな? ベタすぎるし、それは日本のものですが? 何か?

「そうなんですね。私には分かりませんが」

 記憶に御座いません攻撃発動だ。

「ノアくんは、これをまた錬金召喚することが出来ますか?」

「はい。というよりも、もう錬金召喚しています」

 そう言ってアイテムボックスから出す。

 昨日は野菜が出ないので、まぐれかな? ともう一度試した錬金召喚でシャキットを出しておいた。 

 息を呑むパオラさん。

「昨日は何故嘘をついて、誤魔化そうとしたんですか?」

 こちらからも意趣返しの術!

「予感がしたんです。取り上げられそうな!」

 おっと! 睨まれちまった。実際取り上げられたからね。

「種だと思った理由はなんですか?」

「そこに書いてありますよね? タネの〇キイって」

 場の空気が揺れた? ――なんだ? レオさんの目力が凄い。

 パオラさんは袋の後ろを見せる。 

「この文字が読めますか?」
 
 いい加減これ何の時間だ? と思いながら話す。
 
「読めますが? 何か?」

 その後、場は大いに荒れまくった。





 この世界の誰でも知っている話をしよう。まぁ。俺は知らなかったんだが、創世記から現代までの物語だ。

 一時間強の時間授業を受けたんだが、わかりやすいように手短にザックりいくぞ。

 創生神が世界を作り、他の神を生み出した。

 時がたち創生神は、自神への戒めとして、竜を生み出した。
 
 そして、十万年前に神は一柱も残らず上天して居なくなった。

 ここまでが、古代真聖紀と呼ばれる時代。

 この時、神は古代真聖語を天へと持ち帰り、古代真聖語が地上からほとんど消えた。

 ここからが神聖紀。

 ややこしいが、神の言葉と同じ名前にするのはおこがましいが、同じ呼び方には拘ったってことらしい。

 神以外の種族の時代。

 結構栄えたようだが、二万年前の神の鉄槌と呼ばれる光の矢で、街も文明もあらかた消失し、人口も大分減ったそうだ。

 ここで神聖紀と呼ばれる時代が終わり同時に神聖語の歴史もついえる。

 その後、全く文法の違う今の共通語が一般言語になった。

 そして、なんやかんやの栄枯盛衰を繰り返し、今に至る。
 
 二万年もあれば宇宙にも行けそうだけどね。

 ちなみに神の鉄槌で出来た場所が、俺が目を覚ました死の草原なんだそうだ。

 長々となんでこんな歴史を話したかって?

 大荒れの場の中で、司書長が冷静にその青緑の瞳を向け。

 分厚い本を手渡ししてきた。俺はそれを受け取り開く。
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