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夜遅くにすみません
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ある日の夜
僕は寝ていた。少しの物音など気にしないほどぐっすりと。
しかし、ふと目が覚めた。
疑問に思ったがすぐ揺すられたと分かった。眠たい、しかし揺すられている。
「ジーク。起きてよジーク。うーん、どうしたら起きるかな?」
「じゃあ戻って乗って見たらどうかな?」
揺さぶられて起きたら見知らぬ子供が二人いたでござるの巻。
起こしたくせに起きたことに気づかないってなんだ?
乗るってのしかかる気か?息苦しくなるわ!
「誰?君ら。」
僕は、冷静に言った。子供だからね。しょうがないしょうがない。
「あっ!やっと起きた!」
片方が喜ぶ。嬉しそうにするのはいいから今どういう状況なん?
「起きてくれて助かったよ。母さんたちには見られたくないからね。」
もう片方がそんなことを言ってくる。
「いやだから君ら誰?これどういう状況?」
また聞く。聞かないと始まらないし分からない。
ほぼ真っ暗だから子供ってことしか分からないしね。
「誰はないでしょ誰は。前からずっと居たのに。」
「それに僕らは兄弟みたいなものじゃないか。」
二人がまくし立てるように言ってくる。
兄弟。兄弟ねぇ。僕末っ子だし弟はいないはずだけど。
待てよ?兄弟みたい?
「あのさ、名前聞いていいか?」
おそるおそる聞いてみた。
「俺はキュールだよ?今更何言ってるの?」
「僕はギルだよ。ジーク兄さん。」
・・・わけがわからないよ。
「なんで人間になってるの?」
あんまり働いて無いぼーっとした頭を手で支えながら聞いてみた。
「「 ・・・なりたいと思ったから?」」
少し考えて出した結論がそれか!?
そんななりたいと思ってなれたら苦労しねぇよ。
人間になりたい奴らに謝れ!
普通はなろうとしても獣人やら竜人みたいになるはずだ。元が元だから。
しかし、こいつらまんま人間の子供そのものである。
不自然な部分が全くないように見えるから逆に気味が悪いんだが。暗いから分かりづらいだけか?
「元には戻れるの?」
ここは重要だ戻れないじゃあ姉さんの反応が怖い。
「戻れるよ?」
「ただ、喋れないんだよ。」
戻れるのか。でも確認はしよう。
「一回戻ってみてくれ。」
「え~。」
不満そうに声を上げるキュール。
「ちょっと疲れるんだよ?姿変えるのは。」
「でも確認はしてみたいんだよねー。」
「じゃあ話が終わったらやるからそれでいい?」
ギルがそう言って来た。まあ、それならいいか。
「分かった。ありがとうな。」
謝ったが少しギルは不満そうだった。
不真面目に見えたかな?
「・・・でー、話って何?」
「えっと、どうしたら母さんの役に立てるか聞きたくて。」
・・・はあ?
「というか母さんって誰?」
「リリネア母さんだよ。僕らの母さんは。」
母さんじゃなくてリリ姉さんかー。今でも十分遊びやペットとして役に立ってると思うがなぁ?
「役に立ちたいって言ってもどう役に立ちたいかって希望はあるの?」
聞いてみると、ギルがこう言った。
「出来れば戦いや生活での役に立ちたいんだけど、母さんはすごく強いしさ?生活も特にやる事がなくてみんなにもよくしてもらっている。だが、僕らからは何も返せてないと思うんだ?」
・・・・・・暇、なのか?
返せてないって?・・・いやしっかり愛玩動物として癒しを返せているじゃないか。
「揉みくちゃは疲れる。」
キュールが突然そう言った。なんだいきなり?うわぁ、今目に闇があった気が。
どうやら、女の子連中に会った時のことを思い出しているようだ。
体が大きくなると返って女の子が触りやすく自分からは手を出せない状況に。
あーそうか、なまじ知性がある分そういうのも覚えてしまうわけか。
姉さん、人間側からしたらすごく飼いやすい奴ら拾ってきたんだなー。
性格違ったらまた違うんだろうけど。
反撃してこない優しい虎さんだー。
・・・あれ?
そういえば、こいつらの実年齢って何歳なんだ?
あとどれくらい生きれるのかな?
万年単位で生きてたら凄まじいな?
そう思うと少し笑えてくる。
僕だったら絶対飽きるか、ぐーたらに過ごしていくかの二択だなって思ったから。
暇つぶしとか考えてもあんまいい案がな~。
やべっ!他ごとになってた。
「あーでも強くなるに越したことはないから。役に立てるように鍛えておいた方がいいよな。」
なんとなくそう言ってみる。
うん!生き残るために力は必要だ。
「しかし、人型になれるならそっちでも戦い方覚えておいた方が良くないか?」
「それはそうだけど、これ一日ぐらいしか保たないよ?」
そうか。・・・え?
「なんで?」
マジなんで?
「試してそれが限界だったからだよ。ちなみにキュールは一日半が限界だった。」
「あっ!そうだ!いい訓練法があるぞ。ってーそれって魔法使ってなってるの?」
名案思いついたと思って次にそういえばと思って聞いてみた。
反応がない。首を傾げた。分かってないかな?
「「なにそれ?」」
あー、分かってなかった。僕が勝手に呼んでるだけだもんな。
「えーと、こういうやつだよ。」
魔力を手から出して順番に小さい火や水の球体、光の集まりやら黒で塗り潰したような闇の集まりを作り出した。
百聞は一見にしかず。つまり、見せれば早い。
ただ、見せても分からないならお手上げだけど。
変化の魔法を応用しただけだと思うけどなー、予想だけど。
「力の入れ方次第でこうやって色々なことが出来るものだよ。」
簡単に教えた。
「へーえ。」
「そうなのかー。」
反応が淡白な気がするが何言えばいいか分からないだけだろうな。・・・だよね?
「うん、今度練習してみるよ!」
「色々使えたら便利だよね。相談に乗ってくれてありがとね。おやすみ、ジーク。」
そう言ってキュールとギルはどっかいった。
「んっ?ああ、おやすみ~。」
そういや、あいつらの今の家ってここだろ?
・・・あっ!!あいつら、元に戻るとこ見せずに逃げやがった!
あー、少し前のことなのに忘れてた。
声に出すと最悪みんな起きそうだからなー。黙っとく。
そんなこんなで、夜はだんだん明けていった。大体1時間ぐらいで。
こんな時間じゃあ、おやすみの意味無くなっておはようになっとると思うんだが?
「・・・・・・はぁ。鍛練するか。」
そして誰も起こさないように気配と音をなくし、息を殺して外に出た。
僕は寝ていた。少しの物音など気にしないほどぐっすりと。
しかし、ふと目が覚めた。
疑問に思ったがすぐ揺すられたと分かった。眠たい、しかし揺すられている。
「ジーク。起きてよジーク。うーん、どうしたら起きるかな?」
「じゃあ戻って乗って見たらどうかな?」
揺さぶられて起きたら見知らぬ子供が二人いたでござるの巻。
起こしたくせに起きたことに気づかないってなんだ?
乗るってのしかかる気か?息苦しくなるわ!
「誰?君ら。」
僕は、冷静に言った。子供だからね。しょうがないしょうがない。
「あっ!やっと起きた!」
片方が喜ぶ。嬉しそうにするのはいいから今どういう状況なん?
「起きてくれて助かったよ。母さんたちには見られたくないからね。」
もう片方がそんなことを言ってくる。
「いやだから君ら誰?これどういう状況?」
また聞く。聞かないと始まらないし分からない。
ほぼ真っ暗だから子供ってことしか分からないしね。
「誰はないでしょ誰は。前からずっと居たのに。」
「それに僕らは兄弟みたいなものじゃないか。」
二人がまくし立てるように言ってくる。
兄弟。兄弟ねぇ。僕末っ子だし弟はいないはずだけど。
待てよ?兄弟みたい?
「あのさ、名前聞いていいか?」
おそるおそる聞いてみた。
「俺はキュールだよ?今更何言ってるの?」
「僕はギルだよ。ジーク兄さん。」
・・・わけがわからないよ。
「なんで人間になってるの?」
あんまり働いて無いぼーっとした頭を手で支えながら聞いてみた。
「「 ・・・なりたいと思ったから?」」
少し考えて出した結論がそれか!?
そんななりたいと思ってなれたら苦労しねぇよ。
人間になりたい奴らに謝れ!
普通はなろうとしても獣人やら竜人みたいになるはずだ。元が元だから。
しかし、こいつらまんま人間の子供そのものである。
不自然な部分が全くないように見えるから逆に気味が悪いんだが。暗いから分かりづらいだけか?
「元には戻れるの?」
ここは重要だ戻れないじゃあ姉さんの反応が怖い。
「戻れるよ?」
「ただ、喋れないんだよ。」
戻れるのか。でも確認はしよう。
「一回戻ってみてくれ。」
「え~。」
不満そうに声を上げるキュール。
「ちょっと疲れるんだよ?姿変えるのは。」
「でも確認はしてみたいんだよねー。」
「じゃあ話が終わったらやるからそれでいい?」
ギルがそう言って来た。まあ、それならいいか。
「分かった。ありがとうな。」
謝ったが少しギルは不満そうだった。
不真面目に見えたかな?
「・・・でー、話って何?」
「えっと、どうしたら母さんの役に立てるか聞きたくて。」
・・・はあ?
「というか母さんって誰?」
「リリネア母さんだよ。僕らの母さんは。」
母さんじゃなくてリリ姉さんかー。今でも十分遊びやペットとして役に立ってると思うがなぁ?
「役に立ちたいって言ってもどう役に立ちたいかって希望はあるの?」
聞いてみると、ギルがこう言った。
「出来れば戦いや生活での役に立ちたいんだけど、母さんはすごく強いしさ?生活も特にやる事がなくてみんなにもよくしてもらっている。だが、僕らからは何も返せてないと思うんだ?」
・・・・・・暇、なのか?
返せてないって?・・・いやしっかり愛玩動物として癒しを返せているじゃないか。
「揉みくちゃは疲れる。」
キュールが突然そう言った。なんだいきなり?うわぁ、今目に闇があった気が。
どうやら、女の子連中に会った時のことを思い出しているようだ。
体が大きくなると返って女の子が触りやすく自分からは手を出せない状況に。
あーそうか、なまじ知性がある分そういうのも覚えてしまうわけか。
姉さん、人間側からしたらすごく飼いやすい奴ら拾ってきたんだなー。
性格違ったらまた違うんだろうけど。
反撃してこない優しい虎さんだー。
・・・あれ?
そういえば、こいつらの実年齢って何歳なんだ?
あとどれくらい生きれるのかな?
万年単位で生きてたら凄まじいな?
そう思うと少し笑えてくる。
僕だったら絶対飽きるか、ぐーたらに過ごしていくかの二択だなって思ったから。
暇つぶしとか考えてもあんまいい案がな~。
やべっ!他ごとになってた。
「あーでも強くなるに越したことはないから。役に立てるように鍛えておいた方がいいよな。」
なんとなくそう言ってみる。
うん!生き残るために力は必要だ。
「しかし、人型になれるならそっちでも戦い方覚えておいた方が良くないか?」
「それはそうだけど、これ一日ぐらいしか保たないよ?」
そうか。・・・え?
「なんで?」
マジなんで?
「試してそれが限界だったからだよ。ちなみにキュールは一日半が限界だった。」
「あっ!そうだ!いい訓練法があるぞ。ってーそれって魔法使ってなってるの?」
名案思いついたと思って次にそういえばと思って聞いてみた。
反応がない。首を傾げた。分かってないかな?
「「なにそれ?」」
あー、分かってなかった。僕が勝手に呼んでるだけだもんな。
「えーと、こういうやつだよ。」
魔力を手から出して順番に小さい火や水の球体、光の集まりやら黒で塗り潰したような闇の集まりを作り出した。
百聞は一見にしかず。つまり、見せれば早い。
ただ、見せても分からないならお手上げだけど。
変化の魔法を応用しただけだと思うけどなー、予想だけど。
「力の入れ方次第でこうやって色々なことが出来るものだよ。」
簡単に教えた。
「へーえ。」
「そうなのかー。」
反応が淡白な気がするが何言えばいいか分からないだけだろうな。・・・だよね?
「うん、今度練習してみるよ!」
「色々使えたら便利だよね。相談に乗ってくれてありがとね。おやすみ、ジーク。」
そう言ってキュールとギルはどっかいった。
「んっ?ああ、おやすみ~。」
そういや、あいつらの今の家ってここだろ?
・・・あっ!!あいつら、元に戻るとこ見せずに逃げやがった!
あー、少し前のことなのに忘れてた。
声に出すと最悪みんな起きそうだからなー。黙っとく。
そんなこんなで、夜はだんだん明けていった。大体1時間ぐらいで。
こんな時間じゃあ、おやすみの意味無くなっておはようになっとると思うんだが?
「・・・・・・はぁ。鍛練するか。」
そして誰も起こさないように気配と音をなくし、息を殺して外に出た。
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