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第十章
第453話 【後始末・1】
しおりを挟む義父さん達を送った後、俺はゼラさん達を呼び出して治療を施した。
神となった俺の魔法は、より強くなっていて瀕死状態だったゼラさん達は一瞬で元に戻った。
こんなに力が上がってたら【神秘の聖光】は、もういらないな……
「う、う~ん……あ、あれラルク君?」
「おはようございますゼラさん」
魔法を掛けられ、傷が治ったゼラさん達が次々と目を覚まして行った。
そして一度自分達の体を確認したゼラさん達は、傷が塞がって更に俺が魔力を渡して完全に回復している事に驚いていた。
「ラルク君、こんなに魔力を渡したらラルク君が……」
「大丈夫ですよ。今の俺は、ゼラさん達より強いですから」
俺はそう言いながら、自分のステータスを〖念写〗で紙に写してゼラさんと話を聞いていたシャファルに見せた。
「な、何じゃこのステータスは!?」
「う、嘘でしょ!?」
「信じられませんよ……」
「わー、凄い……」
「凄まじいの……」
シャファル達は、俺のステータスに驚いた顔をして、そう口々そう言った。
それからゼラさん達に、大まかに説明をしてこれからやる事を伝えた。
既に元凶の竜は死亡しているが、竜が現れた事で魔物達が混乱して色んな所で暴れている。
それの対処をする為に、ゼラさん達には各方面へと向かい、対処をして欲しいと指示を出した。
「分かったわ、ラルク君のおかげで体力も魔力も完全だもの、その位簡単よ」
ゼラさんはそう言うと、ファルドさん達と共に転移魔法で消えた。
シャファルも「後で詳しく聞かせるんじゃぞ」と言って、転移魔法で向かった。
「ラルク、俺達はどうしたら良い?」
俺とゼラさん達の話し合いを離れた所で聞いていた義父さんは、イデルさんとフィアさんを連れて俺に聞いて来た。
俺はそんな義父さん達に、ゼラさん達が向かった場所を伝えて、別の方角を担当してほしいと頼んだ。
「そこは俺達に任せるって、まだ残ってる所はあるだろ? 残りはラルクがやるのか?」
「うん、神様になった事で色々と出来る事も増えてるから、この機会に一度試しておきたいんだ」
そう言って俺は、義父さん達に「行ってきます」と言って〖異界転移〗で転移した。
転移した場所は、レコンメティスから遠く離れた場所で人里に降りて来た魔物達が街を荒らしていた。
「さてと、色々と試したい事はあるけど……まずは、人の救出からだな」
それから俺は、低空飛行しながら街の中から人を探し出して行った。
見つけと人達は、街の外に設置した〖聖域〗の中に簡易的に作った建物に連れて行った。
その中だったら魔物は入ってこないから安全だと伝えて、救出作業を続けた。
家屋の中や地下室、全てを見て人が居なくなった事を確認した俺は、街の中で暴れている魔物達へ攻撃を開始した。
「さぁ、出てこい〖守護騎士〗!」
そう叫ぶと、魔力で出来た鎧の騎士が次々と生成されて行った。
俺はその鎧の騎士達に向かって、街の中で暴れている魔物達の駆除を指示した。
指示を受けた騎士達は剣を掲げ、騎士と共に出て来た鉄で出来た馬や竜と共に散らばった。
俺は騎士達がどう戦うのか確認する為、高度を上げて街全体が見渡せる所へと移動した。
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