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超巨大猪解体
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(ふ…、他愛もないでおじゃる)
戦いは終わった。我が軍の圧勝だ。
(しかし、強くなったものだなぁ)
だがこれも、当然の帰結といえよう。
なぜならばオレのなかには、今まで戦ってきた強敵たちが確かな記憶として眠っているのだから。で、そんな彼らはふとした時に眼を覚まし、いつもオレに「今ならばどう戦う?」と問うてくるのだ。
それに対し、オレはいつも真剣に考える。
ノーモア激闘。リメンバー・キングゴキ。追われて逃げ惑ったあの恐怖を、忘れてはならない。左足を失ったあの時の痛みを、決して忘れてはならない。
故にさまざまな状況を想定し、かつてよりもより上手く確実な勝利を模索していく。
もし雨が降っていたら?もし路面が凍っていたら?それだけで大きく状況が変わってくる。脳内にイメージした戦闘で、どうしても勝てないことだってある。
だがそうしたイメージトレーニングの積み重ねが、いざ戦闘という時にこうして動じない心を持たせてくれるのだと信じて。
「おっと、そろそろ頃合いか。我と戦い果つるを誉とし、心安んじて全てを差し出せ…スキル【簒奪】!」
全身が激しく痙攣を始めた超巨大猪の心臓に、高周波ブレード化したミスリル靴箆を突き込んでトドメをいれる。
するといつもの如く金色の生命エナジーが湧き立つが、普段なら真っ先にやってくる瀬来さんが今日は脇目もふらず停まったトラックへと駆けていった。
「おじさ~ん!だいじょうぶ??」
「ああ、ありがとう…あれ?もしかして瀬来さんとこの万智ちゃんかい!?」
運転席から降りてフラついていた年配男性も、瀬来さんに気付いたようだ。
「そうだよ、ひさしぶりね。おじさん怪我したの?」
「ちょっとぶつけちまってな。なぁにこれくらい、イテテ…」
「ダメよ無理しちゃ。いま手当するからね。ほら、肩貸すからいっしょに行きましょ」
「すまないな、じゃあ…」
そうしてシシ撃ちのおじさんに肩を貸した瀬来さんは、そのまま家へと戻っていく。
「…万智が倒したモンスターに気を惹かれないなんて、珍しいもんやねぇ」
「ふぅむ、そうだな。ま、見た感じだいぶ親しい間柄なんだろう」
現在 前回
レベル: 18 17
種族:人間?
職業:教師
能力値
筋力: 668 559
体力: 686 564
知力: 612 573
精神力: 645 602
敏捷性: 578 536
運: 656 632
やるせなさ:256 280
加護:
【塩精霊】奇御霊・【小妖精女王】幸御霊・【赤粘性生物】準奇御霊・【空間猿】眷属・【格闘蛙】眷属・【大蛞蝓(オオナメクジ)】眷属
技能:
【強酸】2・【俊敏】2・【病耐性】7・【簒奪】・【粘液】7・【空間】6・【強運】1.4・【足捌】・【瞑想】・【塩】5・【図工】・【蛆】2・【女】・【格闘】6・【麻痺】4・【跳躍】9・【頑健】8・【魅惑】
称号:
【蟲王】・【ソルトメイト】・【しょっぱい男】・【蟲女王】・【女殺し】・【ムシムシフレンズ】
なことを話してるうちに、レベルが上がった。
スキルに関しては変化ないけど、筋力と体力が100以上の上昇。ふむ、やはり超巨大猪はパワー型だった模様。
「仁菜さんはどうだった?」
「うちはハズレやなぁ。レベルもスキルも変わりなしやねぇ」
「そうか。レベルもだいぶあがってるし、そのぶん必要な生命エナジーも増えてるんだろう」
「おっきなモンスターやったからちょっと期待したのに、シケとるねぇ」
「ああいや、それはたぶんコイツじゃなくてオレのせいだよ。自動でピクシークィーンや塩太郎、それにレッドスライムも生命エナジー取得の頭数に入っちゃってるから」
「ううん、それはええんよ。うちらコォチが倒したモンスターのおこぼれ貰ろてるだけやし」
「ま、ともあれとんだサプライズだったが、えらい量の肉が手に入ったわけだ。せっかくだから傷んでしまう前に解体してしまおう。おいで、レッドスライム」
「せやね。高いとこやから東京より涼しいゆうても、気温はそれなりにあるもんな」
レッドスライムには心臓につけた傷口に吸いついてもらい、ズビャっと血抜きをお願いする。
ほんとレッドスライムは芸達者で助かるよ。身体を器用に膨らませ負圧をかけることで、スポイトのように血をバンバンと抜き取ってくれるのだ。
その間に、オレもミスリル靴箆でたくさんある脚を切り落としていく。
魔力を過剰に込めて高周波ブレード化させるとなんの抵抗も感じずスパスパと切れていくので、ちょっと怖いくらいだ。
な感じであっという間に超巨大猪は解体され、まわしてきたトラックの荷台にぽいぽいと積み込む。だがそれでも一度では積みきらずに、馬鹿クソにデカい頭と数本の脚が残る。
「う~む。量も多いし、今回内臓はパスしようか?」
「そやねぇ。ダンジョンの中やったら分解吸収の作用で小さな生き物は生きてられへんみたいやけど、外に出とるモンスターはなに食べてるか解らんし…ちょっと危ないやろなぁ」
「だね。よし、じゃあレッドスライム。悪いんだけどあの内臓も処理しといてくれる?」
そう頼むと超巨大猪の血を大量に吸い上げたっぽんたっぽんになったレッドスライムが、再び億劫そうに震えながらも道路を塞いでいる大量の内臓に向かってくれるのだった。
戦いは終わった。我が軍の圧勝だ。
(しかし、強くなったものだなぁ)
だがこれも、当然の帰結といえよう。
なぜならばオレのなかには、今まで戦ってきた強敵たちが確かな記憶として眠っているのだから。で、そんな彼らはふとした時に眼を覚まし、いつもオレに「今ならばどう戦う?」と問うてくるのだ。
それに対し、オレはいつも真剣に考える。
ノーモア激闘。リメンバー・キングゴキ。追われて逃げ惑ったあの恐怖を、忘れてはならない。左足を失ったあの時の痛みを、決して忘れてはならない。
故にさまざまな状況を想定し、かつてよりもより上手く確実な勝利を模索していく。
もし雨が降っていたら?もし路面が凍っていたら?それだけで大きく状況が変わってくる。脳内にイメージした戦闘で、どうしても勝てないことだってある。
だがそうしたイメージトレーニングの積み重ねが、いざ戦闘という時にこうして動じない心を持たせてくれるのだと信じて。
「おっと、そろそろ頃合いか。我と戦い果つるを誉とし、心安んじて全てを差し出せ…スキル【簒奪】!」
全身が激しく痙攣を始めた超巨大猪の心臓に、高周波ブレード化したミスリル靴箆を突き込んでトドメをいれる。
するといつもの如く金色の生命エナジーが湧き立つが、普段なら真っ先にやってくる瀬来さんが今日は脇目もふらず停まったトラックへと駆けていった。
「おじさ~ん!だいじょうぶ??」
「ああ、ありがとう…あれ?もしかして瀬来さんとこの万智ちゃんかい!?」
運転席から降りてフラついていた年配男性も、瀬来さんに気付いたようだ。
「そうだよ、ひさしぶりね。おじさん怪我したの?」
「ちょっとぶつけちまってな。なぁにこれくらい、イテテ…」
「ダメよ無理しちゃ。いま手当するからね。ほら、肩貸すからいっしょに行きましょ」
「すまないな、じゃあ…」
そうしてシシ撃ちのおじさんに肩を貸した瀬来さんは、そのまま家へと戻っていく。
「…万智が倒したモンスターに気を惹かれないなんて、珍しいもんやねぇ」
「ふぅむ、そうだな。ま、見た感じだいぶ親しい間柄なんだろう」
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レベル: 18 17
種族:人間?
職業:教師
能力値
筋力: 668 559
体力: 686 564
知力: 612 573
精神力: 645 602
敏捷性: 578 536
運: 656 632
やるせなさ:256 280
加護:
【塩精霊】奇御霊・【小妖精女王】幸御霊・【赤粘性生物】準奇御霊・【空間猿】眷属・【格闘蛙】眷属・【大蛞蝓(オオナメクジ)】眷属
技能:
【強酸】2・【俊敏】2・【病耐性】7・【簒奪】・【粘液】7・【空間】6・【強運】1.4・【足捌】・【瞑想】・【塩】5・【図工】・【蛆】2・【女】・【格闘】6・【麻痺】4・【跳躍】9・【頑健】8・【魅惑】
称号:
【蟲王】・【ソルトメイト】・【しょっぱい男】・【蟲女王】・【女殺し】・【ムシムシフレンズ】
なことを話してるうちに、レベルが上がった。
スキルに関しては変化ないけど、筋力と体力が100以上の上昇。ふむ、やはり超巨大猪はパワー型だった模様。
「仁菜さんはどうだった?」
「うちはハズレやなぁ。レベルもスキルも変わりなしやねぇ」
「そうか。レベルもだいぶあがってるし、そのぶん必要な生命エナジーも増えてるんだろう」
「おっきなモンスターやったからちょっと期待したのに、シケとるねぇ」
「ああいや、それはたぶんコイツじゃなくてオレのせいだよ。自動でピクシークィーンや塩太郎、それにレッドスライムも生命エナジー取得の頭数に入っちゃってるから」
「ううん、それはええんよ。うちらコォチが倒したモンスターのおこぼれ貰ろてるだけやし」
「ま、ともあれとんだサプライズだったが、えらい量の肉が手に入ったわけだ。せっかくだから傷んでしまう前に解体してしまおう。おいで、レッドスライム」
「せやね。高いとこやから東京より涼しいゆうても、気温はそれなりにあるもんな」
レッドスライムには心臓につけた傷口に吸いついてもらい、ズビャっと血抜きをお願いする。
ほんとレッドスライムは芸達者で助かるよ。身体を器用に膨らませ負圧をかけることで、スポイトのように血をバンバンと抜き取ってくれるのだ。
その間に、オレもミスリル靴箆でたくさんある脚を切り落としていく。
魔力を過剰に込めて高周波ブレード化させるとなんの抵抗も感じずスパスパと切れていくので、ちょっと怖いくらいだ。
な感じであっという間に超巨大猪は解体され、まわしてきたトラックの荷台にぽいぽいと積み込む。だがそれでも一度では積みきらずに、馬鹿クソにデカい頭と数本の脚が残る。
「う~む。量も多いし、今回内臓はパスしようか?」
「そやねぇ。ダンジョンの中やったら分解吸収の作用で小さな生き物は生きてられへんみたいやけど、外に出とるモンスターはなに食べてるか解らんし…ちょっと危ないやろなぁ」
「だね。よし、じゃあレッドスライム。悪いんだけどあの内臓も処理しといてくれる?」
そう頼むと超巨大猪の血を大量に吸い上げたっぽんたっぽんになったレッドスライムが、再び億劫そうに震えながらも道路を塞いでいる大量の内臓に向かってくれるのだった。
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