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兄編

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仕事帰りに扉を開いた瞬間に悠介の悲鳴が聞こえた。
すわ強盗かと荷物を玄関先に放り投げ靴のまま階段を駆け上がる。
名前を叫べば、そうすれば良かったと今なら思う。
ただ無事であるかを確認したくて、もし強盗なら
自分が取り押さえなければとどこか冷静な己もいて。

悠介の部屋からはひっきりなしに声が聞こえている。
だが、おかしい。
近づいた今だからわかる。

普段聞くことのない確かに鳴いた声ではあるが、
それは悲鳴ではなく嬌声。
僅かに扉が開いていたらしくそこから漏れ出していたようだ。

だが、閉まっていたとしても家中に響いていただろう。
音を立てぬように、漸く靴を脱ぎそっと部屋を覗き見る。


そこには生まれたままの姿であられもなく乱れ悶える俺の大事な人がいた。
誰に襲われているのでもないのに、体をガクガク揺らしながら
呼吸の為なのか声を上げる為なのかひっきりなしに胸が上下している。

ぐいんっと弓形に体をしならせながら潮を吹く。
全身を桃色にそめて。
ベッドの床についた爪先からシーツを掴む指の先まで痙攣している。

イってる…。

「あ゛ぎィー…ッんほぉおおッ♡♡♡」

すっかり色をのせた甘い声は掠れ、醜い獣のような悲鳴ともつかぬ咆哮をあげる。
うつ伏せになった足の間は無意識なのか、尻だけを高く突き上げ
最早肩と膝で体を支えているような状態だ。
こちらから見える顔は蕩けきり穴という穴から液体を垂れ流し蕩然としている。

開かれた小ぶりの尻肉の間は本来なら閉じられているだろうものが
ぐっぱりと開き、綺麗な桃色の蠕動する腸内がクスコでも嵌めたかのように見えている。

本来濡れる場所でもないのに、腸液がぱたぱたと滴り落ち
揺れる体は透明人間にでも犯されているようだ。

その間も悠介の痴態は続きイグイグと叫びながら
白濁を出すこともなく
何度も打ち上げられた魚のように体をひくつかせる。

支える力もなくなったのかべちゃりと湿りきったベッドにその身を横たえるものの
まだ何かは続いているらしく、響き渡る声。
それは何度となく自分の夢の中で想像していたもの。
だがそれはやはり想像でしかなかったのだ。

耳まで紅く染まり、蕩け切った快楽の表情。
シーツで擦れ悶える折に時に見える痛いほどその姿を強調する乳首。
水泳部故に処理されていた陰毛の為にはっきりくっきりと見える局部。
幼い頃に比べたらまあ大きくなったな、なんて場違いな感想が頭を過ぎる。
そこからダラダラと垂れ流れる我慢汁に何度も散ったらしき白濁の跡は体中に残っており
開かれたままの尻の穴はもはや性器のように縁を限界まで広げられ
汁を垂らしながらふるふると揺れる小尻。

身体中の毛穴が開いたかのように
頭から水をかぶったかのようにびしょ濡れだ。
ようやく何かは収まったのか、激しい声は止んだが
痙攣は止むことなく、目は空いているのに何もうつさず虚だ。
開かれた口は笑みを作り、開かれた口からはだらりと舌が垂れ涎と鼻水が垂れた惨めな表情だ。
恍惚とした表情は快楽に屈した事を証明していた。

これ以上見ていられなくてタオルケットを体にかけてやる。
その刺激だけでもびくりと身体を揺らし快楽を拾っているようだ。
お前のことをこんなに俺は心配しているのに。

なのに、何でだ?
何かが俺の大事な人を俺より先に犯した。
怒りで視界が真っ赤に染まる。
しかもそれを喜んで受け入れてたのか?
お前のために、兄弟だから、男同士だから。
ずっとずっと堪えていた俺の気持ちを置いて?

タオルケットの端を掴んだままベッドに寄り添い、瞼をそっと下ろしてやる。

とにかく強盗でなくてよかった。
ようやく離れようとした所で自らの逸物が痛いほど張り詰めているのに気付いた。
気づかれてないか慌てて振り返れば、上半身はきちんとタオルケットをかぶっていたが
タオルケットからはみ出た尻たぶとまだ開き切ったままの孔が見えた。

ぶわっと身体の血が滾るのがわかる。
そして一点に集中していくのも。
何とかそれらを振り払い、靴を片し汚した廊下を掃除しシャワーを浴び
ベッドにもぐる頃には既に朝の7時を回る頃だった。

シャワーで熱を鎮めるのに多くの時間を要したのは細かく言うまでもないだろう。

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