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あ~まいぞ
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遂に巨大化した悪の秘密結社大首領の登場かと慄いていると、次いで響いてきたのはどうどうという滝のような音…。そして風にのって運ばれてきたのは、なにやらそこはかとない硫黄臭…。
「ん、これは…?」
「「……」」
そこで不審に思って3人顔を見合わせると、ソロソロと崖に近づきダンジョン跡を覗いてみる。
「「わぁ~…!」」
するとそこには、底が抜け周囲を飲み込んだ穴からなんとも巨大な湯柱が噴き上がっていたのだった。
「な…もしや!山ダンジョンが消失した影響で、その下にあった温泉を掘り当てたのか!?」
「きっとそうだよ!見てスゴ~イ!あんなに噴き上がってるよ!!」
「ダンジョンは谷間にあったし、相当深かったもんなぁ。あんだけ深かったら、温泉の地下水脈に届いとってもおかしないわぁ」
ふぅむ、そうか。温泉か…。
草津に限らずこの辺は名湯の多い場所。ならば地面が深く掘られたなら、温泉の湧き出る確率もほかとは段違いという訳か。
「しかし…すごいな。湯気も凄いが音もとんでもなく響いている…」
軽く20メートルは噴き上がっている湯柱。それが水飛沫となって周囲に散り、その湯煙のせいで煙幕のようになっている。
「でもさでもさ!ダンジョンクリアのお祝いに、コレってちょうど良くない!?みんなでこの温泉に入ろうよ!」
「せやなぁ。この辺の山はすっかり調査も殲滅も終えとるし、コレもダンジョンクリアの報酬と思ったらエエんやない?」
「そうだな。よし、ではひとっ風呂あびてサッパリするか!」
「「やった~!」」
…。
大量にゴブリンを吐きだしていた山ダンジョンはこうして消失し、その跡地には温泉が湧いたのだった。
そしてオレのスキルを用いれば、浴槽を作るのだってカンタン。手近にあった倒木や岩を粘液で接着し、その上から岩塩で固めてしまえばもうそれだけで特製岩塩風呂の完成だ。
ま、温泉の成分やら溜めた湯の水圧がかかるので耐久性はないが、2時間も持てばいいのでなんの問題もない。
「ハァ~~。災い転じて福となす。ダンジョン消えてお湯が湧く。か…」
「ホントたいへんだったよねぇ。おつかれさまぁ」
うんうん、下手すりゃ今回も死ぬとこだったし。
「ピクシーちゃんたちにも助けられたなぁ。ホンマありがとうなぁ」
「「ぴぴぃ~」」
うん、そしてここにはピクシーたちもいる。で、温泉場を作ったらね、なんか桃源郷もできたのよ。
立ち昇る湯柱をすこし見上げるくらいの位置まで下りてそこに浴槽を作ったのだけど、そこに湯を張るにはピクシークィーンの力が必要。いやほら、湯柱の根元は今、湧き出た湯と泥でドロドロになってるからさ。
そこで再びピクシークィーンにご登場願い、湯柱から落ちていく湯を強い風で浴槽に導いてもらったのだ。で、せっかくならダンジョンで活躍してくれたピクシーたちも自然のなかで遊ばせてあげようと、再び召喚した次第。
なのでその光景はというと、そこここでピクシたーたちが舞い湯と戯れる湯煙旅情ピクシー祭り。まさにファンタジーな桃源郷なのだ。
「ぴぴぃ、ぴぴぃ~」
「うん、おつかれおつかれ。よくがんばってくれたな。ありがとう」
無邪気に遊ぶピクシーたち。
でもそんな彼女たちのおかげで、あの手強かったグレートアントどもを一掃できたのだ。その感謝も込めて、超巨大アブラムシの甘い体液も飲み放題の大盤振る舞いしちゃうぞ。
「ホラおいで、わたしの【糖】と【酸】で作った新なんちゃってレモン水よ~」
「「ぴぴぃ~~!」」
それを見て湯に浸かっていた瀬来さんが両手の平に新たなスキルも活用した新なんちゃってレモン水を生み出すと、それに釣られピクシーたちが集まっていく。
「ほんならウチかて。ほらピクシーちゃ~ん、コッチのみ~ずもあ~まいぞ」
ハハハ、スキル【糖】に【甘露】か。
今はただ甘い水を生み出すだけみたいだけど、そのうちアブラムシがしていたように回復効果とかが乗りそうだよな。うんうん、なんともこれは良スキルの予感。
「ほんならコォチにも。はい、あ~ん…」
「あぁん、わたしの新レモン水の方が先よ~!はい江月さん、あ~ん…」
「お、わ、ふたりとも…」
揃ってふたりが手の平に甘い水をもって迫ってくるので、ともかく大口あけて上を向くと2種のトロリとした甘い液体が口の中へと注ぎ込まれた。
ん、これは…おいちい!!
「ん、これは…?」
「「……」」
そこで不審に思って3人顔を見合わせると、ソロソロと崖に近づきダンジョン跡を覗いてみる。
「「わぁ~…!」」
するとそこには、底が抜け周囲を飲み込んだ穴からなんとも巨大な湯柱が噴き上がっていたのだった。
「な…もしや!山ダンジョンが消失した影響で、その下にあった温泉を掘り当てたのか!?」
「きっとそうだよ!見てスゴ~イ!あんなに噴き上がってるよ!!」
「ダンジョンは谷間にあったし、相当深かったもんなぁ。あんだけ深かったら、温泉の地下水脈に届いとってもおかしないわぁ」
ふぅむ、そうか。温泉か…。
草津に限らずこの辺は名湯の多い場所。ならば地面が深く掘られたなら、温泉の湧き出る確率もほかとは段違いという訳か。
「しかし…すごいな。湯気も凄いが音もとんでもなく響いている…」
軽く20メートルは噴き上がっている湯柱。それが水飛沫となって周囲に散り、その湯煙のせいで煙幕のようになっている。
「でもさでもさ!ダンジョンクリアのお祝いに、コレってちょうど良くない!?みんなでこの温泉に入ろうよ!」
「せやなぁ。この辺の山はすっかり調査も殲滅も終えとるし、コレもダンジョンクリアの報酬と思ったらエエんやない?」
「そうだな。よし、ではひとっ風呂あびてサッパリするか!」
「「やった~!」」
…。
大量にゴブリンを吐きだしていた山ダンジョンはこうして消失し、その跡地には温泉が湧いたのだった。
そしてオレのスキルを用いれば、浴槽を作るのだってカンタン。手近にあった倒木や岩を粘液で接着し、その上から岩塩で固めてしまえばもうそれだけで特製岩塩風呂の完成だ。
ま、温泉の成分やら溜めた湯の水圧がかかるので耐久性はないが、2時間も持てばいいのでなんの問題もない。
「ハァ~~。災い転じて福となす。ダンジョン消えてお湯が湧く。か…」
「ホントたいへんだったよねぇ。おつかれさまぁ」
うんうん、下手すりゃ今回も死ぬとこだったし。
「ピクシーちゃんたちにも助けられたなぁ。ホンマありがとうなぁ」
「「ぴぴぃ~」」
うん、そしてここにはピクシーたちもいる。で、温泉場を作ったらね、なんか桃源郷もできたのよ。
立ち昇る湯柱をすこし見上げるくらいの位置まで下りてそこに浴槽を作ったのだけど、そこに湯を張るにはピクシークィーンの力が必要。いやほら、湯柱の根元は今、湧き出た湯と泥でドロドロになってるからさ。
そこで再びピクシークィーンにご登場願い、湯柱から落ちていく湯を強い風で浴槽に導いてもらったのだ。で、せっかくならダンジョンで活躍してくれたピクシーたちも自然のなかで遊ばせてあげようと、再び召喚した次第。
なのでその光景はというと、そこここでピクシたーたちが舞い湯と戯れる湯煙旅情ピクシー祭り。まさにファンタジーな桃源郷なのだ。
「ぴぴぃ、ぴぴぃ~」
「うん、おつかれおつかれ。よくがんばってくれたな。ありがとう」
無邪気に遊ぶピクシーたち。
でもそんな彼女たちのおかげで、あの手強かったグレートアントどもを一掃できたのだ。その感謝も込めて、超巨大アブラムシの甘い体液も飲み放題の大盤振る舞いしちゃうぞ。
「ホラおいで、わたしの【糖】と【酸】で作った新なんちゃってレモン水よ~」
「「ぴぴぃ~~!」」
それを見て湯に浸かっていた瀬来さんが両手の平に新たなスキルも活用した新なんちゃってレモン水を生み出すと、それに釣られピクシーたちが集まっていく。
「ほんならウチかて。ほらピクシーちゃ~ん、コッチのみ~ずもあ~まいぞ」
ハハハ、スキル【糖】に【甘露】か。
今はただ甘い水を生み出すだけみたいだけど、そのうちアブラムシがしていたように回復効果とかが乗りそうだよな。うんうん、なんともこれは良スキルの予感。
「ほんならコォチにも。はい、あ~ん…」
「あぁん、わたしの新レモン水の方が先よ~!はい江月さん、あ~ん…」
「お、わ、ふたりとも…」
揃ってふたりが手の平に甘い水をもって迫ってくるので、ともかく大口あけて上を向くと2種のトロリとした甘い液体が口の中へと注ぎ込まれた。
ん、これは…おいちい!!
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