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第一章
あれから半年③
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新作のチーズケーキとな!?それは是非とも食べてみたい!!
「食べたいですっ!」
私は鼻息荒く身を乗り出し、右手を勢い良く挙げた。
「ふふ、じゃあちょっと待ってて下さいね」
「はい!わ~、楽しみ!」
三毛さんが作るお菓子はどれも絶品なんだ。
残念ながら今日は売り切れみたいだけど、私のお気に入りは苺のミルフィーユ。サクサクしっとりのパイ生地に、滑らかで濃厚な生クリーム。程好い酸味の苺。それが三位一体となり、なんとも言えない美味しさで……。
あ、思い出したらヨダレが……。
「実森さん?」
「え?」
美味しさを思い出しながらニヤニヤしていたら、三毛さんが結構大き目な丸いお皿を持って首を傾げていた。
「あ、すみません!」
私は急いでミルクティーやら携帯やらを横に寄せて、目の前にスペースを作る。
「お待たせ致しました」
「わぁっ……!」
置かれたお皿の中央には、1/8サイズに切られたベイクドチーズケーキ。その上にホイップを土台として一口サイズのマカロンが二つと葉っぱの形をしたチョコレートが3枚乗っている。マカロンはピンクは苺味で、チョコレート色はそのままチョコ味かな。ケーキの周りにはベリーがゴロゴロと入ったベリーソースが可愛く飾られていて、女の子が喜びそう。
私はまず目でそれを楽しみ、視覚的に十分堪能した所で今度は味覚で楽しむ為に「いただきます!」と手を合わせてチーズケーキを一口頬張った。
フワンッ!と口の中にチーズの重厚な味が広がる。ベリーのソースを付けて食べると、程好い酸味がチーズの味を引き立たせとても相性が良い。マカロンもサクサクで、良いアクセントになっている。
「んん~~、美味しいっ!」
「本当ですか?良かったです」
私が試食をするのを固唾を飲んで見守っていた三毛さんが、ホッと胸を撫で下ろした様だった。
「これ、お店に出すんですか?」
「ええ、実森さんが太鼓判を押して下さいましたから」
「女の子は喜ぶと思いますよ!可愛いし、美味しいし!」
私があーだこーだとケーキを褒めてると、少し頬を赤らめて三毛さんが「ありがとうございます」と照れ笑いを浮かべる。
その笑顔に、ズキュン!と心臓が射抜かれた。
か、かわいい……っ!!
「このケーキにはしっかりした風味のミルクティーがおススメですよ。どうしますか?」
一通り感想を述べた後、照れていた三毛さんがコホン…と咳払いをして、このケーキに合う紅茶をおススメしてくれた。
「是非ともお願いします!!」
それは飲むっきゃない!と私が敬礼のポーズを取ると、「じゃあ、お作りしますね」と三毛さんが笑う。
まだ少し残っていたミルクティーを飲み干し、三毛さんにカップを手渡した瞬間、雲間から覗かせた太陽の光で三毛さんの左手の薬指が『キラッ――!』と光った。
それを見た私は急に現実に引き戻されて、さっきまで100%に近かったテンションが0%まで急降下する。
「食べたいですっ!」
私は鼻息荒く身を乗り出し、右手を勢い良く挙げた。
「ふふ、じゃあちょっと待ってて下さいね」
「はい!わ~、楽しみ!」
三毛さんが作るお菓子はどれも絶品なんだ。
残念ながら今日は売り切れみたいだけど、私のお気に入りは苺のミルフィーユ。サクサクしっとりのパイ生地に、滑らかで濃厚な生クリーム。程好い酸味の苺。それが三位一体となり、なんとも言えない美味しさで……。
あ、思い出したらヨダレが……。
「実森さん?」
「え?」
美味しさを思い出しながらニヤニヤしていたら、三毛さんが結構大き目な丸いお皿を持って首を傾げていた。
「あ、すみません!」
私は急いでミルクティーやら携帯やらを横に寄せて、目の前にスペースを作る。
「お待たせ致しました」
「わぁっ……!」
置かれたお皿の中央には、1/8サイズに切られたベイクドチーズケーキ。その上にホイップを土台として一口サイズのマカロンが二つと葉っぱの形をしたチョコレートが3枚乗っている。マカロンはピンクは苺味で、チョコレート色はそのままチョコ味かな。ケーキの周りにはベリーがゴロゴロと入ったベリーソースが可愛く飾られていて、女の子が喜びそう。
私はまず目でそれを楽しみ、視覚的に十分堪能した所で今度は味覚で楽しむ為に「いただきます!」と手を合わせてチーズケーキを一口頬張った。
フワンッ!と口の中にチーズの重厚な味が広がる。ベリーのソースを付けて食べると、程好い酸味がチーズの味を引き立たせとても相性が良い。マカロンもサクサクで、良いアクセントになっている。
「んん~~、美味しいっ!」
「本当ですか?良かったです」
私が試食をするのを固唾を飲んで見守っていた三毛さんが、ホッと胸を撫で下ろした様だった。
「これ、お店に出すんですか?」
「ええ、実森さんが太鼓判を押して下さいましたから」
「女の子は喜ぶと思いますよ!可愛いし、美味しいし!」
私があーだこーだとケーキを褒めてると、少し頬を赤らめて三毛さんが「ありがとうございます」と照れ笑いを浮かべる。
その笑顔に、ズキュン!と心臓が射抜かれた。
か、かわいい……っ!!
「このケーキにはしっかりした風味のミルクティーがおススメですよ。どうしますか?」
一通り感想を述べた後、照れていた三毛さんがコホン…と咳払いをして、このケーキに合う紅茶をおススメしてくれた。
「是非ともお願いします!!」
それは飲むっきゃない!と私が敬礼のポーズを取ると、「じゃあ、お作りしますね」と三毛さんが笑う。
まだ少し残っていたミルクティーを飲み干し、三毛さんにカップを手渡した瞬間、雲間から覗かせた太陽の光で三毛さんの左手の薬指が『キラッ――!』と光った。
それを見た私は急に現実に引き戻されて、さっきまで100%に近かったテンションが0%まで急降下する。
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