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そのあとご無事に入学式が終わったかというと、そうでもない。


悠汰のチョップによって一応僕の周りの場は和んだけど、実は弟くんの送辞?答辞?それは卒業式か。なんていうのあれ、お日柄は~ってやつね。あれの途中だったわけでして、目があった先生にめっちゃ睨まれました。


僕じゃないんです先生。悠汰なんです。
無実なのになんで僕が睨まれるの。
理不尽。


そんなこんなで結構目立っていたらしく、ステージに目を向けると、バッチバチバッチバチ弟くんと目が合っちゃったよー。


まぁ耐えきれなくて先に目をそらしましたけど。ごめんね。僕、心も体も弱いよわよわ体質だからさ。
ちなみにボディソープは弱酸性のビオレユーだよ。はぁー、なんって僕の肌はすべすべなのか、目眩がするな。


傾国の僕。


なんちって。




そしてそんなことを考えている間になぜか入学式は終わりを告げていた。
のをみんなのざわざわで感じ取った僕。


悠汰は二度寝でぐっすりさ。


「あ"ぁ"ー」


疲れた体をおっさんみたいな声を上げながら伸ばしていると、その声に反応した悠汰が夢から目覚めた。
なっかなか起きないからキスでもかまそうかと思ったよ。
寝すぎじゃない?
眠りの森のブスって今度から呼ぼうかな。
でもブスでもないか。
眠りの森のー、まぁいいや。時間の無駄無駄


「おい雪、なにおっさんみたいな声出してんだよ。びっくりして起きちゃっただろ。」


「えぇ、ごめーん」


ん?なんで僕今謝った???

寝てる悠汰が悪くない?


「いやなんで僕が悪いみたいになってるの。」


「あ、そいえば弟どうだった?」


「ごめん聞いてない。って話そらすなよ」


僕の弟に興味がないのは僕も悠汰も同じだったらしく、結局互いに弟の話を聞いてなかったみたいだ。


「僕さ、弟のことは忘れたように今まで通り振る舞うからその決意の証として三角○ョコパイ今日奢ってやるよ。」


「いやお前振る舞わなくても明日には忘れてるだろ。まぁ三角○ョコパイおごってくれんなら弟様様だな。」


結局弟が幸村兄を探していることにも気付かず、僕と悠汰は講堂を後にして取り敢えずマ○クへ向かうことにした。


「なぁ雪」


「なに?」


によによした気持ち悪い胸糞悪くなるような顔で悠汰が話しかけてきた。


「俺さぁ、トカゲ飼い「だめ。」


爬虫類好きな悠汰はこうして僕の機嫌がいい時に必ずトカゲやら蛇やらカエルやら、カエルに至ってはもはや爬虫類ですらない。

なにかを飼いたいと話を持ちかけてくるが、僕は爬虫類が苦手だ。


当然飼うのにも反対。


学校の寮で動物飼っていいの?と思うかもしれないが、うちの学校の寮はマンションみたいな形で、別に壁が薄いわけでも部屋が狭いわけでもない。部屋は十分な広さのファミリータイプだ。そこを二人一組で使えるんだから、さすが金持ち学校。
ちなみにペットは可。
ただし同居人が許せば。の問題だが。
どうせ隣の席の高橋が去年ヘビを飼い始めてから羨ましくなったんだろう。

「イグアナは?」


いや、トカゲがだめなのになぜイグアナが大丈夫だと思った。


「トカゲよりレベルアップしてんじゃねーか。」


「イグアナはトイレ覚えるしよ、じっとしてるしよ、なにしろかわいいじゃねーか。」


「別に悠汰の勉強部屋から出さないならいいよ。僕の目には触れないし。」


途端に悠汰の目がキラッキラに輝いた。


「え、まじ!!?」


それからマ○クに着いても、マルセへの道も、悠汰は恥ずかしげもなくスキップでイグアナの名前を考えている。


考えた名前を歌にして歌ってるけど、聞こえる限りは「桃太郎」「イグ太郎」「生わかめ」etc…


悠汰って名前のセンスないんだなぁ~ってことにやっと気づいた。


これ遠くから見たらかなり怪しいやつだよな。スキップになってないスキップしながら変な歌口ずさむ男。


正直言って友達だと思われたくない…。


離れて歩こう。



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