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12話 手合わせ
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一旦馬の休憩を挟む間にフェイと僕の手合わせが始まろうとしていた。
「イルド様!!!頑張ってください!」
騎士たちが僕の応援をしてくれる。
この空気がいつまでも続いて欲しい…
だってもう少ししたら僕は完全に悪者になっちゃうからな…。
「…準備はいいか。」
「はい!準備万端です!」
ファランの合図に僕達は剣を交える。
「…なかなかやるな。」
「えぇ。だから幼いからといってなめないで欲しいと言ったのです!」
僕は子供だし、筋力もなくガリガリのへなちょこだ。
だからこそ柔軟を使い、蛇のようにフェイの剣技を受け流していく。
騎士たちとファランはハラハラしながは僕達の行く末を見守っていた。
交えてから6分がたつ。
僕の体力が限界にきていた。
フェイの油断の瞳が見える。
─占めた!!!
魔法の「身体能力強化」と「筋力増加」「魔法隠蔽」を使い一気に叩き潰す。
急に動きが変わり慌ててフェイも体制を整えようとするが、そんな隙は与えない!
─ガンッ
フェイの持っていた剣が宙を舞う。
「…イ、イルド様の勝利!」
─シーーーーーン
何が起こったのか分からず皆沈黙する。
「…凄い…凄い!イルド様!」
「あ、あぁ。見えなかったぞ。」
ぽつぽつと僕を賞賛する声があがり始める
「一生ついて行きますイルド様!!!そうだよな!みんな!」
「「「「はい!」」」」
わっと歓声の声があがる。
そこまでの成り行きは良かったのだが…。
騎士たちが突然跪き僕に忠誠を誓おうとする。
「あ、待て!それは!!!」
これは「インル」という誓いなのだが1度誓ったら最後。忠誠を誓った者は絶対に逆らえないという…呪いの類に近いものだ。
僕の止める声を聞きもせず騎士たちは次々とインルを使う。
「これで我が身は全てイルド様の者。忠誠を誓います!」
うぉぉぉぉ!!!
騎士たちが雄叫びをあげた。
どうしよう…こんなことをさせるつもりではなかったのに…。
僕は近いうちに悪者になるのだぞ?
元奴隷の人達が、悪者の下についてるとどうなるかは想像がつくだろう………。
「…完敗です。」
フェイが少し不服そうな顔をしながら言う。
………ふふっ全く…仕方ないな。
「何でもは無しだが僕の許容範囲内だったら願いを叶えてやるぞ?」
ニッコリと笑い僕は言う。
「イルド様…ちゃんと示しはつけるべきです!」
ファランか慌てて止めに入るが………
「………誰も殺すな。」
突然フェイがそんなことを言った。
殺すな………かぁ。
王族の立場である以上これは無理な話だろう。
というかフェイがこのような願い事をしてくるとは思わなかった。
「誰一人…とは無理な話だけど努力するよ。」
というとものすごい形相でキッと睨まれた。
何だ?また僕が何かしてしまったのだろうか?
「イルド様!!!頑張ってください!」
騎士たちが僕の応援をしてくれる。
この空気がいつまでも続いて欲しい…
だってもう少ししたら僕は完全に悪者になっちゃうからな…。
「…準備はいいか。」
「はい!準備万端です!」
ファランの合図に僕達は剣を交える。
「…なかなかやるな。」
「えぇ。だから幼いからといってなめないで欲しいと言ったのです!」
僕は子供だし、筋力もなくガリガリのへなちょこだ。
だからこそ柔軟を使い、蛇のようにフェイの剣技を受け流していく。
騎士たちとファランはハラハラしながは僕達の行く末を見守っていた。
交えてから6分がたつ。
僕の体力が限界にきていた。
フェイの油断の瞳が見える。
─占めた!!!
魔法の「身体能力強化」と「筋力増加」「魔法隠蔽」を使い一気に叩き潰す。
急に動きが変わり慌ててフェイも体制を整えようとするが、そんな隙は与えない!
─ガンッ
フェイの持っていた剣が宙を舞う。
「…イ、イルド様の勝利!」
─シーーーーーン
何が起こったのか分からず皆沈黙する。
「…凄い…凄い!イルド様!」
「あ、あぁ。見えなかったぞ。」
ぽつぽつと僕を賞賛する声があがり始める
「一生ついて行きますイルド様!!!そうだよな!みんな!」
「「「「はい!」」」」
わっと歓声の声があがる。
そこまでの成り行きは良かったのだが…。
騎士たちが突然跪き僕に忠誠を誓おうとする。
「あ、待て!それは!!!」
これは「インル」という誓いなのだが1度誓ったら最後。忠誠を誓った者は絶対に逆らえないという…呪いの類に近いものだ。
僕の止める声を聞きもせず騎士たちは次々とインルを使う。
「これで我が身は全てイルド様の者。忠誠を誓います!」
うぉぉぉぉ!!!
騎士たちが雄叫びをあげた。
どうしよう…こんなことをさせるつもりではなかったのに…。
僕は近いうちに悪者になるのだぞ?
元奴隷の人達が、悪者の下についてるとどうなるかは想像がつくだろう………。
「…完敗です。」
フェイが少し不服そうな顔をしながら言う。
………ふふっ全く…仕方ないな。
「何でもは無しだが僕の許容範囲内だったら願いを叶えてやるぞ?」
ニッコリと笑い僕は言う。
「イルド様…ちゃんと示しはつけるべきです!」
ファランか慌てて止めに入るが………
「………誰も殺すな。」
突然フェイがそんなことを言った。
殺すな………かぁ。
王族の立場である以上これは無理な話だろう。
というかフェイがこのような願い事をしてくるとは思わなかった。
「誰一人…とは無理な話だけど努力するよ。」
というとものすごい形相でキッと睨まれた。
何だ?また僕が何かしてしまったのだろうか?
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