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地下3層のモンスター
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早朝、冷たく澄んだ空気に包まれたダンジョンの前室で、オレはTKGを口にかっ込んでいた。
戦国武将織田信長は、出陣前に立ったまま湯漬けをかっ込んで腹ごしらえをしたらしいが、オレの場合はTKG、卵かけご飯だ。今日はトッピングにふりかけと梅干のお茶漬け風TKGで攻めてみた。
ま、なにせ普段は朝食を摂らないからな。今日は気合が入っているのだ。
ダンジョン前室で立ったままTKGしているのはアレだ。ダンジョンがうちの冷蔵庫と繋がってしまった為。冷凍庫は使えるが冷蔵庫が使えないんでね。故に涼しいダンジョンの前室に食糧を保管している訳。だからご飯をよそった丼を持って冷蔵庫に潜り、そのまま前室で朝食タイムというわけだ。
「…ふぅ、ごっそさん!」
朝から生卵3個を投入したTKGを食べたオレ。うむ、気力は充分! たとえどんなモンスターが現れようとも、まったく負ける気がしない。
………。
「うわぁこんなのダメだぁ~!撤退ぃ~!!」
だが地下3層に下りたオレは、モンスターに襲われて即時撤退を余儀なくされ逃走。
地下1層のモンスターはスライムだった。コイツは近接戦闘をすると酸を出すので厄介だが、網で捕まえて塩素に放り込んでしまえば楽に倒すことができた。
地下2層のモンスターは巨大ゴキ。なんとも不気味かつ不快なモンスターだ。正直、オレはコイツらを視ていると寒気がして虫唾が走る。もし朝目覚めた時に、部屋の中をコイツが這っているのを視たなら、大声で悲鳴をあげてしまう自信がある。
故にサッサと地下2層のマッピングを終え地下3層に下りてきたのだが、地下3層のモンスターもまた、なんとも不気味かつヤベェモンスターだったのだ。
「「「ギィ!チュチィ!!ギチィチィッ!!」」」
(クッ…このままじゃ追いつかれるッ!)
しつこく追ってくるモンスター…。
それは鼠…、鼠の大群!それも一匹が鳴いたら、あっという間に集まってきやがった。その外見は可愛らしい小動物の要素など何ひとつもなく、皮膚は醜く爛れイボや瘤に覆われている。それに目も白く濁っていて、どう見たってマズイ病気持ちだ。
そんなネコよりもビッグサイズの病鼠が、痩せて節くれだった身体を跳ねさせて追いかけていた。
「酸霧!」
張ってて良かった防御陣。防鳥ネットの張られた端の隙間に滑り込むと、背後に向けて目一杯の力で酸の霧を放つ。
「「「ギチュチューッ!!」」」
するとネットの手前まで迫ってきていた病鼠たちが、酸霧に飲まれると電気ショックを浴びたかのようして跳ねあがり、苦しみ悶え…倒れ込む。そして一匹も立ち上がることもできずに…痙攣をしている。
(ハァ…ッ!ハァ…ッ!ハァ…ッ!)
うん…そらそんなひどい皮膚の状態で酸霧浴びたら、堪らんだろうよ。と、酸霧の中に倒れ伏す病鼠たちを見下ろしていると、不意に背後から迫ってくる小さな足音…。
「ギチチィ!」
「ふっ!?」
嫌な気配に咄嗟の高速反復横跳び…と、背後から襲いかかってきていた病鼠が顔のすぐ傍をかすめて飛んでいった。
「危なッ!いつの間に回り込んだ?酸弾!」
「ギチュー!」
ネットに飛びついた形で肢をとられた病鼠は、体勢を立て直す間もなく酸弾を浴び溶けながら床に落ちる。そして酸霧に飲まれた病鼠の大群も、長い事苦しみながら絶命していった。
(うむむ…モンスターとはいえ長く苦しませるのはさすがに業が深すぎるな。なにか手を考えよう)
追加でまた襲われる事のない様にダンジョン奥に向け薄く酸霧を展開すると、病鼠のドロップと設置した防御陣を回収して地下3層から撤収した。
そして対策を考えるために、一旦ダンジョン前室に戻ったのだった。
「うむむ…困ったぞ」
装備は解かないまま腕を組んで考え込む。地下3層のモンスターは鼠だった。それも明らかに病気持ちの。そしてオレはそれに対しなんら防衛手段を持ち合わせていなかった。
「前に風邪で通院した時にもらった薬。まだ少し残ってるけど、あれって抗生物質だったかな…?」
とはいえダンジョンのモンスターが罹っているような病気だ。こちらの世界の薬が効くかどうかも怪しい。
「とりあえずレベルとドロップを確認してみるか」
現在 前回
レベル 19 17
種族:人間
能力値
筋力: 60 50
体力: 66 57
知識: 64 58
精神力: 78 66
敏捷性: 75(+5) 57
運: 3 3
器用さ: 65 48
ふむ、2レベル上がってる。病鼠の大群は50~60匹はいたからな、それを一網打尽に出来たのだから【酸】のスキルによる攻撃は病鼠には効果的だった。
能力値的には精神力と敏捷性が、他より頭ひとつ抜けてきた感じか。上昇する数値が高かった理由は、やっぱり病気持ちの鼠の大群に追われたというストレスが精神に負荷を与えた為だろう。
「エッ!待てよ?コレ敏捷性が18も上がってるのか!?」
よく視たら敏捷性は+8ではなく+18だ。考えられる要因としては、背後から襲いかかってきた病鼠を咄嗟に高速反復横跳びで回避したこと…。もしや能力値上昇にもクリティカルが??
「う~む…。だがだからといって毎回できることじゃないよな」
失敗してもし噛みつかれでもしたら、その時はオレが未知の病に感染してしまう。
「そういえば2つスキルオーブを手に入れてたな。これはどんなスキルだろう…毒?病避け…?」
手の上に載せてスキルオーブの力を感じ取ってみる。毒とか病に纏わるモノらしいが、詳しい事はそれ以上感じ取れない。ふむ、確認するには使ってみるよりないようだ。
『きゅわわぁ~…ぱぁ~!』
『きゅわわぁ~…ぱぁ~!』
技能:
【酸】2・【敏捷】5・【病耐性】2
病鼠の持っていたスキルは【病耐性】だった。どういうことだ?アイツ等明らかに病気に罹ってましたけど。その他のドロップ品は黄ばんだ鼠の前歯だったので、触りたくなくてスキルオーブと魔石しか回収してきていない。
「うむむ…考えられるのは、鼠の罹っている病気が耐性を上回ってる威力だから病気に…。それともスキル【病耐性】が、病気になっても気にせず動けるスキルという可能性も…」
なんにせよもう少し調べてみないことには解らない。
ネットでもスキル云々の話はちらほらと見かけるようになっている。そう考えていくと、確かな情報が集まるまでは地下3層に下りるのは避けたほうが良いのかもしれないな。
戦国武将織田信長は、出陣前に立ったまま湯漬けをかっ込んで腹ごしらえをしたらしいが、オレの場合はTKG、卵かけご飯だ。今日はトッピングにふりかけと梅干のお茶漬け風TKGで攻めてみた。
ま、なにせ普段は朝食を摂らないからな。今日は気合が入っているのだ。
ダンジョン前室で立ったままTKGしているのはアレだ。ダンジョンがうちの冷蔵庫と繋がってしまった為。冷凍庫は使えるが冷蔵庫が使えないんでね。故に涼しいダンジョンの前室に食糧を保管している訳。だからご飯をよそった丼を持って冷蔵庫に潜り、そのまま前室で朝食タイムというわけだ。
「…ふぅ、ごっそさん!」
朝から生卵3個を投入したTKGを食べたオレ。うむ、気力は充分! たとえどんなモンスターが現れようとも、まったく負ける気がしない。
………。
「うわぁこんなのダメだぁ~!撤退ぃ~!!」
だが地下3層に下りたオレは、モンスターに襲われて即時撤退を余儀なくされ逃走。
地下1層のモンスターはスライムだった。コイツは近接戦闘をすると酸を出すので厄介だが、網で捕まえて塩素に放り込んでしまえば楽に倒すことができた。
地下2層のモンスターは巨大ゴキ。なんとも不気味かつ不快なモンスターだ。正直、オレはコイツらを視ていると寒気がして虫唾が走る。もし朝目覚めた時に、部屋の中をコイツが這っているのを視たなら、大声で悲鳴をあげてしまう自信がある。
故にサッサと地下2層のマッピングを終え地下3層に下りてきたのだが、地下3層のモンスターもまた、なんとも不気味かつヤベェモンスターだったのだ。
「「「ギィ!チュチィ!!ギチィチィッ!!」」」
(クッ…このままじゃ追いつかれるッ!)
しつこく追ってくるモンスター…。
それは鼠…、鼠の大群!それも一匹が鳴いたら、あっという間に集まってきやがった。その外見は可愛らしい小動物の要素など何ひとつもなく、皮膚は醜く爛れイボや瘤に覆われている。それに目も白く濁っていて、どう見たってマズイ病気持ちだ。
そんなネコよりもビッグサイズの病鼠が、痩せて節くれだった身体を跳ねさせて追いかけていた。
「酸霧!」
張ってて良かった防御陣。防鳥ネットの張られた端の隙間に滑り込むと、背後に向けて目一杯の力で酸の霧を放つ。
「「「ギチュチューッ!!」」」
するとネットの手前まで迫ってきていた病鼠たちが、酸霧に飲まれると電気ショックを浴びたかのようして跳ねあがり、苦しみ悶え…倒れ込む。そして一匹も立ち上がることもできずに…痙攣をしている。
(ハァ…ッ!ハァ…ッ!ハァ…ッ!)
うん…そらそんなひどい皮膚の状態で酸霧浴びたら、堪らんだろうよ。と、酸霧の中に倒れ伏す病鼠たちを見下ろしていると、不意に背後から迫ってくる小さな足音…。
「ギチチィ!」
「ふっ!?」
嫌な気配に咄嗟の高速反復横跳び…と、背後から襲いかかってきていた病鼠が顔のすぐ傍をかすめて飛んでいった。
「危なッ!いつの間に回り込んだ?酸弾!」
「ギチュー!」
ネットに飛びついた形で肢をとられた病鼠は、体勢を立て直す間もなく酸弾を浴び溶けながら床に落ちる。そして酸霧に飲まれた病鼠の大群も、長い事苦しみながら絶命していった。
(うむむ…モンスターとはいえ長く苦しませるのはさすがに業が深すぎるな。なにか手を考えよう)
追加でまた襲われる事のない様にダンジョン奥に向け薄く酸霧を展開すると、病鼠のドロップと設置した防御陣を回収して地下3層から撤収した。
そして対策を考えるために、一旦ダンジョン前室に戻ったのだった。
「うむむ…困ったぞ」
装備は解かないまま腕を組んで考え込む。地下3層のモンスターは鼠だった。それも明らかに病気持ちの。そしてオレはそれに対しなんら防衛手段を持ち合わせていなかった。
「前に風邪で通院した時にもらった薬。まだ少し残ってるけど、あれって抗生物質だったかな…?」
とはいえダンジョンのモンスターが罹っているような病気だ。こちらの世界の薬が効くかどうかも怪しい。
「とりあえずレベルとドロップを確認してみるか」
現在 前回
レベル 19 17
種族:人間
能力値
筋力: 60 50
体力: 66 57
知識: 64 58
精神力: 78 66
敏捷性: 75(+5) 57
運: 3 3
器用さ: 65 48
ふむ、2レベル上がってる。病鼠の大群は50~60匹はいたからな、それを一網打尽に出来たのだから【酸】のスキルによる攻撃は病鼠には効果的だった。
能力値的には精神力と敏捷性が、他より頭ひとつ抜けてきた感じか。上昇する数値が高かった理由は、やっぱり病気持ちの鼠の大群に追われたというストレスが精神に負荷を与えた為だろう。
「エッ!待てよ?コレ敏捷性が18も上がってるのか!?」
よく視たら敏捷性は+8ではなく+18だ。考えられる要因としては、背後から襲いかかってきた病鼠を咄嗟に高速反復横跳びで回避したこと…。もしや能力値上昇にもクリティカルが??
「う~む…。だがだからといって毎回できることじゃないよな」
失敗してもし噛みつかれでもしたら、その時はオレが未知の病に感染してしまう。
「そういえば2つスキルオーブを手に入れてたな。これはどんなスキルだろう…毒?病避け…?」
手の上に載せてスキルオーブの力を感じ取ってみる。毒とか病に纏わるモノらしいが、詳しい事はそれ以上感じ取れない。ふむ、確認するには使ってみるよりないようだ。
『きゅわわぁ~…ぱぁ~!』
『きゅわわぁ~…ぱぁ~!』
技能:
【酸】2・【敏捷】5・【病耐性】2
病鼠の持っていたスキルは【病耐性】だった。どういうことだ?アイツ等明らかに病気に罹ってましたけど。その他のドロップ品は黄ばんだ鼠の前歯だったので、触りたくなくてスキルオーブと魔石しか回収してきていない。
「うむむ…考えられるのは、鼠の罹っている病気が耐性を上回ってる威力だから病気に…。それともスキル【病耐性】が、病気になっても気にせず動けるスキルという可能性も…」
なんにせよもう少し調べてみないことには解らない。
ネットでもスキル云々の話はちらほらと見かけるようになっている。そう考えていくと、確かな情報が集まるまでは地下3層に下りるのは避けたほうが良いのかもしれないな。
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