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四十六話 過去への旅
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その少年、秋瀬千晃と出会ったのは今から十年ほど前、きっかけはくしくもあの悪魔の起こした監禁事件だった。
当時の僕はまだ警官なり立ての新米、そして彼もまだ十歳ほどのほんの小さな子供だった。
あの頃は子供の彼をひどく邪険にしたような気がするけれど、もし彼がいなければあの事件はああいった形で終わることが出来なかっただろう。
そしてあの時以来僕と彼は度々、会うようになった。
「やあ、秋瀬くん。こうして会うのは結構久しぶりかな?」
翌日僕は出かける前に一度、彼と話をしておこうと思い秋瀬くんを時実養護施設の跡地へと呼び出した。
「最後に会ったのは三か月ほど前ですね。お久しぶりです澄乃さん」
気さくな笑顔を僕に向ける秋瀬くん、僕もそれに習い笑顔を向けた。
「ここが、例の養護施設のあった場所ですか」
今は何もない売地の看板だけが置かれた空き地に目を向ける秋瀬くん。
彼自身はこの場に何もかかわりはないけど彼女の育った場所だ、何か思うところがあるのだろう。
それに、例の件もあるし。
「僕が君をここに呼び出した理由、もうわかってるよね」
「僕がわたした写真のことですよね」
コクリと頷きながら例の封筒から写真を取り出す。
写真は元々何かの集合写真だったものを拡大し、印刷したもので画像はかなり荒かった。
写っている人物は二人、どちらもこの施設の関係者だった。
「これ、この二人がどうかしたの?」
差し出す写真を眺めながら聞く、すると秋瀬くんは懐からまた違う写真を取り出してきた。
「それは、恵子の私物です。家族との写真だからと大事に保管していたものの中から僕がその二人が写っているものを持ってきました」
「だから、この二人がどうしたんだい?別におかしな写真でもないでしょう」
「澄乃さんはこの写真どう思います」
先ほど取り出した写真をこちらに渡してくる秋瀬くん、真新しいその写真には仲良さそうに映っている二人の人物がいた。
「一人はこっちの写真と同じ子だな。だいぶん変わってるけど」
何気ないその感想、けど秋瀬くんはそれを否定してくる。
「いいえ、違うんです澄乃さん。それ、両方その写真と同じ人間なんです」
その言葉には驚愕を隠せなかった。
「はぁ!?いや、同じ人でも顔が。それにこの二人」
驚く僕をよそに彼は話を続ける。
「実は僕、最初その写真を見ても別段不思議には思わなかったんです。僕自身面識もなかったし、なりより恵子からみんな家族だと聞いていたんで。けれど、彼女がのちに施設で育ってその施設の人は誰も血がつながっていないと知った時、この写真に大きな違和感を持ちました」
その感想は僕自身が抱いたものでもあるので理解できる。
なにより、時実養護施設のことを過去にそれなりに調べた僕としてはその違和感はより大きく映った。
「この二人がどういった関係なのか僕は知りません。けれどただの他人にしては少しおかしいと思うんです。もちろんただの偶然ということもあります。けど」
言いよどむ秋瀬くん、なんて説明すればいいのか迷っている風だ。
そんな彼の代わりに僕が言葉をつづけた。
「例の感かい?」
コクリと頷く秋瀬くん。
なら話は決まりだ。
「そうかい。秋瀬くん、この写真二枚とも僕にあずからせてくれないかい?」
「いいですけど、澄乃さん。調べるんですか?」
「うん?ああ、そのつもりだよ。秋瀬くんの感を僕が調べそれを確証へ変え真相に近づける。いつものことじゃないか、君もそのつもりで僕にこの写真をわたしたんだろう?」
少し意地悪しようと皮肉気味に聞くが秋瀬くんの顔は強張るばかりだ。
「もちろん最初はそのつもりでした。こんなこと頼めるの澄乃さんしかいないですし。けど、ここまで話してなんなんですけど今回はやめた方がいいと思います」
「どうして?」
それは純粋な疑問だった。
僕と彼が出会って十年近くたつが彼がこんなことを言い出したのは今回が初めてのこと、それなりの理由があるはずだろう。
「あの、これも感なんですけど。なんていうか、この事件調べたら良いことが起きない気がするんです。なんか胸騒ぎっていうか。こんなの信じてもらえないでしょうけど」
言い詰まる秋瀬くん、その顔はひどく不安そうでもあった。
そんな彼に僕は自身の動揺など諭さないよう無理に表情を柔らかくして話す。
「信じるさ。今までもそうだったろ?君の感を誰よりも信じている僕だ、君の言うことはちゃんと受け止めるよ。うん、受け止めたうえで僕は調べに行くよ、それが僕の警察の仕事だ。事件を解決する、そのために僕たちは居るんだから。いつも通り調べて君の感の正しさを証明してくる」
ぽんと肩に手を置き笑顔を向ける。
本当に笑顔を作れたかはわからない。
彼の感を信じているこの言葉に嘘偽りはない、だからこそこれから何が起きるのかと怖かったのだ。
「澄乃さん」
「情報ありがとう。また帰ってきたら報告するよ。それじゃ」
ぼろが出る前にその場を立ち去る。
そんな僕に秋瀬くんはそれ以上何もいわず。
「気を付けてください。また、会いましょう」
と、再会の約束だけをしてくるのだった。
僕がまず向かったのはあの二人の故郷だった。
数年前にこの町に来た彼らの以前の経歴はその特殊な事情もあり一般的には調べるのは難しいが、そこは警察の力って奴で何とかたどり着くことが出来た。
ほんと、こういった時は融通が利いていいとつくづく思う。
こんな権力を手に入れられるから変に暴走してしまう警官とかも出るのかな?
一般人にはない特権を持った身としてはそんなことを考えてしまう。
こんな今まで考えなかったことをいまさらになって考えているのはやっぱりそれだけ僕の心に緊張があるということなんだろう。
良くないことが起こる、町を出る前に秋瀬くんの言った言葉がいまだに深く頭に突き刺さる。
今まで彼の感が外れたことは無い、それを踏まえれば今回もその良くないことは必ず起きる。
問題なのはそれがどういった類のものかということだ。
それは、警察にとって?あるいは僕自身?
それとも何かもっと別の?
どうも居心地が悪い。
まるで少しずつ崩れゆく砂塵の城に立っているかのような不安感。
もし自分の身に何か起きたときのためにこれから調べたことは随時、自宅のパソコンへ送るようにはしているが不安は拭いされない。
写真二人の人物、彼らの出身地は三丸町より統く離れた地にあり二人が二人ともまた違う地域の出身だった。
どちらの故郷も事件なんてものとは無縁に思える穏やかな街並みだった。
どうやら、この町には断罪事件の影響は及んでいないようだった。
暴動などそんな怪しい雰囲気は微塵も感じさせなかった。
そんな平和な町だからだろうか事件から十年ほどたっているというのにどちらの町の住人も話を聞けばすぐに詳細を知ることが出来た。
これには平和な町で起きた一家殺害事件というショッキング性と当時似たような事件が全国で多発的に起きたという連鎖性が人々の記憶に深く事件のことを植え付けたのだろう。
あの頃のこの国はおかしかった。
変な事件が全国的に起こり世間は大きく混乱した。
今回の断罪事件、事件の内容こそ違うが世間に大きな影響を与えているという意味では十年前を彷彿させる。
「はやく決着をつけないと」
自身に言い聞かせるように呟き不安を心の奥底へと隠した。
彼らの調査自体は意外なほどスムーズに進んだ。
両家とも人付き合いの良い家族だったようで事件からずいぶん経ったというのに多くの人々から彼らの話を聞けた。
口々にみな『あんないい人たちが』『いまだに、信じられない』『子供だけでも助かってよかった』などを話してくれた。
けれど結局得ている以上の情報は集まらず、落胆していると一人の老女が『あんた、あの子のことしとるの?どう、今も元気しとる?』なんてことを聞いてきた。
「ええ、確か今は十八ぐらいでしたっけ。僕も最近は会っていませんが元気みたいですよ。ほら」
そう言いながら、例の写真を取り出し老女に見せる。
すると老女ははてと首を傾げた。
「誰かしらこの子?」
渡して馬鹿なことをしたと思う、これだけ時間がたっているんだ成長して見分けなどつかないだろう。
「すみません。昔の写真ならこちらに」
とはいえこんなに古い写真じゃ今元気かの判別にはならないだろう。
それでも、過去を思い出すための残り香くらいは残っているだろう。
けれど、それでも老女の顔は晴れない。
変わらずのしかめっ面だ。
「やっぱり知らんわ。誰、この子?」
その時、なんだかゾクリと得体のしれないものの手で背中を撫でられたかのような悪寒が走った。
すぐさま僕は他の人たちそしてもう片方の子供の故郷へと赴き同じ質問を何人かの人にしてみた『この子を知っていますか?』と。
反応はすべて同じ『誰?』だった。
当時の僕はまだ警官なり立ての新米、そして彼もまだ十歳ほどのほんの小さな子供だった。
あの頃は子供の彼をひどく邪険にしたような気がするけれど、もし彼がいなければあの事件はああいった形で終わることが出来なかっただろう。
そしてあの時以来僕と彼は度々、会うようになった。
「やあ、秋瀬くん。こうして会うのは結構久しぶりかな?」
翌日僕は出かける前に一度、彼と話をしておこうと思い秋瀬くんを時実養護施設の跡地へと呼び出した。
「最後に会ったのは三か月ほど前ですね。お久しぶりです澄乃さん」
気さくな笑顔を僕に向ける秋瀬くん、僕もそれに習い笑顔を向けた。
「ここが、例の養護施設のあった場所ですか」
今は何もない売地の看板だけが置かれた空き地に目を向ける秋瀬くん。
彼自身はこの場に何もかかわりはないけど彼女の育った場所だ、何か思うところがあるのだろう。
それに、例の件もあるし。
「僕が君をここに呼び出した理由、もうわかってるよね」
「僕がわたした写真のことですよね」
コクリと頷きながら例の封筒から写真を取り出す。
写真は元々何かの集合写真だったものを拡大し、印刷したもので画像はかなり荒かった。
写っている人物は二人、どちらもこの施設の関係者だった。
「これ、この二人がどうかしたの?」
差し出す写真を眺めながら聞く、すると秋瀬くんは懐からまた違う写真を取り出してきた。
「それは、恵子の私物です。家族との写真だからと大事に保管していたものの中から僕がその二人が写っているものを持ってきました」
「だから、この二人がどうしたんだい?別におかしな写真でもないでしょう」
「澄乃さんはこの写真どう思います」
先ほど取り出した写真をこちらに渡してくる秋瀬くん、真新しいその写真には仲良さそうに映っている二人の人物がいた。
「一人はこっちの写真と同じ子だな。だいぶん変わってるけど」
何気ないその感想、けど秋瀬くんはそれを否定してくる。
「いいえ、違うんです澄乃さん。それ、両方その写真と同じ人間なんです」
その言葉には驚愕を隠せなかった。
「はぁ!?いや、同じ人でも顔が。それにこの二人」
驚く僕をよそに彼は話を続ける。
「実は僕、最初その写真を見ても別段不思議には思わなかったんです。僕自身面識もなかったし、なりより恵子からみんな家族だと聞いていたんで。けれど、彼女がのちに施設で育ってその施設の人は誰も血がつながっていないと知った時、この写真に大きな違和感を持ちました」
その感想は僕自身が抱いたものでもあるので理解できる。
なにより、時実養護施設のことを過去にそれなりに調べた僕としてはその違和感はより大きく映った。
「この二人がどういった関係なのか僕は知りません。けれどただの他人にしては少しおかしいと思うんです。もちろんただの偶然ということもあります。けど」
言いよどむ秋瀬くん、なんて説明すればいいのか迷っている風だ。
そんな彼の代わりに僕が言葉をつづけた。
「例の感かい?」
コクリと頷く秋瀬くん。
なら話は決まりだ。
「そうかい。秋瀬くん、この写真二枚とも僕にあずからせてくれないかい?」
「いいですけど、澄乃さん。調べるんですか?」
「うん?ああ、そのつもりだよ。秋瀬くんの感を僕が調べそれを確証へ変え真相に近づける。いつものことじゃないか、君もそのつもりで僕にこの写真をわたしたんだろう?」
少し意地悪しようと皮肉気味に聞くが秋瀬くんの顔は強張るばかりだ。
「もちろん最初はそのつもりでした。こんなこと頼めるの澄乃さんしかいないですし。けど、ここまで話してなんなんですけど今回はやめた方がいいと思います」
「どうして?」
それは純粋な疑問だった。
僕と彼が出会って十年近くたつが彼がこんなことを言い出したのは今回が初めてのこと、それなりの理由があるはずだろう。
「あの、これも感なんですけど。なんていうか、この事件調べたら良いことが起きない気がするんです。なんか胸騒ぎっていうか。こんなの信じてもらえないでしょうけど」
言い詰まる秋瀬くん、その顔はひどく不安そうでもあった。
そんな彼に僕は自身の動揺など諭さないよう無理に表情を柔らかくして話す。
「信じるさ。今までもそうだったろ?君の感を誰よりも信じている僕だ、君の言うことはちゃんと受け止めるよ。うん、受け止めたうえで僕は調べに行くよ、それが僕の警察の仕事だ。事件を解決する、そのために僕たちは居るんだから。いつも通り調べて君の感の正しさを証明してくる」
ぽんと肩に手を置き笑顔を向ける。
本当に笑顔を作れたかはわからない。
彼の感を信じているこの言葉に嘘偽りはない、だからこそこれから何が起きるのかと怖かったのだ。
「澄乃さん」
「情報ありがとう。また帰ってきたら報告するよ。それじゃ」
ぼろが出る前にその場を立ち去る。
そんな僕に秋瀬くんはそれ以上何もいわず。
「気を付けてください。また、会いましょう」
と、再会の約束だけをしてくるのだった。
僕がまず向かったのはあの二人の故郷だった。
数年前にこの町に来た彼らの以前の経歴はその特殊な事情もあり一般的には調べるのは難しいが、そこは警察の力って奴で何とかたどり着くことが出来た。
ほんと、こういった時は融通が利いていいとつくづく思う。
こんな権力を手に入れられるから変に暴走してしまう警官とかも出るのかな?
一般人にはない特権を持った身としてはそんなことを考えてしまう。
こんな今まで考えなかったことをいまさらになって考えているのはやっぱりそれだけ僕の心に緊張があるということなんだろう。
良くないことが起こる、町を出る前に秋瀬くんの言った言葉がいまだに深く頭に突き刺さる。
今まで彼の感が外れたことは無い、それを踏まえれば今回もその良くないことは必ず起きる。
問題なのはそれがどういった類のものかということだ。
それは、警察にとって?あるいは僕自身?
それとも何かもっと別の?
どうも居心地が悪い。
まるで少しずつ崩れゆく砂塵の城に立っているかのような不安感。
もし自分の身に何か起きたときのためにこれから調べたことは随時、自宅のパソコンへ送るようにはしているが不安は拭いされない。
写真二人の人物、彼らの出身地は三丸町より統く離れた地にあり二人が二人ともまた違う地域の出身だった。
どちらの故郷も事件なんてものとは無縁に思える穏やかな街並みだった。
どうやら、この町には断罪事件の影響は及んでいないようだった。
暴動などそんな怪しい雰囲気は微塵も感じさせなかった。
そんな平和な町だからだろうか事件から十年ほどたっているというのにどちらの町の住人も話を聞けばすぐに詳細を知ることが出来た。
これには平和な町で起きた一家殺害事件というショッキング性と当時似たような事件が全国で多発的に起きたという連鎖性が人々の記憶に深く事件のことを植え付けたのだろう。
あの頃のこの国はおかしかった。
変な事件が全国的に起こり世間は大きく混乱した。
今回の断罪事件、事件の内容こそ違うが世間に大きな影響を与えているという意味では十年前を彷彿させる。
「はやく決着をつけないと」
自身に言い聞かせるように呟き不安を心の奥底へと隠した。
彼らの調査自体は意外なほどスムーズに進んだ。
両家とも人付き合いの良い家族だったようで事件からずいぶん経ったというのに多くの人々から彼らの話を聞けた。
口々にみな『あんないい人たちが』『いまだに、信じられない』『子供だけでも助かってよかった』などを話してくれた。
けれど結局得ている以上の情報は集まらず、落胆していると一人の老女が『あんた、あの子のことしとるの?どう、今も元気しとる?』なんてことを聞いてきた。
「ええ、確か今は十八ぐらいでしたっけ。僕も最近は会っていませんが元気みたいですよ。ほら」
そう言いながら、例の写真を取り出し老女に見せる。
すると老女ははてと首を傾げた。
「誰かしらこの子?」
渡して馬鹿なことをしたと思う、これだけ時間がたっているんだ成長して見分けなどつかないだろう。
「すみません。昔の写真ならこちらに」
とはいえこんなに古い写真じゃ今元気かの判別にはならないだろう。
それでも、過去を思い出すための残り香くらいは残っているだろう。
けれど、それでも老女の顔は晴れない。
変わらずのしかめっ面だ。
「やっぱり知らんわ。誰、この子?」
その時、なんだかゾクリと得体のしれないものの手で背中を撫でられたかのような悪寒が走った。
すぐさま僕は他の人たちそしてもう片方の子供の故郷へと赴き同じ質問を何人かの人にしてみた『この子を知っていますか?』と。
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