孤独を秘める魔女と、孤独に寄り添う魔女の騎士

勇気と希望を司る大魔女、メイラフラン様にお仕えする私ことヴィルクスは、悩んでいる。

仕える主に不満がある訳でも、魔物によって孤児となった自分の運命を恨んでいる訳でもない。

それは──、主が心の奥底に秘める憂いを、本当の意味で払うことができないからだ。

魔女の騎士である私と、大魔女である彼女の立場は対等ではない。

立場をわきまえて、口から出そうになる『言葉』を必死に飲み込む毎日。

一番近くにいるというのに、彼女はその巧みな心のヴェールによって……誰にも本心を見せないのだ。

だが。だからこそ。

制約があるからこそ、見えてくるものがあるのだと。ここ最近は、分かるようになってきました。

ここでその例を一つ、お教えいたしましょう──。


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※既存の「誘惑する~」という作品と同世界観ですが、独立したお話です。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載中。
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