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第二章 迷宮へ挑む

第20話

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 迷宮都市の迷宮に潜った翌日、俺達は金策の為に迷宮に向かっていた。
 金策と一言で言っているが、単に迷宮に潜り迷宮内で採れた植物や鉱石、魔物から取れる魔石や魔物素材を取って来るだけである。幸いにして、6人中5人が異空間に収納する術を持っているので数日潜って、一気に換金を繰り返せば直ぐにでも金は溜まるだろう。

「そう言えば、アリサ達って魔王討伐の報酬金ってどうしたの?」

「あ~……やっぱり、気になっちゃうよね?」

 アリサ達に報酬金をどうしたのか聞くと、なんとアリサ達は貰った報酬金を全部高級な下着に変えていたらしい。こちらの世界では高級下着となっているがアリサ達の世界では一般に出回っている位の下着らしいのだが、こっちの一般の下着だと自分達に合わずにずっと我慢していたと悲しそうに言った。

「ま、まあ仕方ないんじゃないか? それに元はアリサ達が頑張ったお金だし、何にに使おうと自由だし」

「ありがとロイド君……」

「一応、私は自分の貯金を持って来てますけど、流石にこの人数分の物資を買い切れる程は持っていませんので、金策は必要ですね」

「最初からそのつもりだったし、良いんじゃないかな?」

 申し訳なさそうにしているアリサ達をミリアと俺で慰めながら、迷宮内へと入って行った。一応、城から出る際に貰った食料はまだ残っており数日は迷宮に潜ったまま行動が出来るので、一旦自分達に合った階層まで降りる事にした。しかしながら、こちらには戦闘経験が少ないリズが居るのでリズが比較的安全に戦闘が出来るラインで選んだ結果、その階層では無双状態で一気に魔物を狩りつくし、更には素材系や宝箱も全て取り階層全域が何もない空間となってしまった。

「やりすぎたな……」

「流石に元勇者パーティーと勇者すら圧倒するロイド様が居たら、この階層では力が有り余ってしまいますね。こうなると、リズちゃんには戦闘に参加せず素材採取に専念してもらう事にしてもらって、もう少し下に降りてみますか?」

 ミリアのその提案に俺は少し考えリズに素材回収に専念してもらう様に言って、俺の近くで待機する様に指示を出してから下の階層に降りる事にした。それから、俺達は最初居た階層である20階層から一気に下がり50階層付近での魔物討伐、鉱石採取等を始めた。
 そして、50階層で少しだけ魔物との戦闘をしてある程度の周りのランクを見た俺はアリサ達に話しかけた。

「う~ん、まだいけるけどアリサ達はどう?」

「私達には丁度良いくらいの強さかな?」

「そうですね。私もこの辺りが丁度良いかと思います」

「金策の事を考えるとこの辺りかな?」

 アリサ達はこの階層付近が安全に戦えるラインだと言ったので、俺達はこの50階層付近での金策をする事にした。それから、体感的に数時間程動き回り魔物を討伐し、リズが発見した植物系素材や鉱石系素材を採取、宝箱からの迷宮産の宝を取りまくった俺達は、今日は一旦休む事にした。
 休む際は、ある一定の階層毎に存在する〝休息ゾーン〟に移動するのが迷宮での常識であるが、既に俺達が居る階層の魔物は全て倒しつくし、もう一度現れるまで時間があるので、その場で休憩する事にした。

「それにしても、やっぱりアリサ達は凄いわね。3人の息がピッタリで私やロイド様が入る余地がないもの」

「前の世界から合わせたら6年近くずっといる関係だし、こっちに来てからは更に自分達の事を理解しあってるからかな?」

「そんなに長く居たら、そりゃアレだけの連携が出来るか。どうせなら、次からはアリサ達とは別行動で行ってみるか?」

 アリサ達の連携は俺とミリアが入る余地が無いので、どうせなら効率よくいく為にそう提案するとアリサが「これからは、ロイド君達も一緒に連携しないといけないんだし、ここで練習してた方が良いと思うよ」と言って提案を拒否された。
 まあ、確かにこれからパーティーとしてやっていくのにここで連携が上手く行ってるからと言って別々に行動していたら意味が無いし、アリサの言う通りだなと思った俺は「そうだな、すまない」と謝罪をした。それから、俺達は迷宮に潜ってから思ったことや感じた事を話し合いを行った。

「さてと、休憩取ったし再開するか……取りあえず、先に倒していた上に上って、また下に行こうか」

 その後、話し合いがキリが良い所でそう言って、休憩用に取り出していた飲み物や軽食用を異空間へと入れて、皆が準備出来たのを確認してから上層に向かう為に移動を開始した。
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