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17.恋心

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「…申し訳ありません。」
「そんな…!何がダメなんだ?悪いところは全部直す!だから…!」
「そういう事ではありません。…貴方が私を愛していると言ってくれたことは嬉しかったです。」
「じゃあ…!」
「ですが。貴方が私を愛してくれているとしてももう私が貴方を愛せないんです。」
「…!」
「だってそうでしょう?いくら貴方が改心したとしても貴方にされた事は忘れる事はできません。はっきり言わせてもらいますが、今更遅いんです。…それに、私が愛しているのはレイなんです。レイだけがずっとずっと私のそばに居てくれた。守ってくれた。…愛してくれた。だから、私は貴方とは一緒には生きていけません。本当に私の事を愛してくれているなら、契約通り離縁してくれる事が1番嬉しいです。」
「…そうか。もう、遅かったんだな。」
「…えぇ。」
「分かった。契約はこのまま続けよう。予定通り2年後には離縁する。」
「…ありがとうございます。」
「いいんだ。君には1番幸せになれる場所に居てほしい。それがあの男の隣なんだろう?」
「はい。」
「契約満了時には市井に家と働き口も用意しよう。金も上乗せしておく。」
「そこまでして頂くわけには…!」
「いや、これくらいはさせてくれ。…頼む。」
「…では、ありがたく頂戴致します。」
「あぁ、そうしてくれると助かる。」
「それでは後2年、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしく頼む。」
私達はお互い初めて顔を見合わせて笑った。…もしかしたら夫婦は無理でも良い友人くらいにはなれるかもしれない。
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