婚約から始まる「恋」

観月 珠莉

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*20* 口約束 (☆)

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前回同様に、無事お花を生け終わった頃に扉がノックされ、ドアが開いた。

「!!」

突然の直嗣さんの登場で、あまりにビックリして声を失う。

「そろそろ終わったんだろう?」
「え?…あの、仕事は?」
「午後の事もあったからな。今回はこちらを優先させた。」
「お手数をお掛け致します。」
「今日から暫く、よろしく頼むよ…婚約者殿。」
「こちらこそ、よろしくお願…」

最後まで言う前に、直嗣さんは、私の手を取り腰をグッと抱き寄せた。
ビックリして彼の目を見た瞬間、甘いキスが降ってきた。

「んっ…。」

唇が重なった事に更に驚いた私は、思わず仰け反って避けてしまった。

「二回目…。」
「何が?」
「キス…。」

思わず零れた言葉に…

「数えなくても良いよ。」

と笑われてしまった。

「目、閉じろ。」

短く言った後、また、ゆっくりと顔が近付いてくる。

「んぅ…っ…。」

舌で唇を嬲られ続けると、唇がぽってりと腫れてきた。
どれ位腫れてしまったのか確かめようと唇を舐めたタイミングで、舌を搦め捕られてしまった。

「ん…んぅっ…。」

強く吸われ、舌が痺れてきたところで、一旦、舌が解放されたと思ったのも束の間、今度は、口内を縦横無尽に蹂躙し続ける。
息苦しくて、身体の力が抜け膝がカクリとなったところで、直嗣さんに抱き留められた。

「大丈夫か?」

直嗣さんは笑っている。

「ふ…ぅ…。」

言葉を発する事が出来ずにいると、そのまま手を引かれ、先程入ってきた扉とは別の扉へと進んでいく。

直嗣さんは更に歩を進めると…そのまま天蓋付ベッドへと押し倒す。
それ、ダメでしょう!!!!
危機的状況を認識した私の身体は、バタバタと手足でアピールする。
全く動じる事の無い直嗣さんの手は、躊躇する事も無く、服の上から乳房を鷲掴みにした。

「ひゃっ…あぁっ…。」

勢い余って大声を出すと、気にした様子も無く、こめかみに口付け…続いて耳朶をクチュクチュと甘噛みする。
そのまま、耳の孔に舌先を挿れられると、まるで身体が冒されているような感覚さえ覚え、ビクビクと震える身体に稲妻が突き抜け、頭が真っ白になった。

「ふぁ…あッ…」

直嗣さんは、そんな私を守るように、ギュッと抱き締めていてくれた。
私は、徐々に意識が戻って来ると同時に、一言、物申す!!

「こういう事は、好きな人としかしてはいけないのよ!!」

私が注意すると、直嗣さんは大きな声で笑う。

「今どき、そんなの女子高生でも言わないな。」

え…そ、そうなの??????
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