若き伯爵に見初められた町娘

第三章

第一話

マーガレットは生物学の書棚にいた。バレー伯爵が熱心に見ている書棚だ。アレックスの言う通り、自分も生物学について知れば、話ができるかもしれない。

だが、生物学の本は難しかった。マーガレットはイヌやネコに少し興味があっただけで、学問としての生物学は、彼女にはハードルが高すぎた。マーガレットはどちらかと言うと小説やお伽噺（おとぎばなし）などの文学的な作品が好きだった。

「いらっしゃいませ～。」

誰だろう？シャーロットおばさんの声が聞こえた。まさかバレー伯爵？そのまさかだった。

「こんにちは。」

バレー伯爵から話しかけてきた。

「あ、こんにちは。」

マーガレットも返事をした。すると、

「貴方も生物学に興味があるのですか？」

バレー伯爵が話しかけてきた！