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23. 夢中にさせて (3/3)
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(どうなってんだよ! コイツの体力)
顔を微妙にひきつらせ、ドン引きする樹生の肩をがっちり掴み、翔琉はスリーポイントシュートを打つ前のように集中した表情だ。
「良い?」
「うん」
結ばれたばかりの恋人が自分を強く求めてくれるのは嬉しい。柔らかくほぐれて恋人の訪いを待つそこは、物欲しげに蠢き、再びあてがわれた翔琉の昂りを滑らかに飲み込んでいく。
「ああっ……。いいっ……」
思わず吐息がこぼれる。翔琉に向かって開いた心と身体は、あっという間に燃え上がる。樹生は身体をくねらせ、自分の良いところに翔琉を擦り付ける。
「自分で動きたい?」
翔琉は、ひょいと樹生の身体を抱き起こす。彼の膝の上に向き合うように座り、肩に手を置いて、おずおずと腰を上下する。下から、ズン、と翔琉に突き上げられると、お腹の奥深くに痺れるような快感が走った。
「んっ……はぁっ……」
艶かしい喘ぎ声が漏れ、唇を噛み締めると、口元に翔琉の指を差し込まれ、ほどかれる。
「声、もっと聞かせて。すごい色っぽい」
感じている顔や声が恥ずかしいと思ったのは最初だけだった。あまりの気持ち良さで必死に腰を振り、気が付けば涙が頬を伝っていた。
「樹生、気持ち良さそう。なんで泣いてるの?」
涙を舐め取りながら翔琉は聞く。
「……ん。すごく気持ち良いだけじゃなくて、大切にしてもらってる感じがして、幸せだなって。好き合っている同士のセックスって、こんなにあったかい気持ちになるんだね」
「もっと良くしてあげたい。俺以外とは考えられないってぐらい」
膝の上で抱いた赤ちゃんを高い高いするように、翔琉は、樹生の細い腰を両手でつかみ、上下にシェイクし始める。そのリズムに合わせて、下から力強く突き上げる。
「~~~~~~っ‼」
あまりの快感に息が止まった。ただでさえ立派な翔琉の剛直が、衝撃で更に奥まで抉ってくるのだ。そんな奥深くで快感が得られるなんて樹生は初めて知った。彼の肩に爪を立てていることに気が付いたが、縋《すが》るものがないと、遠くに飛ばされてしまいそうで怖い。
「息、できてる? ちゃんと気持ち良い?」
必死にコクコクと小さく頷く樹生の表情を見て取り、翔琉はラストスパートに入った。
「このまま続けたらイケそう? それとも、ここも触った方が良い?」
既に先走りでしっとりと濡れた樹生の屹立を翔琉は握り込んだ。
「ぁあああ……っ! やあっ、ダメ、い、いく、いっちゃう!」
間もなく白濁を噴き出させ、身体を熱病のように震わせ、樹生は前後で絶頂に達した。
汗だくで翔琉の肩と胸にもたれ、荒い呼吸が落ち着くのを待つ。ふと顔を上げると、彼は額にびっしり汗を浮かべながらも、爽やかな笑顔で嬉しそうに樹生を見つめている。
「……ごめん。痕、付けちゃったね」
翔琉の肩に付けてしまった爪痕をなぞりながら呟くと、翔琉はかぶりを振る。
「気にしないで。怖がってる猫が、しがみついてるみたいで可愛かったよ。あのさ。樹生、お尻もイケた?」
真顔で聞かれ、樹生の顔は羞恥で火を噴く。
「う、うん」
「そっか、良かった。表情とか反応は見てたつもりだけど、聞かないと分かんないからさ。これからも『これ良かった?』『さっきのと今の、どっちが好き?』って聞くと思うけど、恥ずかしがらないで正直に教えてね」
愛おしげに目を細め、翔琉は樹生の頬に口付ける。樹生は、もう一つ気になっていた。
「翔琉、まだイッてないよね?」
「あー、うん。樹生がどんな風になるとイケるのか分かんなかったから。完全にイッたな、って思うまで様子見ようと思って。でも、俺さっき一回イッたから気にしなくて良いよ」
「もうちょっとしようよ」
「え……、良いの?」
恥じらいながら頷く樹生の姿に、堪らないと言わんばかりの溜め息をつき、翔琉は再び樹生の腰を揺すり始める。最初はゆっくりと。樹生が甘い声を上げ始めたとみるや、次第に大胆に。一度達した身体は感じやすく、樹生は、間もなく翔琉に訴えた。
「そろそろイキそう……」
頷いた翔琉も、口が半開きで気持ち良さそうな表情だ。また泣きじゃくっている雁首《かりくび》を扱かれ、滑る指先で何度か鈴口を撫でられると、樹生は再び前後で達した。
「か、かける……。いく、いくっ」
泣きそうな声で訴えると、翔琉は強く樹生を抱き締め、身震いしながら熱情を迸らせた。
その後、翌朝までどれくらい睦み合ったかは二人だけの秘密だが、翌日の樹生は風邪を引いたように声が枯れ、足腰はガタガタになり、非番だったことに深く感謝した。一方、翔琉は、某外食チェーン店で牛丼の超特盛をぺろりと平らげ、充実した表情で帰っていったらしい。
顔を微妙にひきつらせ、ドン引きする樹生の肩をがっちり掴み、翔琉はスリーポイントシュートを打つ前のように集中した表情だ。
「良い?」
「うん」
結ばれたばかりの恋人が自分を強く求めてくれるのは嬉しい。柔らかくほぐれて恋人の訪いを待つそこは、物欲しげに蠢き、再びあてがわれた翔琉の昂りを滑らかに飲み込んでいく。
「ああっ……。いいっ……」
思わず吐息がこぼれる。翔琉に向かって開いた心と身体は、あっという間に燃え上がる。樹生は身体をくねらせ、自分の良いところに翔琉を擦り付ける。
「自分で動きたい?」
翔琉は、ひょいと樹生の身体を抱き起こす。彼の膝の上に向き合うように座り、肩に手を置いて、おずおずと腰を上下する。下から、ズン、と翔琉に突き上げられると、お腹の奥深くに痺れるような快感が走った。
「んっ……はぁっ……」
艶かしい喘ぎ声が漏れ、唇を噛み締めると、口元に翔琉の指を差し込まれ、ほどかれる。
「声、もっと聞かせて。すごい色っぽい」
感じている顔や声が恥ずかしいと思ったのは最初だけだった。あまりの気持ち良さで必死に腰を振り、気が付けば涙が頬を伝っていた。
「樹生、気持ち良さそう。なんで泣いてるの?」
涙を舐め取りながら翔琉は聞く。
「……ん。すごく気持ち良いだけじゃなくて、大切にしてもらってる感じがして、幸せだなって。好き合っている同士のセックスって、こんなにあったかい気持ちになるんだね」
「もっと良くしてあげたい。俺以外とは考えられないってぐらい」
膝の上で抱いた赤ちゃんを高い高いするように、翔琉は、樹生の細い腰を両手でつかみ、上下にシェイクし始める。そのリズムに合わせて、下から力強く突き上げる。
「~~~~~~っ‼」
あまりの快感に息が止まった。ただでさえ立派な翔琉の剛直が、衝撃で更に奥まで抉ってくるのだ。そんな奥深くで快感が得られるなんて樹生は初めて知った。彼の肩に爪を立てていることに気が付いたが、縋《すが》るものがないと、遠くに飛ばされてしまいそうで怖い。
「息、できてる? ちゃんと気持ち良い?」
必死にコクコクと小さく頷く樹生の表情を見て取り、翔琉はラストスパートに入った。
「このまま続けたらイケそう? それとも、ここも触った方が良い?」
既に先走りでしっとりと濡れた樹生の屹立を翔琉は握り込んだ。
「ぁあああ……っ! やあっ、ダメ、い、いく、いっちゃう!」
間もなく白濁を噴き出させ、身体を熱病のように震わせ、樹生は前後で絶頂に達した。
汗だくで翔琉の肩と胸にもたれ、荒い呼吸が落ち着くのを待つ。ふと顔を上げると、彼は額にびっしり汗を浮かべながらも、爽やかな笑顔で嬉しそうに樹生を見つめている。
「……ごめん。痕、付けちゃったね」
翔琉の肩に付けてしまった爪痕をなぞりながら呟くと、翔琉はかぶりを振る。
「気にしないで。怖がってる猫が、しがみついてるみたいで可愛かったよ。あのさ。樹生、お尻もイケた?」
真顔で聞かれ、樹生の顔は羞恥で火を噴く。
「う、うん」
「そっか、良かった。表情とか反応は見てたつもりだけど、聞かないと分かんないからさ。これからも『これ良かった?』『さっきのと今の、どっちが好き?』って聞くと思うけど、恥ずかしがらないで正直に教えてね」
愛おしげに目を細め、翔琉は樹生の頬に口付ける。樹生は、もう一つ気になっていた。
「翔琉、まだイッてないよね?」
「あー、うん。樹生がどんな風になるとイケるのか分かんなかったから。完全にイッたな、って思うまで様子見ようと思って。でも、俺さっき一回イッたから気にしなくて良いよ」
「もうちょっとしようよ」
「え……、良いの?」
恥じらいながら頷く樹生の姿に、堪らないと言わんばかりの溜め息をつき、翔琉は再び樹生の腰を揺すり始める。最初はゆっくりと。樹生が甘い声を上げ始めたとみるや、次第に大胆に。一度達した身体は感じやすく、樹生は、間もなく翔琉に訴えた。
「そろそろイキそう……」
頷いた翔琉も、口が半開きで気持ち良さそうな表情だ。また泣きじゃくっている雁首《かりくび》を扱かれ、滑る指先で何度か鈴口を撫でられると、樹生は再び前後で達した。
「か、かける……。いく、いくっ」
泣きそうな声で訴えると、翔琉は強く樹生を抱き締め、身震いしながら熱情を迸らせた。
その後、翌朝までどれくらい睦み合ったかは二人だけの秘密だが、翌日の樹生は風邪を引いたように声が枯れ、足腰はガタガタになり、非番だったことに深く感謝した。一方、翔琉は、某外食チェーン店で牛丼の超特盛をぺろりと平らげ、充実した表情で帰っていったらしい。
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