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223.水辺に輝く神話
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荒野を6騎で駆けて行く。
俺の両脇にはメイファンとミンユー。前にアスマとイーリンさん。そして、後ろをラハマが固めてくれている。
出発前にマリームが愛馬を引いて訪ねてくれた。
「私のマール号に乗ってやってくれない?」
「え? いいの? マリームの大切なお友だちでしょ?」
マリームは愛おしそうに愛馬の首を撫でた。
「だから、たっぷり走らせてやりたいの。それにリヴァントの馬は強いし速いのよ? アスマ様たちも一緒ならマール号で行く方が断然いいわよ!」
そして、メイファンたちにも、ナフィーサが連れて来た馬を貸してくれ、老師を探索に出たときより迅速で快適に移動出来ている。
南に向かう旅は、暖かい方に向かう旅でもあって春の草花も目にするようになった。
「ここもダメだな……」
途中で見かけた集落を見て回るけど、人の気配はない。
老師が探知の呪術を使ってくれたときも、生存者は見付けられなかった。
「歳で呪力の衰えた身。探知は完璧ではないかもしれません。気を落とされますな」
という、老師の言葉を気安めだろうとは思いつつ、街や村が目に入れば確認せずにはいられない。
はぐれ人獣に遭遇したら、必ず討伐した。生存者を喰われてはたまらない。
城で苦戦したのは、飽くまでも人獣の『数』だ。
多くて数体というはぐれ人獣なら、RPGで言えば最強パーティのようなメンバーが難なく討ち取る。練習した俺の弓の出番はない。ちょっと残念。
途中、森の中に湧く綺麗な泉を見付けた。
すると、メイファンが服を全部脱いで飛び込んだ。
「誰かに見られたら……」
と、自分の言葉に少し虚しくなった。
「見てくれる人がいたら、生きてて嬉しい! ってなるし、いないなら遠慮するのもったいないし! 気持ちいいよ?」
と、笑うメイファンに、アスマも釣られて笑った。
「確かにそうだな! 毎晩一緒に湯船に浸かる者しかいないのだしな!」
と、アスマも服を脱いで飛び込むと、皆んなも次々に飛び込んだ。
春の日差しが降り注ぐ中、俺も服を脱ぎ飛び込んで泳ぐと、冷たくて澄んだ水が気持ちいい。それに開放感がたまらない。人獣に押し込められ、雪に閉じ込められ逼塞した日々が長かった。
「あー! やったなあ!」
と、歴戦の猛者たちが、裸で水の掛け合いに興じてキャッキャしている。
ぶるんぶるん揺れる豊かな膨らみから飛沫が飛んで来て、そんなこともあったなと思いを馳せる。あれは剣士以外を戦闘に参加させるかどうかで大浴場が激論になったときのことだ。
「なんか嘘みたいだね……」
と、身体を水面に浮かべたメイファンが言った。
「こんな日が来るなんて思わなかった」
岸辺に腰を降ろしたイーリンさんが微笑んだ。
「先の見えない日々でしたからね」
春に輝く森の水辺で、俺を囲んできらめく肢体を伸ばす5人の女子たち。
神話の一場面のような美しい光景に、しばし時を忘れた。
皆んな素っ裸で並んで横になり、日光浴を楽しんでクスクスと思い出話に花を咲かせた。
そして、より暖かい方へ、南に王都を目指した――。
俺の両脇にはメイファンとミンユー。前にアスマとイーリンさん。そして、後ろをラハマが固めてくれている。
出発前にマリームが愛馬を引いて訪ねてくれた。
「私のマール号に乗ってやってくれない?」
「え? いいの? マリームの大切なお友だちでしょ?」
マリームは愛おしそうに愛馬の首を撫でた。
「だから、たっぷり走らせてやりたいの。それにリヴァントの馬は強いし速いのよ? アスマ様たちも一緒ならマール号で行く方が断然いいわよ!」
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という、老師の言葉を気安めだろうとは思いつつ、街や村が目に入れば確認せずにはいられない。
はぐれ人獣に遭遇したら、必ず討伐した。生存者を喰われてはたまらない。
城で苦戦したのは、飽くまでも人獣の『数』だ。
多くて数体というはぐれ人獣なら、RPGで言えば最強パーティのようなメンバーが難なく討ち取る。練習した俺の弓の出番はない。ちょっと残念。
途中、森の中に湧く綺麗な泉を見付けた。
すると、メイファンが服を全部脱いで飛び込んだ。
「誰かに見られたら……」
と、自分の言葉に少し虚しくなった。
「見てくれる人がいたら、生きてて嬉しい! ってなるし、いないなら遠慮するのもったいないし! 気持ちいいよ?」
と、笑うメイファンに、アスマも釣られて笑った。
「確かにそうだな! 毎晩一緒に湯船に浸かる者しかいないのだしな!」
と、アスマも服を脱いで飛び込むと、皆んなも次々に飛び込んだ。
春の日差しが降り注ぐ中、俺も服を脱ぎ飛び込んで泳ぐと、冷たくて澄んだ水が気持ちいい。それに開放感がたまらない。人獣に押し込められ、雪に閉じ込められ逼塞した日々が長かった。
「あー! やったなあ!」
と、歴戦の猛者たちが、裸で水の掛け合いに興じてキャッキャしている。
ぶるんぶるん揺れる豊かな膨らみから飛沫が飛んで来て、そんなこともあったなと思いを馳せる。あれは剣士以外を戦闘に参加させるかどうかで大浴場が激論になったときのことだ。
「なんか嘘みたいだね……」
と、身体を水面に浮かべたメイファンが言った。
「こんな日が来るなんて思わなかった」
岸辺に腰を降ろしたイーリンさんが微笑んだ。
「先の見えない日々でしたからね」
春に輝く森の水辺で、俺を囲んできらめく肢体を伸ばす5人の女子たち。
神話の一場面のような美しい光景に、しばし時を忘れた。
皆んな素っ裸で並んで横になり、日光浴を楽しんでクスクスと思い出話に花を咲かせた。
そして、より暖かい方へ、南に王都を目指した――。
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