もう一度、誰かを愛せたら

ミヒロ

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涼太side.

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樹にも、俊也にも。

悪いことしたな、て反省も兼ねて、それに、二人のお陰で俺も豊と....

そこまで考えたら、顔が熱くなる。

何故だかわからないけれど、豊はカモミールティーやらラベンダーやらのアロマグッズをプレゼントしてくれたけど。

うつ伏せに寝転がったまま、ベッドの縁にあるカウンターに置いた、アロマオイルを嗅いだ。

「....いい香り」

カモミールティーは俺には少し飲みづらくて、俊也の真似で少量の蜂蜜を入れて飲んでみたら飲みやすくなった。

....なんで、そんなに安眠効果を狙ってるのかわからないけど....

「....確かにいつも寝起き、やたら眠いもんなー、やっぱり低血圧、て奴なのかな」

そうして、翌日、俺は支度を始めた。

松永遥斗に会う為に。

いざ、遥斗の部屋へ行ったものの、留守だった。

「....図書室、かな」

中庭を抜け、図書室へ向かった。

室内に入ると、遥斗の背中が見えた。

まだ制服姿で、手足が長く、漆黒の髪。

「あの....」

俺の声に遥斗が振り返る。

その目に硬直した。

凍てつく氷のような、何処か蔑んだ瞳....

「あ、あの、遥斗くん....」

「遥斗ならまだ教室だけど、何か?」

その言葉に、首席で入学した、兄の和斗だと気がついた。

その瞳に怯んだ。

見覚えのある、見下すかのような眼差し....

ゆっくり、和斗が歩み寄ってきて、俺は少しずつ、退いていく。

しまいには足が絡まるようにして、尻餅をついた。

....父さんと同じ目だ。

「....大丈夫?」

冷ややかな笑顔で和斗が手を差し伸べたが、その手を無視した。

「遥斗になんの用?」

瞬きも出来ず、和斗の狡猾な笑みを見上げた。

「兄さん」

「遥斗」

そこに遥斗が来、安堵するのも束の間だった。

二人はどちらからとも無く近づいていき、肩を抱き合ってキスを繰り返し始めた。

言葉を失った。

双子で....愛し合ってる、のか....?
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