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それいけ学園編
◆8.入学だ!(サン視点)
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最後に1~8話の相関図のイラストを入れてみました。
イメージを壊されたくない方、視界に入れないようにご注意ください。
********************************************
はじめてやってきた王都という都会は僕にとってすごく新鮮だ!
飛び級を目指して田舎からイキヨウヨウと僕はこの王都にあるフェルセス学園にやってきた。どこの学園でも飛び級は認められているけど、ここのフェルセス学園は敷地内に低学園から高学園まで揃っているから、飛び級をしやすいんだ! それにここは寮もついているし、図書館の大きさも王都にあるだけあって一番大きい! しかもいちばん古い学園だから、初代国王様ののこしたモノとかが見つかったりするって噂なんだ。
何もない田舎からでてきた僕にはなにもかもが珍しく見えて、ついついきょろきょろとしてしまう。珍しいもの、変なものが大好きなんだ。特別っぽくてきらきらしてるよね。
「うわぁあ!」
空を見上げて僕は溜息をついた。
すっごい! 変な色の木!
木なのに、一面にピンク色の花を咲かせた珍しい木が学園の門の近くに植えられていた。
きっといろんな面白いものがあるんだろうなぁ!
◆
「今年もまた一段と輝かしき芽が咲き誇ろうと根を張りはじめたこの時であるから………新1年諸君ら、入学おめでとう」
学園長先生の話はよくわからなかった。大人の話ってときどきわけがわからないよね。
簡単なことを遠回りして言う意味って、あるの?
時間のムダってやつなんじゃないかなぁ。
「学園長、ありがとうございました。それでは、これにて入学式は終了いたします。生徒の皆さんは、各自、事前に配られた生徒カードの色に従って教室に向かって下さい。会場を出れば、上級生が案内してくれますのでご安心を」
周りをきょろきょろ見てみると寝ている人がたくさんいた。僕も寝そうだった。
筋肉がすごい先生がそういったので、みんながいっせいに立ち上がる。タイクツしてたんだろうな。
それで、えーっと。生徒カードの色だよね。僕はさっきここに入るときに配られたカードを見た。綺麗にきらきらと光っている白だ。
「白だ! かっこいい!」
先生の指示通りに白い旗を持っている人をさがしているうちに、思わずカードを持ち上げてスキップしてしまう。
だって、うれしいんだもん。
そんなことをやっていると、前に居た人が見えてなくて思いっきりぶつかってしまった。入学してすぐにやっちゃった! これだから僕は幼馴染にも「注意力サンマンなドジ」とか言われちゃうのだ。
「――っ?」
「……うわっごめん、見えてなかった!」
こういうときはちゃんと謝らないとね。謝るときはきちんと相手の目を見て……と。僕は振り返ったその子を見て驚いた。だって、絵本にでてくる天使みたいにかわいいんだ!
すごく小さい!
飛び級なのかな?
「いや、いいよ。俺もぼっとしてた」
「もしかして、君飛び級? あ、僕はサンていうんだけど」
「うん、まぁ。まだ8歳だから特別チビってわけじゃねぇぞ。俺はウィリアムス=ベリル。ウィルて呼んでくれ」
そうかぁー8歳なのかぁー。僕が8歳のときは何をやってたかな? まだ隣の道の商店におつかいくらいしかしてなかっただろうなぁ。すごい。
……ってあれ? いま、この子、苗字言わなかった?
苗字があるのは貴族だけだ。父さんいわく古いナゴリらしいんだけど、よくわからない。とりあえず名前をくぎって名乗ってるひとがいたらそいつは貴族だからできるだけほめとけ、って言ってたな。
「……貴族なんだ。すごいね」
「別にすごくないよ、たまたま生まれた家が貴族だっただけだ。俺は何もしてないぜ」
「ウィルって面白いや」
「そうか?」
うん。面白いよ。貴族って変なプライドが高いやつらばっかりだと思ってたし。
すごく仲良くなりたい。
それにそんなに可愛らしい見た目なのに、『俺』ってね。ちょっとミエをはりたいお年頃なのかな? ふふ。
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相関図1
イメージを壊されたくない方、視界に入れないようにご注意ください。
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はじめてやってきた王都という都会は僕にとってすごく新鮮だ!
飛び級を目指して田舎からイキヨウヨウと僕はこの王都にあるフェルセス学園にやってきた。どこの学園でも飛び級は認められているけど、ここのフェルセス学園は敷地内に低学園から高学園まで揃っているから、飛び級をしやすいんだ! それにここは寮もついているし、図書館の大きさも王都にあるだけあって一番大きい! しかもいちばん古い学園だから、初代国王様ののこしたモノとかが見つかったりするって噂なんだ。
何もない田舎からでてきた僕にはなにもかもが珍しく見えて、ついついきょろきょろとしてしまう。珍しいもの、変なものが大好きなんだ。特別っぽくてきらきらしてるよね。
「うわぁあ!」
空を見上げて僕は溜息をついた。
すっごい! 変な色の木!
木なのに、一面にピンク色の花を咲かせた珍しい木が学園の門の近くに植えられていた。
きっといろんな面白いものがあるんだろうなぁ!
◆
「今年もまた一段と輝かしき芽が咲き誇ろうと根を張りはじめたこの時であるから………新1年諸君ら、入学おめでとう」
学園長先生の話はよくわからなかった。大人の話ってときどきわけがわからないよね。
簡単なことを遠回りして言う意味って、あるの?
時間のムダってやつなんじゃないかなぁ。
「学園長、ありがとうございました。それでは、これにて入学式は終了いたします。生徒の皆さんは、各自、事前に配られた生徒カードの色に従って教室に向かって下さい。会場を出れば、上級生が案内してくれますのでご安心を」
周りをきょろきょろ見てみると寝ている人がたくさんいた。僕も寝そうだった。
筋肉がすごい先生がそういったので、みんながいっせいに立ち上がる。タイクツしてたんだろうな。
それで、えーっと。生徒カードの色だよね。僕はさっきここに入るときに配られたカードを見た。綺麗にきらきらと光っている白だ。
「白だ! かっこいい!」
先生の指示通りに白い旗を持っている人をさがしているうちに、思わずカードを持ち上げてスキップしてしまう。
だって、うれしいんだもん。
そんなことをやっていると、前に居た人が見えてなくて思いっきりぶつかってしまった。入学してすぐにやっちゃった! これだから僕は幼馴染にも「注意力サンマンなドジ」とか言われちゃうのだ。
「――っ?」
「……うわっごめん、見えてなかった!」
こういうときはちゃんと謝らないとね。謝るときはきちんと相手の目を見て……と。僕は振り返ったその子を見て驚いた。だって、絵本にでてくる天使みたいにかわいいんだ!
すごく小さい!
飛び級なのかな?
「いや、いいよ。俺もぼっとしてた」
「もしかして、君飛び級? あ、僕はサンていうんだけど」
「うん、まぁ。まだ8歳だから特別チビってわけじゃねぇぞ。俺はウィリアムス=ベリル。ウィルて呼んでくれ」
そうかぁー8歳なのかぁー。僕が8歳のときは何をやってたかな? まだ隣の道の商店におつかいくらいしかしてなかっただろうなぁ。すごい。
……ってあれ? いま、この子、苗字言わなかった?
苗字があるのは貴族だけだ。父さんいわく古いナゴリらしいんだけど、よくわからない。とりあえず名前をくぎって名乗ってるひとがいたらそいつは貴族だからできるだけほめとけ、って言ってたな。
「……貴族なんだ。すごいね」
「別にすごくないよ、たまたま生まれた家が貴族だっただけだ。俺は何もしてないぜ」
「ウィルって面白いや」
「そうか?」
うん。面白いよ。貴族って変なプライドが高いやつらばっかりだと思ってたし。
すごく仲良くなりたい。
それにそんなに可愛らしい見た目なのに、『俺』ってね。ちょっとミエをはりたいお年頃なのかな? ふふ。
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相関図1
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