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*70* スウィートな時間 (☆)
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あの日のように酩酊はしていないけれど、ほろ酔いで直嗣さんとお泊りの部屋に向かう。
振り返れば…直嗣さんは、あの日もお持ち帰りしようと思えば出来たのに、それをしなかったという事が判る。
そして、今、二人で、もっと幸せな未来へと歩もうとしている。
「直嗣さん、あの日の私はどんな感じだったの?」
私は、ホニャリと幸せ気分のまま、直嗣さんに尋ねる。
足取りはかなりご機嫌な感じだ。
「あの日のさくらは、本当にただの酔っ払いだったよ。」
そう言って、直嗣さんは思い出し笑いをしだした。
「それって…結構残念だったってコト?」
「う~ん、どうカナ?」
直嗣さんは、なおも笑い続ける。
「私、明日になった時に今日の事は覚えているかなぁ?」
「大丈夫だよ。絶対に忘れないようにしてあげるよ。」
そう言うと、直嗣さんは私にバード・キスをした。
!!
直嗣さん、ここ…まだ、廊下です!!
そうやって、二人でラブラブしながら部屋に向かい、到着した階は、前回お泊りした階よりもずっと高層階だった。
「さくら、どうぞ。」
直嗣さんは、扉を開けてエスコートしてくれる。
「お邪魔…します。」
中に入ると…スイート・ルームだった。
「直嗣さん…お泊りするには、豪華過ぎる気がするんだけれど?」
「いいの。今日は、俺とさくらの大切な記念日だから…ね。」
直嗣さんに甘く微笑まれた。
そして、左手を取り、薬指に輝く宝石と指にキスをする。
まるで、中世の騎士の誓いみたい…。
…そんな中、唐突に思い出してしまった!!
「あ、直嗣さん!!私、お母さんにお泊りするって言ってない!!」
そんなムードぶち壊しの私を見て、直嗣さんはいよいよゲラゲラとお腹を抱えて笑い出した。
「はぁ…何ともさくららしいっていうか…。母さんには、既に泊まる旨伝えてあるよ。安心して。」
「良かったぁ~…無断外泊しちゃうのかと思った…。」
「俺は無断外泊でも構わないんだけどね、まだ、さくらと結婚していないから、一応…ね。」
また、直嗣さんは私をキュッと抱きしめてキスをする。
今日の私たちは、溶けちゃいそうなくらいの甘さ。
私は、直嗣さんに手を引かれて、ソファへと導かれる。
ソファダイニングのところには、シャンパーニュとケーキとプチブーケ…そして、婚約祝いのメッセージが添えられていた。
それを目にした私は、今までの緊張が解けた安心感とようやく多くの人々に直嗣さんの婚約者として大手を振っても良いんだという喜びでまた、涙腺が崩壊した。
直嗣さんは、私の頭を撫でながら、その涙を舐め取ってくれる。
「さくら、もう一度、二人だけでお祝いしよう?」
スイート・ルームはスウィートな空間になった。
振り返れば…直嗣さんは、あの日もお持ち帰りしようと思えば出来たのに、それをしなかったという事が判る。
そして、今、二人で、もっと幸せな未来へと歩もうとしている。
「直嗣さん、あの日の私はどんな感じだったの?」
私は、ホニャリと幸せ気分のまま、直嗣さんに尋ねる。
足取りはかなりご機嫌な感じだ。
「あの日のさくらは、本当にただの酔っ払いだったよ。」
そう言って、直嗣さんは思い出し笑いをしだした。
「それって…結構残念だったってコト?」
「う~ん、どうカナ?」
直嗣さんは、なおも笑い続ける。
「私、明日になった時に今日の事は覚えているかなぁ?」
「大丈夫だよ。絶対に忘れないようにしてあげるよ。」
そう言うと、直嗣さんは私にバード・キスをした。
!!
直嗣さん、ここ…まだ、廊下です!!
そうやって、二人でラブラブしながら部屋に向かい、到着した階は、前回お泊りした階よりもずっと高層階だった。
「さくら、どうぞ。」
直嗣さんは、扉を開けてエスコートしてくれる。
「お邪魔…します。」
中に入ると…スイート・ルームだった。
「直嗣さん…お泊りするには、豪華過ぎる気がするんだけれど?」
「いいの。今日は、俺とさくらの大切な記念日だから…ね。」
直嗣さんに甘く微笑まれた。
そして、左手を取り、薬指に輝く宝石と指にキスをする。
まるで、中世の騎士の誓いみたい…。
…そんな中、唐突に思い出してしまった!!
「あ、直嗣さん!!私、お母さんにお泊りするって言ってない!!」
そんなムードぶち壊しの私を見て、直嗣さんはいよいよゲラゲラとお腹を抱えて笑い出した。
「はぁ…何ともさくららしいっていうか…。母さんには、既に泊まる旨伝えてあるよ。安心して。」
「良かったぁ~…無断外泊しちゃうのかと思った…。」
「俺は無断外泊でも構わないんだけどね、まだ、さくらと結婚していないから、一応…ね。」
また、直嗣さんは私をキュッと抱きしめてキスをする。
今日の私たちは、溶けちゃいそうなくらいの甘さ。
私は、直嗣さんに手を引かれて、ソファへと導かれる。
ソファダイニングのところには、シャンパーニュとケーキとプチブーケ…そして、婚約祝いのメッセージが添えられていた。
それを目にした私は、今までの緊張が解けた安心感とようやく多くの人々に直嗣さんの婚約者として大手を振っても良いんだという喜びでまた、涙腺が崩壊した。
直嗣さんは、私の頭を撫でながら、その涙を舐め取ってくれる。
「さくら、もう一度、二人だけでお祝いしよう?」
スイート・ルームはスウィートな空間になった。
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