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第十二話 タイトルは『変態少女と、転生失敗した僕が書くブログ』
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はじめまして、モモイロイツキです。
人生で初めてのブログを開設しました。僕のブログ、タイトルは『変態少女と、転生失敗した僕が書くブログ』です。カテゴリはアダルトです。最初の記事で何を書いたらいいのか分からないので、まずは僕の友達を紹介します。
友達の名前は仮面修子。見た目は可愛い女の子だけど、彼女は重度の変態です。すぐに脱ぎたがるし、エロトークと変態トークで突っ走るし、自称「エロフェッショナル」だとか「エロリスト」だとか「エロマスター」だとか、とにかく好き勝手に名乗ってます。
さらに、セーラー服を着ているのに「パンツは穿いてない」らしく、一緒にいる僕は「いつスカートが捲れてしまわないか」心配です。パンツを穿きたくないなら、せめてフンドシでもしてればいいのに、と思います。
「ど、どうかな……」
放課後、僕は初めて書いた自分の記事を修子に見せていた。学園の授業が終わってから、僕らは教室に残って記事を書いていたのだ。
ブログなんてやったことがないし、しかもアダルトカテゴリなんてどう書いたらいいのか分からないからさ。パっと思いついたのが修子の変態行動だったから最初のネタとして書いてみて、とりあえず「パンツの代わりにフンドシでもどお?」っていうオチを付けてみた。
「イツキ」
「え? 何? ちょっと面白かった?」
自分の書いた記事を他人に見せるのは恥ずかしかったけど、『コメ専』と言われた修子なら気軽に感想をもらえるかと思ったら、
「つまらん。5点」
「ええっ! どうして!?」
「なぜフンドシなんだ? フンドシだってスカートを穿いてたら見えないじゃないか」
「??? そういう問題?」
「だったらせめて、『スカートも穿かなきゃいいのに』っていうオチにするべきだな」
この変態少女に意見を求めた僕が間違ってました。
普通の人の斜め上の、さらに斜め上の先までいってる修子。対して僕は何の取り柄もないただの人間。宇宙人でも、未来人でも、異世界人でも、超能力者でもない僕には、修子のエキセントリックなアドバイスは理解に苦しむし憂鬱でしかなかった。
「でもまあ、最初はこんなもんだな。ブログはとにかく書くことが大事だ。アタシも書いてみたけど、どうも文字だけだとエロさと変態さが弱い」
珍しくしょげた顔をしている修子は、僕のパソコンに赤外線通信で『ノーパン仮面による変態ブログ』のアドレスを送信してきた。
どれどれ。ノーパン仮面、もとい、仮面修子が初めて書いた記事は……
皆様こんばんは。ノーパン仮面の仮面修子です。
タイトルがノーパンだから、アタシも穿いてないかと思うだろ?大丈夫だ、本当に穿いてないから。そんなにジロジロ見るなよ、興奮して全部脱ぎたくなるだろ。あ、今スカートを脱いだぞ。見るか?
ほら。
『短パンを穿いてる画像』
悪いな、期待しちゃったか?
けど、ノーパン画像を載せたら「アカウントが凍結されちゃう」って、ウチのエロ教師が忠告してたからな。だからこのブログは、アタシのノーパン姿はなるべく見えないように、つゆだくな話をしていくぞ。
――以下、つゆだくな話の内容が過激すぎるので省略。
「どうだ? イツキ」
「これ、ただのエロブログじゃない!?」
「何言ってるんだ、アタシたちがやるのはエロブログだぞ」
「そりゃそうだけど……」
ノーパンでスカート脱いだから見る? っていう誘いから始まって、短パン写真でガッカリさせて、でも自分は本当に女の子だよと分からせてからのエロトーク……って、
「これはこれで、上手いのかなぁ??」
「最初に読者を誘うためのテクニックだ。あのエロ教師がよくやってる。期待を持たせてガッカリされても、そこからエロトークで興味を持続させるんだ」
修子は「にししっ」と目を細めた。なるほど、ステ娘教師のブログを参考にしたのか。たしかに修子は自分の顔は映してないけど、華奢な足を見せて小柄な女の子をアピールしてる。そんな女の子が過激なエロトークをぶちまけるギャップ。そこに興味を惹かれて、読んでる側は男女を問わずに最後まで読み進めてしまう。かくいう僕も、気になって最後まで読んでしまったわけだ。
しかし、これだけ修子ワールド全開の記事を書いても当の本人は満足していないらしく「だけど、なんか弱いんだ」と言って、
「やっぱり文章だけじゃなくて、脱ぐところを動画で見せないとエロさが足りないな」
自分のパソコンを机の上に置くと録画用のカメラアプリを起動した。一体何を始めるおつもりで?
「だから脱いでる動画を撮って載せよう」
「教室で脱ぐな! てか、そんな動画をアップしたらアカウントが凍結されちゃうんでしょ!?」
まったく……ステ娘教師のブログを参考にしたんなら、忠告もちゃんと聞こうよ。僕は修子のパソコンを静かに閉じてあげた。
人生で初めてのブログを開設しました。僕のブログ、タイトルは『変態少女と、転生失敗した僕が書くブログ』です。カテゴリはアダルトです。最初の記事で何を書いたらいいのか分からないので、まずは僕の友達を紹介します。
友達の名前は仮面修子。見た目は可愛い女の子だけど、彼女は重度の変態です。すぐに脱ぎたがるし、エロトークと変態トークで突っ走るし、自称「エロフェッショナル」だとか「エロリスト」だとか「エロマスター」だとか、とにかく好き勝手に名乗ってます。
さらに、セーラー服を着ているのに「パンツは穿いてない」らしく、一緒にいる僕は「いつスカートが捲れてしまわないか」心配です。パンツを穿きたくないなら、せめてフンドシでもしてればいいのに、と思います。
「ど、どうかな……」
放課後、僕は初めて書いた自分の記事を修子に見せていた。学園の授業が終わってから、僕らは教室に残って記事を書いていたのだ。
ブログなんてやったことがないし、しかもアダルトカテゴリなんてどう書いたらいいのか分からないからさ。パっと思いついたのが修子の変態行動だったから最初のネタとして書いてみて、とりあえず「パンツの代わりにフンドシでもどお?」っていうオチを付けてみた。
「イツキ」
「え? 何? ちょっと面白かった?」
自分の書いた記事を他人に見せるのは恥ずかしかったけど、『コメ専』と言われた修子なら気軽に感想をもらえるかと思ったら、
「つまらん。5点」
「ええっ! どうして!?」
「なぜフンドシなんだ? フンドシだってスカートを穿いてたら見えないじゃないか」
「??? そういう問題?」
「だったらせめて、『スカートも穿かなきゃいいのに』っていうオチにするべきだな」
この変態少女に意見を求めた僕が間違ってました。
普通の人の斜め上の、さらに斜め上の先までいってる修子。対して僕は何の取り柄もないただの人間。宇宙人でも、未来人でも、異世界人でも、超能力者でもない僕には、修子のエキセントリックなアドバイスは理解に苦しむし憂鬱でしかなかった。
「でもまあ、最初はこんなもんだな。ブログはとにかく書くことが大事だ。アタシも書いてみたけど、どうも文字だけだとエロさと変態さが弱い」
珍しくしょげた顔をしている修子は、僕のパソコンに赤外線通信で『ノーパン仮面による変態ブログ』のアドレスを送信してきた。
どれどれ。ノーパン仮面、もとい、仮面修子が初めて書いた記事は……
皆様こんばんは。ノーパン仮面の仮面修子です。
タイトルがノーパンだから、アタシも穿いてないかと思うだろ?大丈夫だ、本当に穿いてないから。そんなにジロジロ見るなよ、興奮して全部脱ぎたくなるだろ。あ、今スカートを脱いだぞ。見るか?
ほら。
『短パンを穿いてる画像』
悪いな、期待しちゃったか?
けど、ノーパン画像を載せたら「アカウントが凍結されちゃう」って、ウチのエロ教師が忠告してたからな。だからこのブログは、アタシのノーパン姿はなるべく見えないように、つゆだくな話をしていくぞ。
――以下、つゆだくな話の内容が過激すぎるので省略。
「どうだ? イツキ」
「これ、ただのエロブログじゃない!?」
「何言ってるんだ、アタシたちがやるのはエロブログだぞ」
「そりゃそうだけど……」
ノーパンでスカート脱いだから見る? っていう誘いから始まって、短パン写真でガッカリさせて、でも自分は本当に女の子だよと分からせてからのエロトーク……って、
「これはこれで、上手いのかなぁ??」
「最初に読者を誘うためのテクニックだ。あのエロ教師がよくやってる。期待を持たせてガッカリされても、そこからエロトークで興味を持続させるんだ」
修子は「にししっ」と目を細めた。なるほど、ステ娘教師のブログを参考にしたのか。たしかに修子は自分の顔は映してないけど、華奢な足を見せて小柄な女の子をアピールしてる。そんな女の子が過激なエロトークをぶちまけるギャップ。そこに興味を惹かれて、読んでる側は男女を問わずに最後まで読み進めてしまう。かくいう僕も、気になって最後まで読んでしまったわけだ。
しかし、これだけ修子ワールド全開の記事を書いても当の本人は満足していないらしく「だけど、なんか弱いんだ」と言って、
「やっぱり文章だけじゃなくて、脱ぐところを動画で見せないとエロさが足りないな」
自分のパソコンを机の上に置くと録画用のカメラアプリを起動した。一体何を始めるおつもりで?
「だから脱いでる動画を撮って載せよう」
「教室で脱ぐな! てか、そんな動画をアップしたらアカウントが凍結されちゃうんでしょ!?」
まったく……ステ娘教師のブログを参考にしたんなら、忠告もちゃんと聞こうよ。僕は修子のパソコンを静かに閉じてあげた。
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