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地下10層

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オレは遂に、地下10層へと下りて来ていた。

『(ヒヤリ…ファァァァァ~……)』

階段のある部屋の正面には、長い直線の通路が続いている。そして緊張のせいか、その空気も上の階層よりもどこか冷えて感じられる。

油断はできない。なにせココは地下10層、5の倍の10だ。

地下5層ではボスモンスターのキングゴキに追いかけ回され、本当に死ぬ思いをした。なので再びボスモンスター級の存在が現れるとしたら、この地下10層である可能性が濃厚。故に慎重に進まなければならない。

だがそれを想定し、予めしっかりと準備を行なっていた。ま、『こんなこともあろうかと』というヤツだ。

「用意ヨシ!では、プローブアロー号発進っ!」

ダンジョンの床に置いたカメラ付ドローンが、操作により4つのプロペラを回転させフワリと宙に浮き上がる。そう、ここは文明の利器を活用。自身で偵察する危険を冒さずに、カメラ付ドローンを先行させ地下10層の様子を調べるのだ。

『フィィィィィィー…』

小さな駆動音を立てながらプローブアロー号がダンジョンの通路を進んでいく。それを目視とノートパソコンに映し出された映像で確認する。

「うん、テストした通り機体の操作も映像の受信状態も良好。と…この先は広間か?一度機体を回転させて周囲の様子を…なッ!?」

ノートパソコンに映し出されていた映像が突然乱れた。と、次の瞬間にはグルグルと何を映しているのか全く分からなくなり、遂には画面がブラックアウトしてしまった。

「おい、なんで墜落した!?なにも操作は誤ってないぞ…!?」

まだ浮遊させ、直進以外の操作はひとつもしていない。それに映像にも、モンスターの姿は映っていなかったというのに…。

「くそう、早くも一機やられるとは…なんでだ?。しかし状況を確認しないことには先に進めん。よしゆけ、プローブホーク号!ロストしたプローブアロー号の状態を確認するんだ」

念の為カメラ付ドローンを二機用意しておいてよかった。小さな駆動音を立てながらプローブホーク号がダンジョンの通路を進んでいく。

『フィィィィィィィィィー…がしゃん!』
「アッ…!?」

しかしダンジョンの通路を飛んで行ったプローブホーク号が、あっという間に撃墜された。

『ブワンッ!ウブブウブブブ……ッ!』

プローブホーク号を撃墜した存在は、最初砲丸投げに使う砲丸のように視えた。でも違う。アレはモンスター、ソフトボールを二個繋げたような大きさの巨大蠅。

「遂に蠅のおでましか。まぁ予想はしていたよ!そしてよくもアロー号とホーク号をッ!くそう高かったんだぞ…お前は火あぶりにしてやるッ!!」

そこでフリマサイトで売れなかったファイヤーワンドを構えると、魔力を注ぐ。

『ボワッ、ぶぱりゅ~ッ!』

構えたファイヤーワンドの先に火球が生み出されると、尾をひきながら巨大蠅に向け飛んで行く。

結局、ファイヤーワンドはフリマサイトでは売れなかった。なぜか三億で出した出品もすぐに取り消され、アカウントすらもBANされてしまったのだ。

『危険がどうたらこうたら』と警告文がメールで届いていたが、それは扱う人間次第の話。オレには関係ないだろう。使い様によってはリボンや釣り糸でだって人は絞め殺せるのだ。まったくふざけるなと言いたい。

『ボンッ!ブワァ!メラメラ…(どちゃ!)ウブブブ…ジジジジジッ!!』

ほら、ファイヤーワンドはこんなにも使えるのに。

ただ魔力をファイヤーワンド側で炎に変換する為、発動にかなりタイムラグがあるのが難点。だが撃ち出された火球はホーミング機能付きであり、術者がワンドを手に対象を見失わない限りは追尾してくれる。

『ジジ…ジジジジジッ…!!』

炎に焼かれ翅を失った巨大蠅が、それでも飛ぼうと筋肉を動かすので床をクルクルと回っている。

「うむ、やはり昆虫には火がよく効くか。しかし…アロー号とホーク号の仇ッ!(ぶちゃ!…ぼふん)」

頭を踏みつぶされた巨大蠅が煙となって消える。飛べない蠅はただの蠅…って、いってることがおかしいな。あれはブタだったか。

なんにせよ、火というのは生き物を攻撃するのにもっとも適した攻撃手法といえる。それはモンスターであれ同様のよう。燃焼による持続ダメージは、身体の組織を焼き容赦なく破壊する。そして筋肉細胞が焼かれ引き攣れてしまっては、もはやまともに動く事すらできないのだから。

無論、モンスターの中には炎の攻撃の効かないヤツもいるのだろうが、そんなのはかなり特殊なケースだろう。

しかして、どうしてそんなに便利なファイヤーワンドを売ろうとしていたかというと、発動までのタイムラグがオレには気に入らなかったから。魔力を注ぎ込み、撃ち出すまでになんと約3秒もかかる。

これは前衛がしっかりと守ってくれるパーティーを組んだ魔法使いならば、問題ないだろう。

だがソロで戦っているオレにはその3秒が命取り。それならば魔力を集中すれば即発動してくれる優秀なスキルが幾つもある。故にソロで戦うのであればファイヤーワンドではなく、即効性のある【強酸】・【粘液】・【塩】で充分という結論に至ったためだ。

こうしてダンジョンにファイヤーワンドを持ってきているのは、武器というよりは単にオモチャ的意味合いの方が強い。ま、あとは炎しか攻撃が効かないとかいうモンスターもいるかもしれないから、念の為だ。

「ん…巨大蠅のドロップは翅か、さっき燃えてただろうに…」

どういうわけか煙となって消えた巨大蠅のいた後には、きれいな状態の翅が。まぁカメムシやカマドウマをバラバラにしても、きれいな状態の殻や肢が落ちてたからいまさら気にはしないのだが。


……。


そしてここは、未だ地下10層。

『(ヒヤリ…ファァァァァ~……)』

(くそう、結局自分で偵察する羽目になったな…)
『(スッ…すてててててて…きょろきょろ、すてててててて…)』

腰を屈め、姿勢を低く身を小さくし、和製〇パイダーマンのようにしてダンジョンの通路を慎重に進む。だというのになぜかモンスターの集団に発見されてしまった。やはり金ぴか蟲王スーツが無駄に目立ち過ぎなんだろうか。

『『『ブワンッ!ウワンッ!ブブブブブブブッ…!!』』』

地下貯水池のような広く天井の高い空間に出ると、何百匹もの巨大蠅が大きな団子のように固まって乱れ飛んでいる。そしてこちらをひどく警戒しているのは、一目瞭然丸解りだ。

が、それが花が開くかのように広がっていくと、なぜか中からシルバーメタリックな女性の影が姿を現した。

「ムッ…!?」

ダンジョンだというのに、思わず目を見張ってしまう。モンスターと解ってはいても、女性の姿にはつい注視する意識が働いてしまう。

むむ、プロポーションが良い。しかも抜群と言っていい。脚はハイヒールを履いているかのように長い。そしてとっても尻は大きいのに、腰はキュッとくびれている。セクシーだ。さらに胸は硬そうな外殻に覆われているもの大きく膨らんでいて、腕も脚同様にとても細く長く、4本ついていた。

(ん、あれ…おかしいな?)

シルバーメタリックなバトルスーツに身を包んだヘルメットを被った女性。が、よくよく視れば、それはヘルメットではなくて蠅の頭そのまんまだった。

(ひぃぃッ!!)

対象を正確に認識した途端、全身に激しい怖気が走る。

(蠅人間の女版!?怪人銀蠅女!?いや…、何百匹もの巨大蠅を従えているんだ。蠅の女王とでもいうべきか)

なんにせよ遭遇戦なんて御免蒙る。即時撤退するべく踵を返して逃走。

だがそれを見た蠅の女王が手を振ると、取り囲んでいた巨大蠅の群れが一斉に襲いかかってきた。しかも先ほど戦った蠅よりも、明らかに動きが良い。

『『『ブワンッ!ウワンッ!ブブブブブブブッ…!!』』』
「(どかっ!ばきっ!)ぐ…が…!痛ッ!」

(嘘だろ、あっという間に追いつかれた!?)

やはり走るのと飛ぶのとでは速度が違う。しかも背中に巨大蠅の体当たりを喰らうと、ホントに砲丸でも叩きつけられたかのような痛みが。くっ…、このまま走っていてはすぐに転倒してしまう。

「が、岩塩シールドッ!(きゅばぁ!)」
『『『ドッ!ドガガッ!ガガリッ!!』』』

半身になって敵に晒す面積を減らすと、一度停まり【塩】で生み出した岩塩シールドを肩に担いで巨大蠅の群れの猛攻に耐える。

『ドガガッ!ぐちゃ!びぢゃ!ガリリッ…!!』
(ゲ、ウソだろ!硬い岩塩の盾が削られてる!?)

物凄い勢いで体当たりをかましてくる巨大蠅の群れ。

当然硬い岩塩シールドにぶつかればタダでは済まず、頭が潰れたり体液を撒き散らしながら周囲に飛び散っていく。が、それでも躊躇なく後から後から間断なく襲いかかってくる。

『『『ブワンッ!ウワンッ!ブブブブブブブッ…!!』』』

『『どがっ!ばきっ!』』
「ぐ…回りこまれた!反対側からも…!ええぃ粘液霧(ミューカスフォグ)!」

『ばしゅうううううううううぅ~!』

スモークのように湧き上がった霧状の粘液。

それにまだ遠くにいた巨大蠅は異常を察知し距離をとる。だが攻撃態勢に入って加速していた巨大蠅たちが霧状の粘液に飛び込み、まんまと翅に粘液が絡んでボタボタと墜落した。

「よくもやってくれたな!よしみてろ!今まとめて火あぶりに…なッ!?」

ファイヤーワンドを巨大蠅たちに構えようとして、背筋に冷たいモノを感じた。

通路の奥…、視界の彼方…、乱れ飛ぶ巨大蠅たちの影の向こうで、蠅の女王の足元に赤紫に光る巨大な魔法陣がいつの間にか描かれていたから。

そして、それは見ている先で止める間もなく発動した。

『『『ヒィィィン!どびゅりらら!どびゅりりうずドドドドドドド…!!』』』

赤紫に光る魔法陣から湧き出てきたのは、牛よりデカい乳白色の塊。それが無数に湧き出てくる。それは頭に鋭い顎を持った巨大な蛆の群れだった。

「バッカふざけ…ぐっ!?(ぐきっ!)」

しかし慌てて逃げようとして、肢を挫いてしまう。よく足元を視ずに右足を出し潰れかけの巨大蠅を踏んでしまったのだ。

『『『『どびゅりどびゅりら!どちゃどちゃどびゅうドドドドドドドド…!!』』』』

肢を挫き膝をつく目の前で、巨大蛆の群れが津波となって押し寄せる。

「う、蛆の津波…!!」

その通路全体を覆い尽くす余りの迫力に、思わず息を呑み圧倒されてしまう。

「ハッ…!まずぃッ!粘液ロープ!カタパルトっ!!」

咄嗟に粘液ロープを生み出し、自身をパチンコ玉のようにして発射。

(くそ、肢を挫いてはもう走ることが!)

『びゅん…!ざぐぅ!』
「ぐあっ…!?」

すんでのところで躱せた、と思った。

だが津波の上から身を躍らせて落ちてきた一匹の巨大蛆が、その牙でスーツに覆われた左ふくらはぎを容易く切り裂いた。

「くぅっ…!ローションフィールド!ローションフィールド!粘液ロープ!ローションフィールド!」

両足を負傷した。これではもう走れない。そこで滑って転がっていく先に潤滑粘液を展開し摩擦を減らし、すこしでも距離を稼ぐ。真面に立てないのでは、もはや逃げることしかできなかった。

しかしそこに生き残っていた巨大蠅たちが舞い戻り、執拗に襲いかかってくる。

「グ!ガッ!クッ、邪魔するな糞蠅どもッ!酸嵐(アシッドストーム)!」

黄色い強酸の風が巻き起こり、巨大蠅を吹き散らす。しかしそれでもなお乳白色の不気味な壁、巨大蛆津波は響きを立てて押し寄せてくる。

「ね、粘液ロープッ!(びゃッ…!)」
『『『どびゅりドドドドドドドドドドドドド…!!』』』

階段に向け撃ち出した、一本の粘液のロープ。

それを手掛かりに石階段を登ると、オレは辛うじて恐ろしい地下10層から生還したのだった。
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