転生でゆるく生活したい

ぱゆり

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変身って分かりやすいロマンだと思う

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唐突だが魔法を練習しようと思う。あと今は朝だよ。
やる魔法は変身魔法だ。
まあ、ぶっちゃけると変化の魔法の使い方の一つなんだけど。 
師匠いわく、対象物をイメージしたものに変える魔法だそうな。
見た目だけ変えるのは?って聞いたらそれは光魔法の類だと言われた。
そういえば、 理想の自分って課題を前世の小学校で出されたことがあったなー。
そんなことを何も考えてなかった当時の僕は、全然想像がつかなくて焦っていた。
それでも自分なりに考えて、探したりもして真面目に取り組んでいた。
やってみたいとか憧れるようなものがなかったために家でバカ正直に「どうしよう。」って頭抱えてた。
家族にも聞いて見たり、少し他の人のものを見せてもらったりもした。
そして、結局色々探した結果が、猫だった。
理由は、帰り道に野良猫が日向ぼっこしていて可愛いって思ったから。
散々悩んでいた僕は、野良猫を見ていいなと単純に思ったのでそう書いて出したのだ。
アニメを見て主人公とかもいいかもと思ったりしたけどさ。
しかし、彼ら彼女らと同じことを未来でやりたいかと問われると幼い僕は大変そうで嫌だなと思った。
だからまあ、最後に残った猫なわけだが。
いや、この話はここで終わろう。いつまでもだらだら続きそうだ。
結論から言うと、アニメの主人公みたいにはなりたくない。
しかし、見た目はかっこいいと思ったので参考にさせて貰おうというわけだ。
我ながらせこいと思うがね?ゼロからやってブサイクなものよりある程度見れるものの方がいいじゃん?
実は、・・・もう何回か試して心が折れかけてるから許して欲しい。
そう、それは何千回と同じルートをマラソンしているのに唯一欲しい武器が一本たりとも出なかった夏休みの最後までやり込み続けていたアクションゲームのように。・・・それはまた別の闇かな?
でもね、トロフィーが、最後のトロフィーが埋まらない絶望感でやめてしまった死にゲーだったなー。懐かしい。
ネットで一発でその武器出した奴いてその動画見て恨み言言ってた当時高校生だった僕。
昔を思い出して沈んでしまった。いかんな、戻そう。
ロボット系はかっこいいけどこの世界には、合うわけないな。
じゃあ人外系か、ファンタジー系とかそこら辺かな?
「人外系は、魔物に間違えられそうだな。」
そう呟いて苦笑いをする。
しかしやってできなきゃ意味ないし、やってみよう!
これじゃない感はもうありませんように。
魔法を使い、光に包まれる。
イメージは崩さないように目を閉じて集中集中。
魔法が終わり、姿は変わっている。
当然だけど普段の自分よりかなりでかい。
目を開けて確認する。
全体的に白い。
背丈は大体2メートル半ぐらい?いや、もう少しでかいか?
どうかな?
(今までで一番マシだと思います。)
いいとは絶対言ってくれないよね。
ただこれの問題点は魔力を操作出来なくなったりすると魔法が解除されることだ。
どうしたらいいか。

しばらくして

・・・・・・うん、なんだ。結論、レンがなんとかしてくれた。
再現出来る過酷な環境などで試したが全ての環境を大きな問題なく活動出来た。
魔法を無力化や強制解除したりする空間も問題なかった。
何をしたのか説明してもらったが、まるで分からなかった。
外傷を受けても即再生するトンデモ性能だった。
自分の魔力だけじゃ動くと保って4分弱だった。
そこに魔法を使うことを入れるともっと短くなるから全力戦闘すると1分半前後まで縮むかな?
まあそこは置いといて、腕あたりを伸ばすことが出来て手の形もある程度変えられる。
前世で有名だったと思う男の真似もできた。なにこれ楽しい。
でも何故か背中にいつのまにか羽っぽいのがあってさ。浮いたり、飛ぶことが出来た。
高所恐怖症じゃなくてよかった。
実験をある程度したら次だ。
変身魔法を使う。維持や対策はレン任せで。
イメージ通り背丈は変わらず、体の見た目が劇的に変わっている。
全体的に色合いは青いのだが所々に白と黒が混じっている。
自分的にはすごくかっこいいと思った。
だが、声は出せるのに口が動いてるように見えないのはなんとも不思議に思えた。
あと、速く移動した時にバリアっぽいものが出て木にぶつかった時に破壊して倒してしまった。
調子乗るのはやめよう、そう思った瞬間だった。
でも戦いに使えそうな感じはする。
それにさっきの変身より大きさの変化がない所為か、消費する魔力が比較的減っていて、魔力を節約して戦えば8分は保ちそうだ。
ただ、人前に出たら魔物認定されて敵対待った無しだろうな。
よし、元に戻って他にも色々試しにやってみよう。
下位互換とかでもいいから。 
もしかしたらその時に使える応用とかあるかもだし。
そう思いながら僕は好奇心の赴くままに魔法を発動させた。

昼過ぎ

やばい。
秘密基地でやってたからいいかと思ったら近くに兄さんが来てるっぽい。
もちろん地下じゃないよ?地上だよ?入り口近くだけど。
今、入り口の魔法陣は消えてる筈だ。
認識阻害の魔法はどう頑張っても違和感を消しきれずにいたのだが。
セレンの発言により、魔力認識による魔法陣にすればいいと気づいた。
「私たちだけが使えればいいじゃない。」って言われて、「それが出来たら苦労はしない」と言った後にあれ?なんか出来そう?とか思いついて忘れてもいいようにとっとと魔法使って壁にメモした。
それで試すこと何通り、出来ることがわかった。あとは使わない時は隠蔽して使う時に出るようにすればいい。
ものすごく単純だったけど、そのために魔法陣を書き換えて登録をする必要が出来た。
書き加えや消したりで半日くらい使い、僕ら5人が使える様に登録した。
魔法陣を少し大きくして余分を作ってあるので登録を40人くらいまでなら出来そうだ。
登録のためには魔法陣を起動した状態で既に登録した魔力と一緒に流す必要がある。
そうすれば、組み込み済みの解析により登録者の魔力とそうでない魔力を分解してそうでない魔力を新たに登録できるのだが、問題は空気中にある魔力まで登録されてしまったことだった。
このままだと常時発動状態でこの魔法陣に変えた意味がなくなってしまうので、急いで改良。
その結果登録した魔力の記載部分に魔力を込めて線を引いて潰せば発動出来ないようにした。
登録のし直しもできるので安心だ。
今後の問題はもし見つかった時に構造解析させないようにするのとかわざとさせて罠をはるなどの対策だな。
植物が養分や水分を吸い上げるように魔力の補給をゆっくりとだがやって貯めて置けるように出来たのはよかった。
時間の問題はハウゼン達の協力により友達の家行ってきますでなんとかなった。
やるとは言っていたがいつやるかは言ってなくて家に行ったら驚かれた。
急いでやらないといつ忘れるかわかったもんじゃないからな。
そのおかげで今こうして役に立っている。
いやー魔物もちょくちょく来たりしてたまに魔法陣見つかって興味を持つ奴もいたが発動出来なかったし。
しっかし、なんで兄さんがこんなところにいるのか全く見当がつかない。
また課題かな?そうだったら何だろう?うーん・・・わっかんないなー。
それに、いる場所が分かっても何してるのか分からないのが問題なんだよなぁ。
「透視と望遠鏡の魔法のコンボは、勘の鋭い人だと見てるのバレるみたいだし。」
それで姉さんに見つかりかけたトラウマ。
音消して逃げても追って来る方が速くて急いで転移したな。
入り組んだ道入ったのに真っ直ぐこっちに向かって来るから焦った。
兄さんは何してるんだ?
さっきからウロウロしてばっかりだし、やっぱなんか探してんのかなぁ。
あっ!家の方に行っちゃった。
帰ってくれたのかな?だといいなぁ。
などと想像を膨らませてる時にスライムのエルさんが帰って来た。たまに外出してるけどどこ行ってんだろ?
「なあ、ジーク。」
声をかけられたので返答する。
「なんだねー?エル。」
一応、従魔ーかな?、なので呼び捨てを心がけている。
「ちょっと戦ってくれない?」
「帰っていいかい?」
何をゆーとるね?この子は。
「いいじゃない。減るもんじゃないし。」
体力とか減ると思うなー?
「やめない?」
「つまりいいわけね。」
スライムが襲いかかってきた。
みぞおち直撃して吹っ飛ばされた。
ドゴッ、ガンッ
「がっ、・・・つあぁ・・・。」
秘密基地の壁は土だから崩れないように用心してコーティングで硬くしまくってたのがあだになって後ろ全体が痛い。
そんなの気にせず突っ込んで来るエルさん、でかくなりながら。
・・・はあっ!?
「殺す気満々じゃねぇか!!」
「さあいくぞー。」
何という理不尽スライム!
魔法使ったらしくありえない数の水玉が飛んで来た。BB弾より小さいやつが猛スピードで。
弾幕、張りやがった。
「くっそ。」
避けれません。なので、魔法と気合いでしのぎます。
シールド、一瞬しかもたないが量でカバー、最低限でなら一度に15前後展開可能。
時間稼ぎしてる間に魔力外装を一瞬で込めれる全魔力で作って纏う。
盾を作る余裕はないか。腕を盾にして備えようとした時に最後のシールドが割れ、水玉が襲って来た。
ガガガガガガガガガガガガガガーーーーーーー
1分はたったと思う。・・・思った以上に衝撃がきて辛い。
豪雨のような攻撃が止む気配がない。
・・・おかしいな。
あいつこんな魔力馬鹿だったっけ?
いくら小さい言ってもこんだけの量をどうやっても魔力を大量に消耗するはず。
出来る言ってもぶっ倒れるまでやってせいぜい十分くらいが限界のはずだから。
それを考えると長くても五分でやめるはず。
狙い絞ってやってきても少し時間稼ぎして走れれば行けるか?
魔力を溜めちゃいるが、これで逃げれるかは勝算半々ぐらいの賭けになるかな?
・・・やめた、一度殴って終わらせよう。
割と使えてたな、自分の魔力。
風の魔力を体に。
左右の手にだけ土の魔力を。
これでも、辛いな。
・・・反発抑えて、一気に。
魔力感知だけじゃフェイントにかかる可能性がある。
気配を探って、考えろ。
上と右から気配と魔力、上の方が若干魔力が多い。
右からだな。
風の魔力で加速、そして強風で視界確保と水弾を吹き飛ばす。
「そうくるかー。」
スライムが動きは止めずにそう言った。
風圧で止まったりしねぇのかよ!?
「この野郎!」
「えいっ。」
掛け声出しながらこっちの二本ある腕に対して触手っぽいものが出た、 4本ほど。
その触手を避けて一気にたたく。あとなんでそんな声に抑揚がねぇんだよ!?
「遅い!」
ほとんど風に使って土は薄くしてたから少し痛い。
ただ、手応えはあった。
念のため残骸回収しながら次へ。
上から来たスライムを倒して本体へ。
やっぱりいたのでぶん殴るべく突撃。
「いい加減にしろ!!!」
「負けないっ!!」
人型に姿を変えてスライムが格闘戦を仕掛けてきた。
その後、しばらく殴り合いして両方共が力尽きて、そのまま寝こけた。
格闘戦のスライムの硬さが異常だった。
翌日なって朝、家に帰ると当然、姉さんには怒られたよ。父さん母さんは別にいいと言っていたが。
それでいいのか?まあ、兄さんも一日帰らなかったことあるし、慣れたのかな?
手伝いとかでその日は済んだが次の日は、姉さんと村長の所為で地獄を見せられた。
倒れてもほら立てって言われて修行だよ?
姉さんが満足するまでやったさ。
実力差が違う所為で手加減の練習みたいだったと兄さんが言っていた。
他の人たちからは大丈夫か?と言われたので、大丈夫だと言っておいた。
全身筋肉痛が来るなぁと酷く痛む体をよそに、仰向けの状態で考えていた。
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