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豪山無双
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「瑠璃さんから伝言があってな……。『地下はおそらくここが主戦場になるから、合流して戦え』とのことだ」
「了解! で、瑠璃さんは?」
「地上で、ドンパチやってて忙しいらしい。何でも敵の本拠地を見つけたらしく、その為、社長自ら指揮を執っているんだとか」
「ええっ!」
(地位が大将である社長がどれくらい強いとか、見て見たいなあ)
「お、とか言ってたらおいでなすったぞ!」
運動場のど真ん中に金色に光る、極大の六芒星が描かれる!
そこから、アルカディアアドベンチャー、いや地上で見たコアモンスター達が大量に転送される。
……この数おそらく100体近くいると思われるが。
「ま、相手はザコの先兵だ!」
「そうだな!」
血の気の多い、力丸さんと豪山パイセンは即武器を構え、遠距離攻撃に移る。
「蛇ッ!」
「斬ンッ!」
2人の両目から天使の刻印が発動し、広がる天使の羽の輝きはそれぞれの武器を覆う。
力丸さんの青き刃からは黒き大蛇と巨大ムカデが。
豪山パイセンのゴッツイアックスからは青き一閃が飛び出し、モンスター達の中央に思いっきり炸裂する!
そのお陰か、モンスター達の数はあっという間に半数近くになる。
やっべえなこの2人。
というか、このモンスター達、2人に任せれば一瞬で溶かしてくれそうだけど。
(ってアレ? その豪山パイセンがいないんですけど?)
「うおおおおおっ――――――!」
何やら絶叫し、超巨大化した青きアックスを振り上げ4階から飛び降りていく豪山パイセン。
ま、まさかこの人……?
「らあああああああっ――――――!」
絶叫と共に振り下ろされる、凄まじいエネルギー!
大地に振り落とされたソレは一瞬でモンスター……いや、地面ごと粉砕し消し飛ばしてしまう!
「うおおおおおっ!」
その衝撃は凄まじく、まるで地震のような揺れが生じる。
「きゃあああああ……っ!」
「な、なんだ? 今の衝撃は⁈」
そのためか、校内からは生徒の悲鳴が飛び交う。
「うおおおらあっ!」
立ち込める運動場の砂埃の中、パイセンが何やら暴れている声だけが聞こえてますが。
パイセンの声が止み、砂埃が晴れた時、そこには巨大なクレーターと豪山パイセンの姿が見えるだけだった。
「いいぞ! 豪山――――――!」
「いよっ! 流石イザナギ学園の守護神!」
何やら3階の窓から、豪山パイセンを褒めたたえる歓声が聞こえてきますが、きっと悪友かなんかだろう。
ここまで来ると、ちょっとモンスターが気の毒ではある。
というかね、あのパイセン相手がザコとはいえ一瞬で、100体のモンスターを鎮めちゃったよ。
ついでに転送の陣も消し飛ばしちゃったみたいだし、やる事はスーパーダイナミックなんだけど、理に適っているんだよなあ。
世の中にはスポーツや戦闘タイプには、理にかなった【知略型(モラリスト)】と、本質的な本能を元に動く【本能型(ファンタジスタ)】の2タイプがいると聞く。
豪山パイセンの場合、間違いなく後者だろうが、やる事がマジスゲエ……。
「あ、痛っ……。ゴメン桃井さん! 着地に失敗して足首捻っちゃったみたいだから、回復してくんないかな?」
「あ、ハイ……」
クッキーをハムりながら、豪山パイセンをヒールする桃井さん。
「あ、あの筋肉バカ……」
一方相方の天使ちゃんである藤花パイセンは、豪山パイセンのヤンチャぶりに1人頭を抱えていた。
「しかし、凄いな……」
「え? 何がです?」
その様子を見た力丸さんが何やら感心しているので、俺は気になって聞いて見る。
「豪山君の体に、ずっと『天使の刻印』の光が覆っているだろう?」
「あ、ホントだ。アレ何なんです?」
「刻印の常時解放だ。最も血の滲むような努力と、多少のセンスが必要になるけど……」
「……なるほど。力山さんはやらないんですか」
「俺の常時解放は特殊なんでね。今は出来ない」
「そっか、刻印も色々あるんだね」
燃費の悪さや、そもそもの刻印の上限値が違うのかもしれない。
豪山パイセンの場合、何か見た感じ、攻撃力と防御力を底上げしている感じだし、更にはずっとこのまま一日いけそうな上限値持ってそうだしね。
そうじゃないと、4階から飛び降りてほぼ無傷とかありえない。
「なあ律? 今のところ敵はどんな感じだ?」
「豪山君が滅してくれたから学校内外共に0かな? 多分相手さんも、わざわざ運動場のど真ん中に転送陣を引いたのに、それを吹き飛ばしてくるとは思わなかったんじゃない?」
「ま、まあ、完全に想定外だったろうな……」
律さんの説明に苦笑いする力丸さん。
なるほど、学校の正門に戦車で待ち構えていたから、ソレ対策にわざわざ運動場に転送陣を引いてきた敵方。
学校内に戦車の砲撃ぶっ放すわけにもいかないしね。
ソレを豪山パイセンが力技で、速攻粉砕したってわけか。
第二陣が来ないのは、というか来れないのはその陣が吹き飛ばされちゃったからだろうし。
正直、笑うしかないっていう。
「……後ろっ!」
「応っ!」
律さんの言葉に瞬時に反応し、力丸さんは後ろにいる敵に切りかかる!
電光石火のその動き! 俺達の後ろに転送された1人は瞬時に切り捨てられる!
悲鳴を上がることなく、地に伏す名も知らぬ敵。
「……屋上にもう一人、おそらくステルス迷彩で隠れているわ!」
「了解、私に任せて!」
律さんの言葉に素早く反応し、藤花パイセンは手を組みしゃがみ込む!
「大地の植物達よ! 私に力を!」
藤花パイセンの言葉に反応した屋上の植物達。
不思議な事に張っていた緑のツルや木の枝があっという間に伸びていき、不可視の敵を締め上げて行く!
「ぐ、ぐあああっ!」
残酷な事にソレらは敵の体内に入っていき、一瞬にしてミイラ化状態に。
「つ、強っ! てかこわっ!」
「……ん? 白野君、何か言った?」
「な、何も?」
俺を怖い顔で、ジロリと見つめる藤花パイセン。
「まあいいわ。貴方達、お願い! そのまま結界を維持して!」
藤花パイセンの言葉通り、俺達の周囲に伸びていくツルや木の枝。
文字通り植物の結界が完成したのであろう。
そこから動きが止まる植物達。
「敵2体撃破。今の所敵はもういないかな」
「了解!」
(た、頼もしすぎるぞ俺の仲間達。てか今日俺、何もしてないんですけど?)
「了解! で、瑠璃さんは?」
「地上で、ドンパチやってて忙しいらしい。何でも敵の本拠地を見つけたらしく、その為、社長自ら指揮を執っているんだとか」
「ええっ!」
(地位が大将である社長がどれくらい強いとか、見て見たいなあ)
「お、とか言ってたらおいでなすったぞ!」
運動場のど真ん中に金色に光る、極大の六芒星が描かれる!
そこから、アルカディアアドベンチャー、いや地上で見たコアモンスター達が大量に転送される。
……この数おそらく100体近くいると思われるが。
「ま、相手はザコの先兵だ!」
「そうだな!」
血の気の多い、力丸さんと豪山パイセンは即武器を構え、遠距離攻撃に移る。
「蛇ッ!」
「斬ンッ!」
2人の両目から天使の刻印が発動し、広がる天使の羽の輝きはそれぞれの武器を覆う。
力丸さんの青き刃からは黒き大蛇と巨大ムカデが。
豪山パイセンのゴッツイアックスからは青き一閃が飛び出し、モンスター達の中央に思いっきり炸裂する!
そのお陰か、モンスター達の数はあっという間に半数近くになる。
やっべえなこの2人。
というか、このモンスター達、2人に任せれば一瞬で溶かしてくれそうだけど。
(ってアレ? その豪山パイセンがいないんですけど?)
「うおおおおおっ――――――!」
何やら絶叫し、超巨大化した青きアックスを振り上げ4階から飛び降りていく豪山パイセン。
ま、まさかこの人……?
「らあああああああっ――――――!」
絶叫と共に振り下ろされる、凄まじいエネルギー!
大地に振り落とされたソレは一瞬でモンスター……いや、地面ごと粉砕し消し飛ばしてしまう!
「うおおおおおっ!」
その衝撃は凄まじく、まるで地震のような揺れが生じる。
「きゃあああああ……っ!」
「な、なんだ? 今の衝撃は⁈」
そのためか、校内からは生徒の悲鳴が飛び交う。
「うおおおらあっ!」
立ち込める運動場の砂埃の中、パイセンが何やら暴れている声だけが聞こえてますが。
パイセンの声が止み、砂埃が晴れた時、そこには巨大なクレーターと豪山パイセンの姿が見えるだけだった。
「いいぞ! 豪山――――――!」
「いよっ! 流石イザナギ学園の守護神!」
何やら3階の窓から、豪山パイセンを褒めたたえる歓声が聞こえてきますが、きっと悪友かなんかだろう。
ここまで来ると、ちょっとモンスターが気の毒ではある。
というかね、あのパイセン相手がザコとはいえ一瞬で、100体のモンスターを鎮めちゃったよ。
ついでに転送の陣も消し飛ばしちゃったみたいだし、やる事はスーパーダイナミックなんだけど、理に適っているんだよなあ。
世の中にはスポーツや戦闘タイプには、理にかなった【知略型(モラリスト)】と、本質的な本能を元に動く【本能型(ファンタジスタ)】の2タイプがいると聞く。
豪山パイセンの場合、間違いなく後者だろうが、やる事がマジスゲエ……。
「あ、痛っ……。ゴメン桃井さん! 着地に失敗して足首捻っちゃったみたいだから、回復してくんないかな?」
「あ、ハイ……」
クッキーをハムりながら、豪山パイセンをヒールする桃井さん。
「あ、あの筋肉バカ……」
一方相方の天使ちゃんである藤花パイセンは、豪山パイセンのヤンチャぶりに1人頭を抱えていた。
「しかし、凄いな……」
「え? 何がです?」
その様子を見た力丸さんが何やら感心しているので、俺は気になって聞いて見る。
「豪山君の体に、ずっと『天使の刻印』の光が覆っているだろう?」
「あ、ホントだ。アレ何なんです?」
「刻印の常時解放だ。最も血の滲むような努力と、多少のセンスが必要になるけど……」
「……なるほど。力山さんはやらないんですか」
「俺の常時解放は特殊なんでね。今は出来ない」
「そっか、刻印も色々あるんだね」
燃費の悪さや、そもそもの刻印の上限値が違うのかもしれない。
豪山パイセンの場合、何か見た感じ、攻撃力と防御力を底上げしている感じだし、更にはずっとこのまま一日いけそうな上限値持ってそうだしね。
そうじゃないと、4階から飛び降りてほぼ無傷とかありえない。
「なあ律? 今のところ敵はどんな感じだ?」
「豪山君が滅してくれたから学校内外共に0かな? 多分相手さんも、わざわざ運動場のど真ん中に転送陣を引いたのに、それを吹き飛ばしてくるとは思わなかったんじゃない?」
「ま、まあ、完全に想定外だったろうな……」
律さんの説明に苦笑いする力丸さん。
なるほど、学校の正門に戦車で待ち構えていたから、ソレ対策にわざわざ運動場に転送陣を引いてきた敵方。
学校内に戦車の砲撃ぶっ放すわけにもいかないしね。
ソレを豪山パイセンが力技で、速攻粉砕したってわけか。
第二陣が来ないのは、というか来れないのはその陣が吹き飛ばされちゃったからだろうし。
正直、笑うしかないっていう。
「……後ろっ!」
「応っ!」
律さんの言葉に瞬時に反応し、力丸さんは後ろにいる敵に切りかかる!
電光石火のその動き! 俺達の後ろに転送された1人は瞬時に切り捨てられる!
悲鳴を上がることなく、地に伏す名も知らぬ敵。
「……屋上にもう一人、おそらくステルス迷彩で隠れているわ!」
「了解、私に任せて!」
律さんの言葉に素早く反応し、藤花パイセンは手を組みしゃがみ込む!
「大地の植物達よ! 私に力を!」
藤花パイセンの言葉に反応した屋上の植物達。
不思議な事に張っていた緑のツルや木の枝があっという間に伸びていき、不可視の敵を締め上げて行く!
「ぐ、ぐあああっ!」
残酷な事にソレらは敵の体内に入っていき、一瞬にしてミイラ化状態に。
「つ、強っ! てかこわっ!」
「……ん? 白野君、何か言った?」
「な、何も?」
俺を怖い顔で、ジロリと見つめる藤花パイセン。
「まあいいわ。貴方達、お願い! そのまま結界を維持して!」
藤花パイセンの言葉通り、俺達の周囲に伸びていくツルや木の枝。
文字通り植物の結界が完成したのであろう。
そこから動きが止まる植物達。
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