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世界では、二度のダンジョンスタンピードが発生した。
ここ日本でも色々な問題が起き、それに対し特異迷宮入場免許制度を一般に導入し対策に乗り出した。これは国民に、ダンジョンにいるモンスターを間引いてもらおうという政府の算段だ。そのイメージ戦略として、スキルトーナメントなんてイベントが特異迷宮対策省の主催で開催され、それに伴い立ち入りの禁止されていた日本中のダンジョンが解禁。
で、そうしたことがあった現在。
いまや大勢の人間が特異迷宮入場免許を取得し、ダンジョンに潜っている。そして免許を取得しないダンジョン能力者に関しては特異能力者証というモノが交付され、その把握を行っている。こちらは主に保護者の同意を得られなかった未成年や、望まず能力者となった者達向けの対応といえる。
しかしそんな風にダンジョン能力者が大勢増えると治安もさぞ悪くなったのだろうと思うかもしれないが、意外とそんなことはなかった。
無論悪事に走る能力者が皆無とはいかないが、そういった者は能力の有無に関わらず前から問題を起こしていたし、ダンジョン能力者が増えること自体が抑止力として働いたのだ。
これは、いうなれば西部のガンマンや侍と同じこと。
他者も自分と同様に銃や刀という人を殺傷できる力を有していれば、その優位性は失われ、無闇にそれをふるう事もまた憚られるというわけだ。
ここ日本でも、ちょっと昔の幕末までは武士が刀を履いたまま蕎麦屋で一杯ひっかけてたりもしていた。なのでそういった歴史的背景と慣れというのもあり、ダンジョン能力者が大勢増えたことでそれに対する警戒心もまた、大きく薄まったといえる。
が、それとは別にスキルトーナメントなんてイベントのほか政府が国民にダンジョンモンスターを間引いてもらう餌として用意した依頼案件は、バチクソにしょぼかった。
なぜなら官公庁で行なわれている入札制度を、そのまま適用してしまったのだ。
コレを解りやすく説明すると、よく街で見かける除草作業なんかの仕事とおんなじだ。行政が『こういう仕事あるんやけど、やる会社おる~?』と募集をかけた仕事内容に、『あ、ウチんとこならそれ、ナンボでやりまっせ~!』とその仕事を希望する会社が入札。
結果、一番安い金額をあげた会社がその仕事を落札できるという仕組み。
つまり一番高い金額を入れた者がその品を落札できるネットオークションとは、まったく逆の仕組みだ。
この入札自体は特異迷宮入場免許を取得した者に登録が義務付けられている通称冒険者アプリで行なえるのだが、まだなんのランキング制度も設けられていないため能力者なら誰でも入札に参加できてしまう。
これにより注目を集めた案件には人気が殺到しシステムがパンクしてみたり、落札金額が雀の涙ほどになってしまうといった事態が起こり、多くの不評を買っている。
そういった混乱は、まだまだ続きそうな感じだ。
…。
そして今日、そんなお金にまつわる嫌な話が、オレのところにもふりかかってきた。
「は?何言ってるんです?こっちはちゃんと仕事をしたんですよ!?」
『いえ!ですからその内容がおかしいのではと、そう訊いてるんですよ!』
電話の相手は特異迷宮対策省の、経理だかの担当を名乗った人物。
なので『ああ、路亜さんはあの件で忙しいから、別のひとが電話してきたんだなぁ』と応対していたら、おかしなことを言いだしたのだ。
「あの…、あなた現場のことをよく知らないようですけど、いったいどういった報告を受けて電話してきたんですか?」
『いえ!報告書は受け取っています。ですが現役自衛官が大勢殉職しているにも関わらず、それをあなたひとりで解決したという点に、おおきな疑問が残るといってるのです。わかりますか、そうですよね!?』
(むぅ、なんなんだコイツ…。こっちはこの件のせいで、化け物化していたとはいえ大勢人を殺す羽目になったんだぞ…)
それを思うと、そんな思いまでして仕事をこなしたのになんでこんなケチをつけられなきゃいけないのだと、ひどく腹立たしさを覚える。
「…現場で指揮をとられていたのは、そちらの路亜という職員の方です。私はその指示で動きました。報告もその路亜さんから、あげられてますよね?」
『はい、そうです。ですが報告書では、あなたが単身地下駐車場に入ったとある…。ただその際、そこで職務にあたっていた自衛官たちの意識はまだ残っていて、その協力のもと、あなたは問題を解決できたのですよね??』
「え…?」
たしかに地下駐車場には、化け物キノコに寄生されてしまった自衛官らがいた。
防護服に身を包んでもいた。が、戦闘中にマスクが外れ感染してしまったのか、そしてその隊員がまた仲間をとゾンビ映画であるようなことが起きてしまったのか、全員キノコになってしまっていたが…。
(いったいこの人はなにを…ハッ、これはもしや!?)
なにで知ったかはもう覚えていないが、かなり前にバスと白バイ隊員の交通事故というのがあったらしい。
なんのミスか白バイの方からバスに突っ込み、それで亡くなってしまったのだ。すると後からその現場検証にきた警察が、なんの過失もないバスの運転手が悪いと逮捕したというトンデモナイ話。
でもなぜこんなことが起きてしまったのかというと、それには金が絡んでくる。
殉職者特別賞恤金 というのがあって、それは生命の危険が予想される地域に出動して死亡したと認められた警察官に国から支給されるモノ。
つまり単なる自爆では、それはもらえないのである。
その現場検証にきた警察はそういった金銭的なことや、警察が自爆で事故を起こしたという外聞の悪い事実を隠ぺいする為に、何も悪くないバスの運転手ひとりに全てをなすりつけたという話だ。
そして今、電話口でオレと話しているこの人物も、それと似たようなことを考えているのではなかろうか…。
「…がんばって職務を達成しようとしていたのに、失敗したうえバケモノになって人を襲っていたでは、外聞が悪いですか??」
『な、なにを言ってるんだキミは!亡くなった者たちに対し!し、失礼にもほどがあるだろうッ!!』
そう問うと、相手は明らかに声を荒げ激昂。その顔すら、まざまざと思い浮かぶようだ。
「賞恤金、というのがあるのですよね…。ただ感染してバケモノ化したのと、最後まで任務を遂行しようとしていたのでは、その金額も変わりますか??」
『…ッ!?』
さらに問うと、こんどは電話口でもわかるくらいの、息とも呻きともとれぬ音を口から漏らしている。やはり相手は、亡くなった者の名誉とか、残された遺族に少しでも多くの金をと、そう考えているようだ。
「なら…、そういう押し付けがましいのはよしましょうよ?私は現場をこの目で視て、その惨状を誰より知っている。現場の方のご苦労も、わかります。それと同じことを、私もしてきたのですから…」
『……』
「あなたのお気持ちも、お察しします。もしやお知り合いかどなたかが、その場におられたのですか…?」
『…むかしの、部下が…』
ああ…やはり、このひとも自衛隊から移ったひとだったのか。
ここ日本でも色々な問題が起き、それに対し特異迷宮入場免許制度を一般に導入し対策に乗り出した。これは国民に、ダンジョンにいるモンスターを間引いてもらおうという政府の算段だ。そのイメージ戦略として、スキルトーナメントなんてイベントが特異迷宮対策省の主催で開催され、それに伴い立ち入りの禁止されていた日本中のダンジョンが解禁。
で、そうしたことがあった現在。
いまや大勢の人間が特異迷宮入場免許を取得し、ダンジョンに潜っている。そして免許を取得しないダンジョン能力者に関しては特異能力者証というモノが交付され、その把握を行っている。こちらは主に保護者の同意を得られなかった未成年や、望まず能力者となった者達向けの対応といえる。
しかしそんな風にダンジョン能力者が大勢増えると治安もさぞ悪くなったのだろうと思うかもしれないが、意外とそんなことはなかった。
無論悪事に走る能力者が皆無とはいかないが、そういった者は能力の有無に関わらず前から問題を起こしていたし、ダンジョン能力者が増えること自体が抑止力として働いたのだ。
これは、いうなれば西部のガンマンや侍と同じこと。
他者も自分と同様に銃や刀という人を殺傷できる力を有していれば、その優位性は失われ、無闇にそれをふるう事もまた憚られるというわけだ。
ここ日本でも、ちょっと昔の幕末までは武士が刀を履いたまま蕎麦屋で一杯ひっかけてたりもしていた。なのでそういった歴史的背景と慣れというのもあり、ダンジョン能力者が大勢増えたことでそれに対する警戒心もまた、大きく薄まったといえる。
が、それとは別にスキルトーナメントなんてイベントのほか政府が国民にダンジョンモンスターを間引いてもらう餌として用意した依頼案件は、バチクソにしょぼかった。
なぜなら官公庁で行なわれている入札制度を、そのまま適用してしまったのだ。
コレを解りやすく説明すると、よく街で見かける除草作業なんかの仕事とおんなじだ。行政が『こういう仕事あるんやけど、やる会社おる~?』と募集をかけた仕事内容に、『あ、ウチんとこならそれ、ナンボでやりまっせ~!』とその仕事を希望する会社が入札。
結果、一番安い金額をあげた会社がその仕事を落札できるという仕組み。
つまり一番高い金額を入れた者がその品を落札できるネットオークションとは、まったく逆の仕組みだ。
この入札自体は特異迷宮入場免許を取得した者に登録が義務付けられている通称冒険者アプリで行なえるのだが、まだなんのランキング制度も設けられていないため能力者なら誰でも入札に参加できてしまう。
これにより注目を集めた案件には人気が殺到しシステムがパンクしてみたり、落札金額が雀の涙ほどになってしまうといった事態が起こり、多くの不評を買っている。
そういった混乱は、まだまだ続きそうな感じだ。
…。
そして今日、そんなお金にまつわる嫌な話が、オレのところにもふりかかってきた。
「は?何言ってるんです?こっちはちゃんと仕事をしたんですよ!?」
『いえ!ですからその内容がおかしいのではと、そう訊いてるんですよ!』
電話の相手は特異迷宮対策省の、経理だかの担当を名乗った人物。
なので『ああ、路亜さんはあの件で忙しいから、別のひとが電話してきたんだなぁ』と応対していたら、おかしなことを言いだしたのだ。
「あの…、あなた現場のことをよく知らないようですけど、いったいどういった報告を受けて電話してきたんですか?」
『いえ!報告書は受け取っています。ですが現役自衛官が大勢殉職しているにも関わらず、それをあなたひとりで解決したという点に、おおきな疑問が残るといってるのです。わかりますか、そうですよね!?』
(むぅ、なんなんだコイツ…。こっちはこの件のせいで、化け物化していたとはいえ大勢人を殺す羽目になったんだぞ…)
それを思うと、そんな思いまでして仕事をこなしたのになんでこんなケチをつけられなきゃいけないのだと、ひどく腹立たしさを覚える。
「…現場で指揮をとられていたのは、そちらの路亜という職員の方です。私はその指示で動きました。報告もその路亜さんから、あげられてますよね?」
『はい、そうです。ですが報告書では、あなたが単身地下駐車場に入ったとある…。ただその際、そこで職務にあたっていた自衛官たちの意識はまだ残っていて、その協力のもと、あなたは問題を解決できたのですよね??』
「え…?」
たしかに地下駐車場には、化け物キノコに寄生されてしまった自衛官らがいた。
防護服に身を包んでもいた。が、戦闘中にマスクが外れ感染してしまったのか、そしてその隊員がまた仲間をとゾンビ映画であるようなことが起きてしまったのか、全員キノコになってしまっていたが…。
(いったいこの人はなにを…ハッ、これはもしや!?)
なにで知ったかはもう覚えていないが、かなり前にバスと白バイ隊員の交通事故というのがあったらしい。
なんのミスか白バイの方からバスに突っ込み、それで亡くなってしまったのだ。すると後からその現場検証にきた警察が、なんの過失もないバスの運転手が悪いと逮捕したというトンデモナイ話。
でもなぜこんなことが起きてしまったのかというと、それには金が絡んでくる。
殉職者特別賞恤金 というのがあって、それは生命の危険が予想される地域に出動して死亡したと認められた警察官に国から支給されるモノ。
つまり単なる自爆では、それはもらえないのである。
その現場検証にきた警察はそういった金銭的なことや、警察が自爆で事故を起こしたという外聞の悪い事実を隠ぺいする為に、何も悪くないバスの運転手ひとりに全てをなすりつけたという話だ。
そして今、電話口でオレと話しているこの人物も、それと似たようなことを考えているのではなかろうか…。
「…がんばって職務を達成しようとしていたのに、失敗したうえバケモノになって人を襲っていたでは、外聞が悪いですか??」
『な、なにを言ってるんだキミは!亡くなった者たちに対し!し、失礼にもほどがあるだろうッ!!』
そう問うと、相手は明らかに声を荒げ激昂。その顔すら、まざまざと思い浮かぶようだ。
「賞恤金、というのがあるのですよね…。ただ感染してバケモノ化したのと、最後まで任務を遂行しようとしていたのでは、その金額も変わりますか??」
『…ッ!?』
さらに問うと、こんどは電話口でもわかるくらいの、息とも呻きともとれぬ音を口から漏らしている。やはり相手は、亡くなった者の名誉とか、残された遺族に少しでも多くの金をと、そう考えているようだ。
「なら…、そういう押し付けがましいのはよしましょうよ?私は現場をこの目で視て、その惨状を誰より知っている。現場の方のご苦労も、わかります。それと同じことを、私もしてきたのですから…」
『……』
「あなたのお気持ちも、お察しします。もしやお知り合いかどなたかが、その場におられたのですか…?」
『…むかしの、部下が…』
ああ…やはり、このひとも自衛隊から移ったひとだったのか。
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