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168.落差の大浴場(2)

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落差らくさがスゴいな」

――むにんっ(上)。

アスマが苦笑いしながら、朝陽あさひが差し込む大浴場ハーレム風呂で、俺の左腕に柔らかな膨らみを滑らせた。

――ぱむっ(上)。

「本当でございます」

マリームは少しふくれっつらをして、そのハリのある膨らみを背中で滑らせる。

情緒じょうちょが追い付きませんっ」

まったく、その通りだと思います。

――ぱにゅん(上)。

右腕をるイーリンさんは、クスクス笑ってる。

目の前では、ラハマとメイユイが両膝りょうひざいて胸をらしている。

ニコニコしているメイユイと、時々「やっぱり破廉恥はれんちだ……」とつぶやきながらほほを赤くしてるラハマ。

2人の膨らみをついついチラチラ見ては、見比みくらべてしまう……。

「エジャは本当に喜んでおりました」

と、イーリンさんが言った。

この後、みんながひと眠りして休息を取ったら、結婚式だ。

――ぱにゅん(右腕/下)。

「恋人を亡くした後のエジャは見ていられませんでしたから、皆、ホッとしているのです」

と言ったイーリンさんに、フラれたヤーモンが新郎しんろうだ。

こういう時、みんながどんな気持ちなのか、俺の経験値では計り知れない。

――ぱにゅん(右腕/上)。

「と言っても、私にフラれて落ち込むヤーモンを、エジャがなぐさめているウチに……、ってことらしいので、私が2人をむすび付けたようなものなんですけどね」

と、イーリンさんが舌を出した。

うん。そく解説かいせつされた。ありがとう、体育会系。

――むにんっ(左腕/下)。

アスマがイーリンの話に、うんうんうなずいている。

「人に歴史あり、ということじゃな」

右腕にはとおるような美白をしたイーリンさんが滑り……。

――ぱにゅん(右腕/上)。

左をチラッと見ればツヤのある褐色をしたアスマが、ゆっくりと丁寧に滑ってる……。

――むにんっ(左腕/上)。

サイズ的には違って見えないのに、肌触はだざわりも弾力も、感触かんしょくが全然違う……。

――ぱにゅん(右腕/下)。

こう、膨らみにを感じてしまって、それを感じてることにも気恥ずかしさが……。

「ジーウォ公……」

と、目の前のラハマが、ほほを赤く染めたまま、俺にぐ視線を向けて来た。

「牛をつぶされると、おっしゃっていたが……」

こちらに向かってされてる、ラハマの褐色の立派な膨らみが目に入り、昨日滑ってた感触も瞬時に再現されて、俺の顔も赤らむ。

「は、はい、お祝いの席ですし……。あれ? リヴァントの方は牛、ダメでした?」

「いや、そうではない。牛は好きだ。いや、そうではなくて、牛がいるなら、馬はどうかと思い、たずねた」

「いますよ、馬も。農耕馬のうこうばのはずですけど」

――むにんっ(左腕/上)。

「そうなのか!」と、アスマが明るい声を上げた。

ラハマはアスマにひとつうなずいて、話しを続けた。

われは騎士である。農耕馬でも良い。一頭、おし願えぬか」

あっ、北の蛮族は騎馬きば民族みんぞくって言ってたな。

今、俺たちを守ってくれてる最終城壁は、元々、馬房柵ばぼうさくだったとも。

「日が昇り、弱った人獣じんじゅう相手ならば、馬で撹乱かくらんしつつ斬ることも出来よう」

……弱った、と見えるのか。確かに、そうかもしれない。

マリームを部屋で休ませた後、ラハマは望楼ぼうろうに戻って、夜明けまでジッと人獣じんじゅうを観察していた。

――むにんっ(左腕/上)。

「私が外征がいせい隊の話を聞かせたのだ」

と、アスマが言った。

「確かに馬を貸してもらえるなら、私も一働ひとはたらき出来ようぞ」

この話をしてる時、マリームが何も言わずに黙って背中で滑らせてたのが印象的だった。

アスマとラハマの強さを、微塵みじんうたがっていない。

自分は失神しそうなほどに恐れた、あの人獣じんじゅうが相手だというのに。

「あのぉ……」

と、メイユイがその豊かな膨らみの横に、小さく手をげた。

「すごく、言い出すタイミングを見失ってしまってたんですけどぉ……」

「うん。なに?」
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