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第一章
第一話
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「あれは、バレー伯爵?」
間違いない。若くして父親から領地を譲り受け、実業家としても活躍中のバレー伯爵。年齢も近いから、以前から注目していた。少しぽっちゃりしているけど、そんなことはお構いなしだ。
あのバレー伯爵が、目の前にいる。
がんばれ、マーガレット!これはチャンスよ!今まで散々願ってきたチャンスなのよ!
しかし、マーガレットは動けない。言葉も出てこない。目の前に、夢にまで見たチャンスが転がってきたというのに、彼女は何ひとつ出来ないでいた。
「いらっしゃいませ~。」
奥からシャーロットおばさんが出てきた。マーガレットの横を颯爽と通り過ぎてバレー伯爵のもとに向かう。
「何か、お探しですか?お客さま。」
「いや、特に何かを探しているわけではないが、古本屋を巡るのが好きでね。以前からこちらは気になっていたのだが、今日はようやく入ることができたよ。」
「そうなのですね。ではゆっくりとご覧ください。何かあればいつでもぜひ~。」
「ありがとう。」
バレー伯爵はそれだけ言うと、再び一人で興味深そうに書棚を見渡した。
間違いない。若くして父親から領地を譲り受け、実業家としても活躍中のバレー伯爵。年齢も近いから、以前から注目していた。少しぽっちゃりしているけど、そんなことはお構いなしだ。
あのバレー伯爵が、目の前にいる。
がんばれ、マーガレット!これはチャンスよ!今まで散々願ってきたチャンスなのよ!
しかし、マーガレットは動けない。言葉も出てこない。目の前に、夢にまで見たチャンスが転がってきたというのに、彼女は何ひとつ出来ないでいた。
「いらっしゃいませ~。」
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