BLOOD★NIGHT

観月 珠莉

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【01】 薔薇の誘い

*005* 売り言葉に買い言葉

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何としても、この男を落して見せる!!
セレナの気持ちに火が点いた瞬間だった。

「何なら、今から如何かしら? 別に私は構わなくってよ?」

セレナの言葉は、オフィスで使うような一般的なものでは無く、生粋のお嬢様が上から見下ろすような言葉遣いに戻っていた。
ひととおりの夜遊びは経験済と言っても、それは、倒錯的な支配する側とされる側…解り易く言うと、SMの世界を網羅していると言った方が良いだろうか?
彼女のスラリと伸びた美しい脚に反応を示す男は多く、セレナは、そんな脚に執拗な反応を示す男共を虐げる事を至福の幸せとしていた。
絢斗に対して、そのような事をしたいとは思っていないが、それでも、彼の言動は、セレナの自尊心をキズ付けるに充分だった。
今まで、セレナの蜜路を抉じ開けた者は居ない。
踏み付ける事は想像出来なくても、絢斗に抱かれるならば…?

『受け入れてしまうかもしれない?』

頭の中で、低く響く声が聞こえる。
しかし、その声はセレナの中では無かったものとして扱われ、あっという間にその声は、霧散してしまった。
自身のプライドを守る為だけに気持ちが傾いているセレナは、絢斗を誘惑して自分に振り向かせる事だけにフォーカスしていた。
自分の思考の中に集中し、周りが見えなくなっていたセレナの腰が不意に抱き込まれる。
ハッと思った時には、既に絢斗の膝の上に座っていた。

「えッ…!?」

セレナは、驚いて、思わず声をあげた。
そして、予期せぬ拘束に、身体をジタバタと動かして自由を取り戻そうとする。
その時に、絢斗は挑発的な視線でセレナを見て、衝撃的な言葉で更に彼女を挑発した。

「寝てやっても良い。」

セレナにとって、有り得ない言葉だった。
何時も崇め奉られる立場しか経験の無いセレナに、更に上からの物言いで言ってきたのである。

「お前が、私に本気にならないと誓えるならば…叶えてやらなくも無いが?」

ただでさえ、上から言われて戦慄いていた戦慄いていたセレナに、追い打ちを掛けるように絢斗は言葉を重ねた。

「上等よ!! 望むところだわ!!」

怒りに支配されたセレナは、その言葉に反射して答えていた。
その言葉が、今後の彼女にどれだけの影響を与えるのかも気付きもしないで…。
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