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新たなる婚約者
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ホムの乱入ですっかり興《きょう》を削がれてしまったメアリーさん。
結局、初夜は結婚式の日にすることとなり今夜は中止、僕らはクラウスさんの屋敷に純粋に文字通り泊まることとし翌日に帰ることとなった。
僕は客室に泊まったが、ホムとメアリーさんは嫁同士というか女の子同士だったので一緒に過ごすことに。
お風呂にも一緒に入り、一晩一緒に同じベッドで寝たことで朝食を摂るころにはすっかり仲良しになっていた。
手をつないで食堂にやって来た2人。
まるで昔からの友だちのようだ。
ホムは僕を見つけると質問をした。
「アーキ、ホムはメアリーに教えて貰った。ホムとの子作りはいつするの?」
ぶほっ!
俺もクラウスさんも盛大に紅茶を噴き出す。
2人のトーストが紅茶まみれのティートーストとなった。
「メ、メアリーさん? ホムになんてことを教えているんだい?」
メアリーさんは全く悪気がない感じで僕を諭す。
「ホムもアーキ様のお嫁さんになるんですもの。うぶなホムにも夫婦生活の基礎知識ぐらいは教えておかないとダメでしょ」
結婚するってそういうものなのかな?
それ以前の問題なんだけど、ホムっていつから僕の婚約者になったの?
「ホムはアーキの一番でありたい。だからメアリーがアーキのお嫁さんとなり一番となるならホムも結婚して一番になるしかない」
ということだった。
まあ、メアリーさんに負けず劣らずかわいいホムが僕のお嫁さんになってくれるなら願ったり叶ったりで、僕は大歓迎だ。
でも、ホムの結婚宣言を聞いて、うろたえまくっている人が一人。
クラウスさんだ。
黒目がぐるぐると回って気が動転している。
「ア、アーキ君? 君はメアリーという素晴らしい婚約者が居ながら、もう浮気をしたのかね?」
うろたえつつも手は剣の柄にかけ、答えによってはいつでも僕を切り殺す準備に入っている。
これは下手な答えを口に出来ない。
「いや、あの、これは……」
ホムが窓から飛び込んできて、メアリーさんとの戦いの後に婚約者になったなんて都合よすぎる作り話としか思えなくて言えるわけがない!
剣を鞘から抜くカチャリという音が鳴り響く。
それを聞いたメアリーさんがクラウスさんを必死で止めた。
「お父様、聞いてください!」
最愛の娘の言葉にクラウスさんの動きが少し止まる。
「アーキ様と結婚するにあたり、私一人では家事や夜のお務めをするのは少し厳しいと思います。そこで日によって役割を分担できるように、もう一人お嫁さんを増やした方がいいと思うのです」
実はメアリーさん、商工会長の娘という町の中でも少し地位の高い家柄というのもあって、町の子どもたちから少し距離を置かれてしまい今まで同年代の友だちがいなかった。
そこに現れた、同年代で同性のホム。
ホムは地位とか気にせずにメアリーさんの相手をしてくるので、ホムのことを甚《いた》く気に入ったのである。
そんなメアリーさんの心からのお願いだったけど、クラウスさんの心の別のとこに響いた。
「ア、アーキ君。夜のお務めがメアリーひとりでは足りないとはどういうことなんだ? わが娘のメアリーだけでは不満なのか?」
完全にキレて剣を振り回し、椅子やらテーブルをぶった切りまくるクラウスさん。
マジでヤバ気。
僕はホムを連れて屋敷を退散した。
*
全力で逃げて来た僕らは町の広場で息をつく。
僕もホムも肩で息をしている。
「危なかったな」
「アーキなら倒せたとホムは思う」
義理の父親になる人を倒しちゃダメだろ。
「メアリーを置いてきたけどいいの?」
「クラウスさんが落ち着いたら、もう一度ちゃんと挨拶に行くから今はいいだろ」
それまでに実の娘のメアリーさんに説教されて深く反省していることを祈る。
帰る前にリサさんとマイカ姉ちゃんに顔を見せた方がいいだろうということで、錬金術ギルドを訪れる。
すると、リサさんとマイカ姉ちゃんは王都から来たギルド職員たちと揉めていた。
「さあ、ノルマのポーションの納品をするんだ! ちなみにノルマは今日から7割だからな!」
「なっ! そんな無茶なノルマ、すぐには用意できる訳がない」
「じゃあ、俺たちが作るので今すぐこのギルドを明け渡すんだ!」
かなり無茶なことを要求するギルド職員たち。
「ホム、この話は既に王都で解決したんじゃないのか?」
「まだ解決していない。マーリン様が残って大賢者会で話し合うことになった。会議はまだ先なのでマーリン様を残して戻って来た」
王都のギルド職員はかなり強引な感じで、リサさんは困り果てている。
僕は助けに入った。
結局、初夜は結婚式の日にすることとなり今夜は中止、僕らはクラウスさんの屋敷に純粋に文字通り泊まることとし翌日に帰ることとなった。
僕は客室に泊まったが、ホムとメアリーさんは嫁同士というか女の子同士だったので一緒に過ごすことに。
お風呂にも一緒に入り、一晩一緒に同じベッドで寝たことで朝食を摂るころにはすっかり仲良しになっていた。
手をつないで食堂にやって来た2人。
まるで昔からの友だちのようだ。
ホムは僕を見つけると質問をした。
「アーキ、ホムはメアリーに教えて貰った。ホムとの子作りはいつするの?」
ぶほっ!
俺もクラウスさんも盛大に紅茶を噴き出す。
2人のトーストが紅茶まみれのティートーストとなった。
「メ、メアリーさん? ホムになんてことを教えているんだい?」
メアリーさんは全く悪気がない感じで僕を諭す。
「ホムもアーキ様のお嫁さんになるんですもの。うぶなホムにも夫婦生活の基礎知識ぐらいは教えておかないとダメでしょ」
結婚するってそういうものなのかな?
それ以前の問題なんだけど、ホムっていつから僕の婚約者になったの?
「ホムはアーキの一番でありたい。だからメアリーがアーキのお嫁さんとなり一番となるならホムも結婚して一番になるしかない」
ということだった。
まあ、メアリーさんに負けず劣らずかわいいホムが僕のお嫁さんになってくれるなら願ったり叶ったりで、僕は大歓迎だ。
でも、ホムの結婚宣言を聞いて、うろたえまくっている人が一人。
クラウスさんだ。
黒目がぐるぐると回って気が動転している。
「ア、アーキ君? 君はメアリーという素晴らしい婚約者が居ながら、もう浮気をしたのかね?」
うろたえつつも手は剣の柄にかけ、答えによってはいつでも僕を切り殺す準備に入っている。
これは下手な答えを口に出来ない。
「いや、あの、これは……」
ホムが窓から飛び込んできて、メアリーさんとの戦いの後に婚約者になったなんて都合よすぎる作り話としか思えなくて言えるわけがない!
剣を鞘から抜くカチャリという音が鳴り響く。
それを聞いたメアリーさんがクラウスさんを必死で止めた。
「お父様、聞いてください!」
最愛の娘の言葉にクラウスさんの動きが少し止まる。
「アーキ様と結婚するにあたり、私一人では家事や夜のお務めをするのは少し厳しいと思います。そこで日によって役割を分担できるように、もう一人お嫁さんを増やした方がいいと思うのです」
実はメアリーさん、商工会長の娘という町の中でも少し地位の高い家柄というのもあって、町の子どもたちから少し距離を置かれてしまい今まで同年代の友だちがいなかった。
そこに現れた、同年代で同性のホム。
ホムは地位とか気にせずにメアリーさんの相手をしてくるので、ホムのことを甚《いた》く気に入ったのである。
そんなメアリーさんの心からのお願いだったけど、クラウスさんの心の別のとこに響いた。
「ア、アーキ君。夜のお務めがメアリーひとりでは足りないとはどういうことなんだ? わが娘のメアリーだけでは不満なのか?」
完全にキレて剣を振り回し、椅子やらテーブルをぶった切りまくるクラウスさん。
マジでヤバ気。
僕はホムを連れて屋敷を退散した。
*
全力で逃げて来た僕らは町の広場で息をつく。
僕もホムも肩で息をしている。
「危なかったな」
「アーキなら倒せたとホムは思う」
義理の父親になる人を倒しちゃダメだろ。
「メアリーを置いてきたけどいいの?」
「クラウスさんが落ち着いたら、もう一度ちゃんと挨拶に行くから今はいいだろ」
それまでに実の娘のメアリーさんに説教されて深く反省していることを祈る。
帰る前にリサさんとマイカ姉ちゃんに顔を見せた方がいいだろうということで、錬金術ギルドを訪れる。
すると、リサさんとマイカ姉ちゃんは王都から来たギルド職員たちと揉めていた。
「さあ、ノルマのポーションの納品をするんだ! ちなみにノルマは今日から7割だからな!」
「なっ! そんな無茶なノルマ、すぐには用意できる訳がない」
「じゃあ、俺たちが作るので今すぐこのギルドを明け渡すんだ!」
かなり無茶なことを要求するギルド職員たち。
「ホム、この話は既に王都で解決したんじゃないのか?」
「まだ解決していない。マーリン様が残って大賢者会で話し合うことになった。会議はまだ先なのでマーリン様を残して戻って来た」
王都のギルド職員はかなり強引な感じで、リサさんは困り果てている。
僕は助けに入った。
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