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しおりを挟む帰り際、恭一たちを見送る奏斗に、
「奏斗、優斗を三日、学校休ませて」
「三日?ですか?」
そうして、優斗と奏斗は共に三日、学校を休んだ。
一歩、遅かったら犯されていただろう、スラックスを脱がされた姿を奏斗から知らされた二人の母も、優斗の好きな、海老フライやハンバーグ、グラタン等で秘かに優斗を励ました。
母がせっかく作ってくれたのだから、とかなりの時間を要して平らげる姿に、やっぱり食欲がないことに奏斗も母も気付かされる。
「学校には言わないで。お兄ちゃん、余計に目立っちゃうから...」
そうして、奏斗は母を通し、学校には内緒にして貰った。
三日が明け。
不意に奏斗にLINEが送られてきた。
優斗と奏斗の代わりに、恭一、大貴、慶太はそれぞれの部活の学年を問わず、Ωの生徒に、さりげなく、優斗を好きな生徒を聞き出し、
「優斗が好きなら正々堂々と告白しろ」
「優斗になにかしたらタダじゃ済まないからね」
「俺の今彼のお父様、警察官だから、優斗を襲ったりしたら、突き出すよ」
一人一人にそう言って回る中、優斗を襲ったりしたら、と、警察官、のワードにどうも、態度がおかしい三年に恭一たちは気がついた。
『優斗に見せたら思い出しかねないから、奏斗にだけ送るね』
慶太から送られた写メ。
色んな角度から土下座する三年の姿が数枚、送られてきた。
「...容赦ないなあ」
自らも容赦のない、見事なジャンプ力を発揮し、飛び蹴りを二発、お見舞いした奏斗なのだが、写メを見つめ、微かに微笑んだ。
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