しゃぼん玉

おとな

 
あぁ、そうだ
君はいつも繰り返し言ってた
 
そう思うなら、それでいいよ
 
あの時は気がつかなかった
 
なんて無神経で
心のない言葉なんだろうと
 
なんて私任せで
勝手な言葉なんだろうと
 
 
そして今になって
 
少し大人になった私に
染み込んでくる
君の言葉の本意が
 
すごく痛い
 
言いはなった言葉の間に
言えなかった言葉があったと
 
少しの背伸びも出来ない私が
 
やっと少しずつ追いついて
 
君の心を今更知るよ
 
ごめんねと繰り返したところで
言葉は空間に消えていくようで
 
手を伸ばしてみたところで
 
 
触れるものは何もなく
 
ぶらりと残った私の手
響いて消える私の声