184 / 297
182.ひねられ大浴場
しおりを挟む
「ズハンを牢から出してくれたら、とっておきの情報を教えてやるぞ」
と言うウンランさんと、ひどい言葉で罵るズハンさんの顔を見てから大浴場に向かった。
今朝はシャオリンが控え目な膨らみを押し当てて、背中を流してくれてる。
――ふにん(上)。
新子爵様の膨らみは控え目なのに、しっかり柔らかみがある……。お、お祖父さんと会った後のお孫さんにっていうのは、ちょっと引っかかるけど。
――ふにん(下)。
「私がお流しするときは、良くない知らせばかりですみません」
と言ったシャオリンは、赤紫色の髪をした女子を側に呼んだ。
正面ではなく少し斜め前に両膝を突いたその女子とは、湯船で話したことがある。たしか司徒府で下働きをしてるって言ってた娘だ。
――ふにん(上)。
「改めまして、ディエと申します」
と言って、斜め前で胸を反らした赤紫髪の女子は腰をクイッと動かした。
……バ、バレてるヤツだ。
司徒府などでスタイルのいいディエを見かけると、ツンと上向きの胸もさることながら、プリッと引き締まったお尻に目が行っていた。
わざわざ斜め前に膝を突いたのは、お尻を見やすくしてくれてるのか……。穴があったら入りたい……。
――ふにん(下)。
シャオリンが声を顰めた。
「ディエは大夫の娘でございます」
大夫――、爵位を持たない下級貴族って聞いてる。き、貴族の娘さんかぁ。
――ふにん(上)。
シャオリンに促されたディエが、伏し目がちに口を開いた。
「私の父たちが、ズハン殿を出せと、マレビト様に直談判に及ぼうとしております」
シャオリンが耳元で囁くように補足した。
「ズハン殿は病気療養中ですので……」
――ふにん(下)。
地下牢に収監したままのズハンさんも大夫だ。リーファ姫の命を狙ったことは伏せてある。けど、既に10日以上。同じ大夫たちが怪しみ始めたか。
――ふにん(上)。
とは言え、ことが公になれば死罪は免れない。
――ふにん(下)。
「スイラン様には、まだ報告しておりません」
役職は上とはいえ平民のスイランさんでは、大夫のオッサンたちを捌くのは負担が大きいと判断したか。
と、ディエが泡立てた手拭いから泡を移して、左腕をはさんだ。
「し、失礼いたします……」
――ぷるり。
な、なんだか弾力がしっかりした膨らみですね……。
――ぷるり(左腕/下)。
背中の柔らかな感触との差がハッキリ分かって、それはそれで気恥ずかしい。
――ふにん(上)。
シャオリンが耳元で続けた。
「ディエには悪いのですが、シュエンの言い方に合わせると、仕事が出来ずに影で文句ばかり言ってる人たちです」
ふむ。
――ぷるりん(左腕/上)。
ん? ディエが身体をよじってるのは、お尻を触らせようとしてるのか……。いや、それ無理が……。照れるより、無理な姿勢が心配になる。
「どういたしましょう? 私が爵位にものを言わせて黙らせることも出来るのですが、マレビト様の為さり方とは違う気もしまして」
「そうか、そうだな。……ディエ」
と、身体をグイッと捻ろうと頑張っているディエに話しかけた。
「無理しないで……」
「あ……」
「お父さんたちとは、俺の方から話をしに行くよ」
「あ、ありがとうございます……」
と、ディエは頬を赤くして頭を下げた。
放っておいたら、手をとって尻を触らせて来そうな勢いだったので早めに止められて良かった。はさまれてるだけでも気恥ずかしくてたまらないのに……。
と思ってる俺の顔も真っ赤だけど――。
と言うウンランさんと、ひどい言葉で罵るズハンさんの顔を見てから大浴場に向かった。
今朝はシャオリンが控え目な膨らみを押し当てて、背中を流してくれてる。
――ふにん(上)。
新子爵様の膨らみは控え目なのに、しっかり柔らかみがある……。お、お祖父さんと会った後のお孫さんにっていうのは、ちょっと引っかかるけど。
――ふにん(下)。
「私がお流しするときは、良くない知らせばかりですみません」
と言ったシャオリンは、赤紫色の髪をした女子を側に呼んだ。
正面ではなく少し斜め前に両膝を突いたその女子とは、湯船で話したことがある。たしか司徒府で下働きをしてるって言ってた娘だ。
――ふにん(上)。
「改めまして、ディエと申します」
と言って、斜め前で胸を反らした赤紫髪の女子は腰をクイッと動かした。
……バ、バレてるヤツだ。
司徒府などでスタイルのいいディエを見かけると、ツンと上向きの胸もさることながら、プリッと引き締まったお尻に目が行っていた。
わざわざ斜め前に膝を突いたのは、お尻を見やすくしてくれてるのか……。穴があったら入りたい……。
――ふにん(下)。
シャオリンが声を顰めた。
「ディエは大夫の娘でございます」
大夫――、爵位を持たない下級貴族って聞いてる。き、貴族の娘さんかぁ。
――ふにん(上)。
シャオリンに促されたディエが、伏し目がちに口を開いた。
「私の父たちが、ズハン殿を出せと、マレビト様に直談判に及ぼうとしております」
シャオリンが耳元で囁くように補足した。
「ズハン殿は病気療養中ですので……」
――ふにん(下)。
地下牢に収監したままのズハンさんも大夫だ。リーファ姫の命を狙ったことは伏せてある。けど、既に10日以上。同じ大夫たちが怪しみ始めたか。
――ふにん(上)。
とは言え、ことが公になれば死罪は免れない。
――ふにん(下)。
「スイラン様には、まだ報告しておりません」
役職は上とはいえ平民のスイランさんでは、大夫のオッサンたちを捌くのは負担が大きいと判断したか。
と、ディエが泡立てた手拭いから泡を移して、左腕をはさんだ。
「し、失礼いたします……」
――ぷるり。
な、なんだか弾力がしっかりした膨らみですね……。
――ぷるり(左腕/下)。
背中の柔らかな感触との差がハッキリ分かって、それはそれで気恥ずかしい。
――ふにん(上)。
シャオリンが耳元で続けた。
「ディエには悪いのですが、シュエンの言い方に合わせると、仕事が出来ずに影で文句ばかり言ってる人たちです」
ふむ。
――ぷるりん(左腕/上)。
ん? ディエが身体をよじってるのは、お尻を触らせようとしてるのか……。いや、それ無理が……。照れるより、無理な姿勢が心配になる。
「どういたしましょう? 私が爵位にものを言わせて黙らせることも出来るのですが、マレビト様の為さり方とは違う気もしまして」
「そうか、そうだな。……ディエ」
と、身体をグイッと捻ろうと頑張っているディエに話しかけた。
「無理しないで……」
「あ……」
「お父さんたちとは、俺の方から話をしに行くよ」
「あ、ありがとうございます……」
と、ディエは頬を赤くして頭を下げた。
放っておいたら、手をとって尻を触らせて来そうな勢いだったので早めに止められて良かった。はさまれてるだけでも気恥ずかしくてたまらないのに……。
と思ってる俺の顔も真っ赤だけど――。
0
お気に入りに追加
553
あなたにおすすめの小説
クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た
pelonsan
恋愛
ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。
僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。
昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。
去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日……
※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える
ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─
これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
男がほとんどいない世界に転生したんですけど…………どうすればいいですか?
かえるの歌🐸
恋愛
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。
主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。
ここでの男女比は狂っている。
そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に恋を楽しんだり、学校生活を楽しんでいく。
この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この作品はカクヨムや小説家になろうで連載している物の改訂版です。
投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。
必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。
1話約3000文字以上くらいで書いています。
誤字脱字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる