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しおりを挟む穂高は既に空き家だった一軒屋を買い取り、リフォームしていた。
真っ白な洋風な二階建てには結月の勉強部屋、いずれ生まれて来るだろう子供が遊べる部屋、広い庭にはブランコや外でゆっくり寛げるよう、木のベンチや丸いテーブル。
結月は穂高の車を降りるなり、わあ、と声を上げて真っ白な洋風な建物を見上げた。
「気に入ってくれた?」
「うん!」
結月は微笑むと穂高の手を握り、引っ張った。
「中も見たい!」
はしゃぐ結月に穂高は安堵し、そして微笑ましく見守った。
「あんまり走り回っちゃいけないよ」
結月はパタパタと陽気に部屋を見て回る。
「明日には僕を昔から知る執事たちも来るけど、みんないい人ばかりだから安心していいからね」
「しつじ?」
「お世話係みたいなものだよ」
まだ小さな結月の目線に合わせてしゃがみ、穂高は結月の頭を撫でた。
不意にドアが開いた。
別れを告げた筈の史哉だった。
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