カスハラ(夜の連続テレビ小説ミキちゃん)

ごめんなさい

　話は戻りますが、昭と出会い、恋をして、子供が出来てすぐに入籍しました。

　私が16歳、昭は19歳でした。
　
　あのスナックの叔母の彼は、昭の同級生でした。叔母の15歳年下です。

　弘美ちゃん(男)という名前ですが、恐い人でした。薬で何度も出たり入ったりしていました。
　
　昭は、弘美ちゃんの言う事には逆らえません。

　私が、妊娠6ヵ月に近づいた頃、弘美ちゃんと昭は、薬で捕まりました。

　私は、薬をやっている事に気が付かなくて、知りませんでした。

　精神病の母が、生活保護の担当に連絡して、中絶する事になりました。

　薬をやっている時に妊娠した子供が、もし障がいを持って産まれてきたら、16歳の私には育てる自信がありませんでした。

　横浜の市民病院で、麻酔をかけずに、堕胎しました。お腹をフォークで掻き出すように、赤ちゃんの痛みに比べたら我慢しなくてはなりません。

　先生は、赤ちゃんの血だらけの小さな手を私に見せました。

　お骨は、青森にある昭の実家のお墓に納めました。