もう一度、誰かを愛せたら

ミヒロ

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公園、そして

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朝食をご馳走になった後、彰人くんも連れ、公園へやって来た。

涼太はとても子煩悩、て感じで彰人くんと遊んでる。

そんな涼太を眺める豊の眼差しはとても穏やかで優しい。

この頃、俺はまだ、涼太が義父の子供が出来てしまい中絶していた事を知らなかった。

「はあ、汗かいたー」

涼太が額の汗を手の甲で拭いながら笑顔。

「ん。なんか飲み物でも買い行くか」

豊と俊也は近くの自販機へと向かい、俺と涼太、彰人くんは木陰のベンチで涼んで2人を待った。

「涼太くんがお兄ちゃんになってくれるの楽しみだな」

小さな彰人くんが朗らかな笑顔を見せた。

「お兄ちゃんが2人になるね」

「うん!」

彰人くんに視線を合わせると、本当に嬉しそうな笑顔で彰人くんは頷いた。

「お待たせー」

豊、俊也が戻って来て、飲み物を差し出された。

「好きなの選んで」

俊也に促され、彰人くんはオレンジジュース、涼太はレモンスカッシュ、豊はスポーツドリンク、俊也はアイスコーヒー。

「悪い、樹。ミルクティー、なかった」

「ううん、平気」

俺はアセロラ。

さすがにベンチにみんな並んで座るのは難しく、涼太の膝には彰人くんが座って、みんなで暑い夏の昼時、喉を潤した。

「昼ごはんまでには帰るか」

「だね。豊のお母さん、用意してくれてるだろうし」

涼太が豊を見る瞳は穏やかだ。

「お昼ごはん、なにかなあ」

「彰人くんは何がいいの?」

尋ねてみると、可愛く元気のいい笑顔と声で、

「ハンバーグ!」

「即答だな、彰人」

豊の一声にみんなが笑う。

「さて。充分、遊んだろ?戻るか、彰人」
 
「えーっ、まだ遊びたい」

「でも、お昼ごはんが遅くなったら夕飯、入らなくなるぞ?」

「あ、それは嫌だ。お母さん、夕飯、ご馳走作る、て言ってたし」

おかえりなさい、と明るく豊のお母さんは出迎えてくれ、残念ながら彰人の願望のハンバーグではなく、カレーライスにサラダだったけど。

みんなお代わりして食べた。

彰人くんは遊び疲れ、自室で仮眠。

その間、豊の部屋へ移動した。

涼太の件になった。

「涼太の父親が仕事でいない隙にさ、俺が涼太の家に行って、それとなく話してみるよ。勿論、涼太の件には触れない。父親が逮捕される前に引っ越した方がいいと思うから」

豊の言葉に俊也も賛同した。

「マスコミが沸いたりしたらさ、大変だから。涼太は寮とはいえ、涼太のお母さん1人だと心配だろ?涼太も」

「そりゃ、勿論...でも、大丈夫、かな...」

俺は不安げに瞳を揺らす涼太の手の甲に手のひらを重ねた。

「大丈夫だよ、きっと。ね?」

「うん....」
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