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学びと気づき
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翌日……ここは地下のイザナギ学園。
そして、現在は絶賛授業中だったりする。
「……で、あるからして……」
前方の教卓から聞こえるヒゲ先生の声が、何だか妙に懐かしく感じる。
俺達は一週間という長いようで短い開拓遠征を終え、学校生活に戻っていた。
瑠璃さん曰く、「この数週間の間に休憩がてら、学園生活とV活動をしておけ」とのこと。
体力的にも気力的にも開拓遠征はこれくらいが程よい期間であるからだろうと俺は思う。
正直俺はレッドサンに入隊済みであるし、国津アルカディアでのV活動も今のとこ順調である。
大変有難いことに、2つの収入がある今、正直余裕で食べていける状態だ。
ここの学校の連中は、この間の件で皆知っているけど、これらの事はまだ遠方にいる両親に話してない、というか話せない。
いつか話せる時が来るだろうし、その時に話せればと俺は思っている……。
それはいいとして、2つの収入を得たことにより俺は今思っていることがあったりする……。
……なので、昼に優に相談してみようかなと思ってたりしながら授業を受けていたり……。
で、授業があっという間に終わり、昼休み……。
今日、桃井さんはVの収録の関係でお休みだったりする。
「なあ、優……」
「ん? なんだ?」
俺は後ろの席に移動し、座っている優に立ったまま話しかける。
「俺達さ、国津アルカディアに所属し、かつレッドサンにも所属しているじゃん?」
「ああ、そうだな」
「で、思うんだが俺達、これから学校で勉強する必要ってあるのかな?」
「なるほど……いい質問だな」
メガネクイをし、深く頷く優。
そうなのだ、俺は安定収入がある今、学園生活に意味があるのかな? と疑問を抱いていたのだ。
「……そうだな、俺達今話しているよな」
「ん? そうだね? それが何か?」
「まあ、そこだな」
「……は?」
優等生の言っている意味が分からず、不快感をあらわにし眉をひそめてしまう俺。
このメガネが言いたい事が、マジわからん……。
「俺達がこうやって普通に話せているのは俺達の両親や、先生方の教育のおかげだ……」
「……あ」
そうだな、優の言う通り最初から上手く喋れたわけじゃない。
両親やこの学校教育の積み重ねがあってこそなのだ……。
「それだけじゃない、俺達が今貰っている給与の金額を正しく数えられるのも、その教育の賜物だろ?」
「そ、そうだな。……体育の授業だって、得手不得手の競技が分るし……」
そうなのだ、今でこそ義務教育のお陰で当たり前のように計算できるけど、大昔はそうじゃなかったんだよな。
スポーツだって然りだ……。
「そうだな……運動から学べ、自分探しの気づきを得る事が出来る……」
「チャレンジすれば出来るようになる事もあるしな」
俺は基本的に野球など、球技は苦手だ。
でも、何故苦手かは何となくだけど理解している。
周りの知人がノーコンだの、やる気が無いだの言ってくれているしね。
ただし、格闘ゲームをやり込んでいる関係か打つのは上手なんだよなあ……。
動体視力がいいからだろうと周りは言ってくれるけどね。
で、話しは変わるが、俺は思い当たる例として、天使クロノの歌のスパルタ教育を思い出してしまう……。
ま、まあ、やり方も大事だと思いますが……うん……。
やる気があれば、何でも出来るのかもしれない……。
もしかして天使クロノに、やる気スイッチを押してもらえたのかなと俺はふと思った……。
「お前の好きな歴史の授業だって、学んでいたからこそレッドサンの前段階の知識を学べていたわけだろ?」
「……だな」
それに授業内容だけじゃなく、学校に通うことによって優や桃井さん、ヒゲ先生や豪山パイセン達にも出会うことが出来た。
色々学べ、人との出会いが学べる場所……それが学校かもしれない。
最も、環境により大小あるかもしれないが、それは家庭環境も含め、人生平等には出来ていないから……。
俺は時々忘れそうになる、自身の心臓病というハンデをふと思い出す……。
そう、まともには動けない苦しいハンデがあったから……こんな体だったからこそ、俺はゲームが好きになれた。
ゲームの世界なら、自由に強いキャラを動かせ、広い世界を冒険出来るしね……。
だからこそ、俺は瑠璃さんや桃井さん、それに優とゲームを通して親しくなれた。
更に宇宙からの使者……天使クロノと出会い、歌が上手くなり、もっと好きになれた……。
学校とゲームと歌……「それらの出会いと俺の上手くなりたいという強い願望と努力」があったからこそ……今があるんだよな……。
「……色々考えることがあるかもしれないが、後は自分で考えろ。お前がその疑問を抱けたって事は自立してきている証拠だ。決して悪い事じゃない……」
「そうだな……ありがとう優。当たり前に学べる事って結構贅沢なんだな……」
当たり前が当たり前じゃない世界……。
もし、地上がもっと浄化開拓されれば世界の人達はもっと裕福になれるのだろうか……?
何か知らんがふとそんな考えが頭をよぎる……。
まあ、人口太陽は不必要になるから、そこはね……。
俺は日野さんとまだ見ぬ相方の天使ちゃんの笑顔を思わず想像してしまう……。
クロノの妹さんだし、きっと素敵な笑顔に違いないなって……。
「そうだな……お前も自分の意思で働き、お金を貰うようになって成長したな……」
「そうか……俺も……成長しているんだな……」
という事で、色々考えたが、学校には変わらず通うことに俺は決めた……。
辞めて、その空いた時間で更なるV活動をしたり、アルカディアアドベンチャーで戦闘の腕を磨こうと思ってはいた……。
でもさ……辞めるのはいつでも出来る、けど……学園生活は今でしか過ごせないものだから……。
「アセイーツ、セク、ウェアー!」
俺の【インクリスドアタックパワー】が砂丘に高らかにこだまする!
……俺達クロノ小隊は放課後、アルカディアアドベンチャーの世界に来ていた。
そう……ここのエリアはこの前、日野さんを始めとする【N・R・S大隊】と来ていた砂丘そのもの……。
ただし、磯の香は漂ってはこない……。
というのも記憶に新しいと思うが、アルカディアアドベンチャーの世界はVRでの仮想空間……。
だが、しかし……この世界はメテオコアに汚染された地上をベースに、【レッドサン並びに世界の戦闘地上特派員が開拓した巨大な対コアモンスター用の戦闘シミュレーターの世界】だったりする。
なので、ここでは実際に戦闘で死ぬことは無い……。
という事で、俺達は日野さんや3期生の方々が戦闘して討伐していた海型のコアモンスター1匹と絶賛戦闘中だったりする……。
「ぬ……ぬぐううう……!」
顔を真っ赤にし、歯を食いしばっている状態の豪山パイセン。
巨大な青いカニの凶悪な水晶のような鋭利なハサミが、豪山パイセンの真っ赤になった巨大なオノとぶつかり合う!
そう、豪山パイセンは天使の刻印を既に常時解放済み……。
早い話が早い段階で全力で戦っている状態だ。
「コ……コイツの外骨格……固えな!」
歯ぎしりし、真紅のオノを振り回し、何とか応戦する豪山パイセン。
その余りの硬さに、少し弱気な発言をするパイセン。
「ふむ、そうだな……折角なんで強さを地上モンスターの1.2倍に設定してある。まあ、楽しめ……」
「は……はあ……⁉」
パイセンのやや後方に下がり、腕組みしその様子を静かに見守る瑠璃さん。
で、その滅茶苦茶な内容に、不満げな声を出す豪山パイセン。
「そんな話聞いてねえぞ! なあ? 優ッ!」
「……え? 俺は聞いてましたが?」
豪山パイセンの隣で青き盾を構え、会話内容をも華麗にパリィする優。
「お、おまっ……⁉」
「貴方が瑠璃さんとコミュニケーションを取れてないだけでしょう?」
出た……優の毒舌……。
年上でもある豪山パイセンにも容赦しないところは、流石は優といったところか……。
「……ええいっ! くそっ!」
豪山パイセンは豪の者……。
悪態を付ながらも、そのやり場のない怒りをコアモンスターの外骨格に全力でぶつけていく。
このパイセン、ああ見えて筋が通ってることには弱いんだよなあ……。
俺も、例のキメラ銃を片手にパイセンと優の援護射撃をしつつ、桃井さんにタゲが行かないようにヘイトコントロールをする。
正直、桃井さんが倒れなければ俺達の勝ち確だ。
それに、俺にも優の例の【神氷の盾】が張られているから、瀕死の一撃も耐えられるしね!
何というか、クロノ小隊にも安定戦術が考案されてきつつあると俺は感じていた……。
いたんだけど、俺はやることがマンネリ化してきていたので、正直焦っていた……。
このままで、いいんだろうかって……。
そして、現在は絶賛授業中だったりする。
「……で、あるからして……」
前方の教卓から聞こえるヒゲ先生の声が、何だか妙に懐かしく感じる。
俺達は一週間という長いようで短い開拓遠征を終え、学校生活に戻っていた。
瑠璃さん曰く、「この数週間の間に休憩がてら、学園生活とV活動をしておけ」とのこと。
体力的にも気力的にも開拓遠征はこれくらいが程よい期間であるからだろうと俺は思う。
正直俺はレッドサンに入隊済みであるし、国津アルカディアでのV活動も今のとこ順調である。
大変有難いことに、2つの収入がある今、正直余裕で食べていける状態だ。
ここの学校の連中は、この間の件で皆知っているけど、これらの事はまだ遠方にいる両親に話してない、というか話せない。
いつか話せる時が来るだろうし、その時に話せればと俺は思っている……。
それはいいとして、2つの収入を得たことにより俺は今思っていることがあったりする……。
……なので、昼に優に相談してみようかなと思ってたりしながら授業を受けていたり……。
で、授業があっという間に終わり、昼休み……。
今日、桃井さんはVの収録の関係でお休みだったりする。
「なあ、優……」
「ん? なんだ?」
俺は後ろの席に移動し、座っている優に立ったまま話しかける。
「俺達さ、国津アルカディアに所属し、かつレッドサンにも所属しているじゃん?」
「ああ、そうだな」
「で、思うんだが俺達、これから学校で勉強する必要ってあるのかな?」
「なるほど……いい質問だな」
メガネクイをし、深く頷く優。
そうなのだ、俺は安定収入がある今、学園生活に意味があるのかな? と疑問を抱いていたのだ。
「……そうだな、俺達今話しているよな」
「ん? そうだね? それが何か?」
「まあ、そこだな」
「……は?」
優等生の言っている意味が分からず、不快感をあらわにし眉をひそめてしまう俺。
このメガネが言いたい事が、マジわからん……。
「俺達がこうやって普通に話せているのは俺達の両親や、先生方の教育のおかげだ……」
「……あ」
そうだな、優の言う通り最初から上手く喋れたわけじゃない。
両親やこの学校教育の積み重ねがあってこそなのだ……。
「それだけじゃない、俺達が今貰っている給与の金額を正しく数えられるのも、その教育の賜物だろ?」
「そ、そうだな。……体育の授業だって、得手不得手の競技が分るし……」
そうなのだ、今でこそ義務教育のお陰で当たり前のように計算できるけど、大昔はそうじゃなかったんだよな。
スポーツだって然りだ……。
「そうだな……運動から学べ、自分探しの気づきを得る事が出来る……」
「チャレンジすれば出来るようになる事もあるしな」
俺は基本的に野球など、球技は苦手だ。
でも、何故苦手かは何となくだけど理解している。
周りの知人がノーコンだの、やる気が無いだの言ってくれているしね。
ただし、格闘ゲームをやり込んでいる関係か打つのは上手なんだよなあ……。
動体視力がいいからだろうと周りは言ってくれるけどね。
で、話しは変わるが、俺は思い当たる例として、天使クロノの歌のスパルタ教育を思い出してしまう……。
ま、まあ、やり方も大事だと思いますが……うん……。
やる気があれば、何でも出来るのかもしれない……。
もしかして天使クロノに、やる気スイッチを押してもらえたのかなと俺はふと思った……。
「お前の好きな歴史の授業だって、学んでいたからこそレッドサンの前段階の知識を学べていたわけだろ?」
「……だな」
それに授業内容だけじゃなく、学校に通うことによって優や桃井さん、ヒゲ先生や豪山パイセン達にも出会うことが出来た。
色々学べ、人との出会いが学べる場所……それが学校かもしれない。
最も、環境により大小あるかもしれないが、それは家庭環境も含め、人生平等には出来ていないから……。
俺は時々忘れそうになる、自身の心臓病というハンデをふと思い出す……。
そう、まともには動けない苦しいハンデがあったから……こんな体だったからこそ、俺はゲームが好きになれた。
ゲームの世界なら、自由に強いキャラを動かせ、広い世界を冒険出来るしね……。
だからこそ、俺は瑠璃さんや桃井さん、それに優とゲームを通して親しくなれた。
更に宇宙からの使者……天使クロノと出会い、歌が上手くなり、もっと好きになれた……。
学校とゲームと歌……「それらの出会いと俺の上手くなりたいという強い願望と努力」があったからこそ……今があるんだよな……。
「……色々考えることがあるかもしれないが、後は自分で考えろ。お前がその疑問を抱けたって事は自立してきている証拠だ。決して悪い事じゃない……」
「そうだな……ありがとう優。当たり前に学べる事って結構贅沢なんだな……」
当たり前が当たり前じゃない世界……。
もし、地上がもっと浄化開拓されれば世界の人達はもっと裕福になれるのだろうか……?
何か知らんがふとそんな考えが頭をよぎる……。
まあ、人口太陽は不必要になるから、そこはね……。
俺は日野さんとまだ見ぬ相方の天使ちゃんの笑顔を思わず想像してしまう……。
クロノの妹さんだし、きっと素敵な笑顔に違いないなって……。
「そうだな……お前も自分の意思で働き、お金を貰うようになって成長したな……」
「そうか……俺も……成長しているんだな……」
という事で、色々考えたが、学校には変わらず通うことに俺は決めた……。
辞めて、その空いた時間で更なるV活動をしたり、アルカディアアドベンチャーで戦闘の腕を磨こうと思ってはいた……。
でもさ……辞めるのはいつでも出来る、けど……学園生活は今でしか過ごせないものだから……。
「アセイーツ、セク、ウェアー!」
俺の【インクリスドアタックパワー】が砂丘に高らかにこだまする!
……俺達クロノ小隊は放課後、アルカディアアドベンチャーの世界に来ていた。
そう……ここのエリアはこの前、日野さんを始めとする【N・R・S大隊】と来ていた砂丘そのもの……。
ただし、磯の香は漂ってはこない……。
というのも記憶に新しいと思うが、アルカディアアドベンチャーの世界はVRでの仮想空間……。
だが、しかし……この世界はメテオコアに汚染された地上をベースに、【レッドサン並びに世界の戦闘地上特派員が開拓した巨大な対コアモンスター用の戦闘シミュレーターの世界】だったりする。
なので、ここでは実際に戦闘で死ぬことは無い……。
という事で、俺達は日野さんや3期生の方々が戦闘して討伐していた海型のコアモンスター1匹と絶賛戦闘中だったりする……。
「ぬ……ぬぐううう……!」
顔を真っ赤にし、歯を食いしばっている状態の豪山パイセン。
巨大な青いカニの凶悪な水晶のような鋭利なハサミが、豪山パイセンの真っ赤になった巨大なオノとぶつかり合う!
そう、豪山パイセンは天使の刻印を既に常時解放済み……。
早い話が早い段階で全力で戦っている状態だ。
「コ……コイツの外骨格……固えな!」
歯ぎしりし、真紅のオノを振り回し、何とか応戦する豪山パイセン。
その余りの硬さに、少し弱気な発言をするパイセン。
「ふむ、そうだな……折角なんで強さを地上モンスターの1.2倍に設定してある。まあ、楽しめ……」
「は……はあ……⁉」
パイセンのやや後方に下がり、腕組みしその様子を静かに見守る瑠璃さん。
で、その滅茶苦茶な内容に、不満げな声を出す豪山パイセン。
「そんな話聞いてねえぞ! なあ? 優ッ!」
「……え? 俺は聞いてましたが?」
豪山パイセンの隣で青き盾を構え、会話内容をも華麗にパリィする優。
「お、おまっ……⁉」
「貴方が瑠璃さんとコミュニケーションを取れてないだけでしょう?」
出た……優の毒舌……。
年上でもある豪山パイセンにも容赦しないところは、流石は優といったところか……。
「……ええいっ! くそっ!」
豪山パイセンは豪の者……。
悪態を付ながらも、そのやり場のない怒りをコアモンスターの外骨格に全力でぶつけていく。
このパイセン、ああ見えて筋が通ってることには弱いんだよなあ……。
俺も、例のキメラ銃を片手にパイセンと優の援護射撃をしつつ、桃井さんにタゲが行かないようにヘイトコントロールをする。
正直、桃井さんが倒れなければ俺達の勝ち確だ。
それに、俺にも優の例の【神氷の盾】が張られているから、瀕死の一撃も耐えられるしね!
何というか、クロノ小隊にも安定戦術が考案されてきつつあると俺は感じていた……。
いたんだけど、俺はやることがマンネリ化してきていたので、正直焦っていた……。
このままで、いいんだろうかって……。
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