23 / 25
4
しおりを挟む
聖也からの電話相談の翌日、中庭のベンチで1人、パンと牛乳で昼食を摂っている。
あんぱんとカレーパン。
あんぱん、て牛乳によく合うよな、とかぶりついていた。
無言で隣に現れたのは避けられていた筈の聖也だった。
コンタクトレンズだろう裸眼に、見慣れた筈の卵形の小さな顔や筋が通ったツンと尖った鼻や小さな口も、無愛想な表情すらなんだか懐かしい。
「これ」
なにやら小さな白いビニール袋を渡された。
中を開けると...
「...スタミナドリンク」
「...スタミナドリンク?」
手にしたドリンクのラベルにはマカ、精力増強、とあるが...。
...これは遠回しに抱いてくれ、の意思表示か?
「...バイトばっかで疲れてるでしょ、亮」
「え?あ、ま、まあな」
から笑いするも...これはどういう意味だ?
「....早く治るといいけど」
ポツリ、聖也の独り言が聞こえてしまい、聖也から勃起しない可哀想な男と思われていることに気がついた。
...昨夜の電話での無理やりなフォローしたせいだ...自業自得。
「サンキュ、て、てか、3本も...」
「あと、これ」
次に渡されたのは巾着袋。
「....弁当?」
「....昨日、唐揚げ作りすぎちゃったから。一応、冷蔵して、学校来る前に揚げなおした」
遠藤の方の俺に食べさせたい、て言ってたのに、と思わずほっこり。
「あ!でも!不味いから!言っとくけど!期待しないでよね!」
「ああ、はいはい」
自分の手料理を不味い、という聖也が可愛い。
絶対美味しいから、とか自分で褒めちぎっての手料理よりうんと嬉しい。
うさぎや熊やらのポップで可愛らしい弁当箱を開けると唐揚げだけでなく、卵焼きにタコさんウインナー、プチトマトに俵結びのおにぎりが2つ入っていた。
「....すげー」
「...ちっとも凄くないし」
隣に座る聖也も弁当箱を開くと全く同じ弁当だった。
「めちゃくちゃ美味そ!いただきます」
「...いただきます」
食べてる最中、ちらちらと視線を感じる。
「なに?」
「....別に」
「美味いな。唐揚げも俺好み。卵焼きも甘くていいな、タコさんウインナーは懐かしいし。料理上手だったんだな、聖也」
「....は?なに褒めてんの。違うし。し、知り合いに食べさせたかったんだけど渡せなかったから、それだけだし!」
「そ、そっか...でも、ありがとな。また作ってくれたら嬉しい。無理は言わないけどさ」
苦笑する俺に聖也は小さく、うん...と小さく唐揚げを齧っていた。
🧸
👍⭐️
あんぱんとカレーパン。
あんぱん、て牛乳によく合うよな、とかぶりついていた。
無言で隣に現れたのは避けられていた筈の聖也だった。
コンタクトレンズだろう裸眼に、見慣れた筈の卵形の小さな顔や筋が通ったツンと尖った鼻や小さな口も、無愛想な表情すらなんだか懐かしい。
「これ」
なにやら小さな白いビニール袋を渡された。
中を開けると...
「...スタミナドリンク」
「...スタミナドリンク?」
手にしたドリンクのラベルにはマカ、精力増強、とあるが...。
...これは遠回しに抱いてくれ、の意思表示か?
「...バイトばっかで疲れてるでしょ、亮」
「え?あ、ま、まあな」
から笑いするも...これはどういう意味だ?
「....早く治るといいけど」
ポツリ、聖也の独り言が聞こえてしまい、聖也から勃起しない可哀想な男と思われていることに気がついた。
...昨夜の電話での無理やりなフォローしたせいだ...自業自得。
「サンキュ、て、てか、3本も...」
「あと、これ」
次に渡されたのは巾着袋。
「....弁当?」
「....昨日、唐揚げ作りすぎちゃったから。一応、冷蔵して、学校来る前に揚げなおした」
遠藤の方の俺に食べさせたい、て言ってたのに、と思わずほっこり。
「あ!でも!不味いから!言っとくけど!期待しないでよね!」
「ああ、はいはい」
自分の手料理を不味い、という聖也が可愛い。
絶対美味しいから、とか自分で褒めちぎっての手料理よりうんと嬉しい。
うさぎや熊やらのポップで可愛らしい弁当箱を開けると唐揚げだけでなく、卵焼きにタコさんウインナー、プチトマトに俵結びのおにぎりが2つ入っていた。
「....すげー」
「...ちっとも凄くないし」
隣に座る聖也も弁当箱を開くと全く同じ弁当だった。
「めちゃくちゃ美味そ!いただきます」
「...いただきます」
食べてる最中、ちらちらと視線を感じる。
「なに?」
「....別に」
「美味いな。唐揚げも俺好み。卵焼きも甘くていいな、タコさんウインナーは懐かしいし。料理上手だったんだな、聖也」
「....は?なに褒めてんの。違うし。し、知り合いに食べさせたかったんだけど渡せなかったから、それだけだし!」
「そ、そっか...でも、ありがとな。また作ってくれたら嬉しい。無理は言わないけどさ」
苦笑する俺に聖也は小さく、うん...と小さく唐揚げを齧っていた。
🧸
👍⭐️
21
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました
及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。
※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
良い子な二人の内緒ゴト♡ ~水越さんちご兄弟のえっちなお風呂タイム~
そらも
BL
それぞれの学校でも成績優秀品行方正でクラスメイトや先生やご近所さんからもすこぶる評判の良い、水越(みずこし)さんちの仲の良いご兄弟、兄で高校生の怜時(れいじ)くんと弟で中学生な翼(つばさ)くんの『とってもと~っても仲良し♡』な、両親にも内緒な秘密の夜のやり取りのお話です♪
タイトルの通り仲良しな実の兄弟の二人がお風呂の中でこれでもかとイチャイチャスケベえっちしてるだけのお話となっておりますので、そこのところどうぞご注意を!
※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。
※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる