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第四章 魔王ロイド

第58話

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 そんなこんなで二日間の休み期間はあっという間に終わり、再び訓練の日々が再開した。再開した当日、まず初めにアリサ達に教えられていた兵士達の訓練具合を見て何人か異空間組に入れようと思い一人一人俺が相手をして、異空間組に入れる兵士を選別した。
 その結果、異空間組に新しく5人の兵士が入る事になった。この5人は、団長達の補佐役でもある副団長等で団長達に次ぐ実力者達だった。

「あ、あの、ロイドさん……団長達の姿が見えないのですが……」

「ああ、団長達なら更に先の訓練に移ってます。ちゃんと団長達も訓練を行ってますので大丈夫ですよ」

 そう言って俺は新しく入った兵士5人の訓練を始めた。団長達の事は全てルドラ達に任せているので、5人の兵士に関しては全て俺が受け持つことになったので、手始めに5人対俺で模擬戦を行った。
 5人同時にやった結果、最初の頃の団長達に比べるとやや劣っている感じではあるが良い感じの戦い方を見せてくれた。

「さて、初日の訓練はここまでにします。皆さん、十分に休んで明日も同じ時間にここに集合してください」

「「「……」」」

 訓練が終わった頃には兵士達は全員疲れ切って地面に横になっていた。俺の言葉に顔だけ頷き、起き上がろうとしたが全く起き上がり切れて無かったので狐人族に介抱されながら宿舎の方へと向かって行った。

「主様」

「んっ? どうした。リコル」

 狐人族達が兵士達を連れて行っている際に狐人族のリーダーでもあるリコルが俺の元に近寄って来た。

「先日、主様がお頼みになられました。温泉宿が完成致しました」

「おっ、もう出来たのか?」

 リコルの言葉に俺は少し驚きながらそう返した。少し前、リコルとガギィドに「温泉を掘ってくれ」と頼んでいた俺だったが、まさか一ヵ月も経たない内に作って来るとは思いもしなかった。

「以前から、この世界の事は調べていましたので主様がお伝えになりました内容と合致するところを掘りました所、直ぐに発見する事が出来ました」

「そうか、なら今日はそこに入りに行こうかな兵士さん達も行ける人が居たら温泉に連れて来てくれ」

「はい」

 俺の言葉に返事をしたリコルは、温泉宿の場所を伝えて兵士達の介抱している方へと戻って行った。リコルが離れた後、俺は早速その温泉宿へと行こうと思いアリサ達を現世に呼びに向かった。

「「「温泉!」」」

「あぁ、リコル達に作らせていたんだがアリサ達も入りに来るか?」

「行きたい!」

「行きます!」

「行く!」

 3人は俺の言葉に勢いよくそう返事をすると話を聞いていたミリアも「温泉ですか、私も行きたいですね」と言い。アリサ達の方に付いていたリズも「温泉……」と呟いて行きたそうにしていた。

「今日の予定は、他にないか?」

「私達は大丈夫だよ。兵士さん達はもう宿舎の方に帰ってるから」

「そうか、それじゃ皆で行くか」

 俺はそう言ってアリサ達を連れて異空間の中へと再び戻って来て、リコルに教えてもらった温泉宿まで移動した。温泉宿に着くと、この宿を担当する配下から「おかえりなさいませ」と綺麗な正座姿で出迎えれ、そのまま俺達用に用意されて部屋に通された。

「ロイド様、ご夕飯はもうお済でしょうか?」

「いや、まだ食べてない」

「それでしたら、私達がご用意しておりますのでこちらで食べて行かれますか?」

「用意してるのか? それなら、折角だしな皆も良いか?」

 俺の言葉にアリサ達は「良いよ」と了承してくれたので、俺は配下に「持って来てくれ」と頼み部屋で少し待っていると豪華な食事が部屋に届けられた。届けられた食事は、どれも美味しそうで色んな食材が使われていた。
 そんな食事を前にした俺達は、早く食べたいと言う思いが出て俺の「いただきます」と合図と共に食事を始めた。

「美味い」

「美味しい~」

「美味しいです」

「美味しいな」

「美味しいですね」

 俺、アリサ、ミキ、モモ、ミリアは用意されたスープから飲むとそう口に出した。そこでリズの声が聞こえないなと思いのリズの方を向くと、スープを飲んで感動したのか涙をポロリと流していた。それから、俺達は食事を堪能し、少し休憩した後、待ちに待った温泉へと向かった。
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