133 / 297
131.攻める大浴場(1)
しおりを挟む
――ふぁ(下)。
だから、シアユンさん。
――ふぁ(上)。
どうして、打ち合わせの続きは大浴場で、なんて言います?
――ふぁ(下)。
フェイロンさんと話した後、シアユンさんに城内の人事を大きく触ることについて相談を持ち掛けた。
「マレビト様は三卿一亭に推戴された、城主代理でもあります」
と、シアユンさんは言った。
「メイユイもイーリンも申しておりました通り、今やマレビト様の実力を疑う者はおりません。ご決断なされたのなら、果断に実行に移されるのがよろしいかと」
「あの……、すみません。話の腰を折るんですけど、『スイタイ』ってなんですか?」
「主に目下の者が推薦し、長として推し戴くことを言います。我が王国の初代王も群臣の推戴を受け即位されたものと伝わります」
へぇー。なんとなく、お飾りに城主代理に置かれてるくらいに思ってたけど、ちゃんと権威ある形が取られてたのか。
ウンランさんが反対せず、むしろ積極的に賛成してたのは、今から思えば、俺が失敗するって思ってたんだろうな。ボウヤって見くびってたし。
つまり、本来はそれだけ重い役職だってことだ。高校の文化祭くらいに構えてたのが、たまたま奏功しただけで、意識してたら潰れてたかもしれない。
――ふぁ(上)。
それから具体的な案を練り始めて、あーでもない、こーでもないと相談に乗ってもらい、そのまま大浴場に来て、全身を真っ赤にして黙って滑らせてる。
いつもの冷静沈着な物腰で「では、続きは大浴場で」なんて言うから、つい信じてしまったけど、次からは絶対に止めよう。
そこに、トトトッとメイファンが近寄ってきて俺の前に両膝を突いて、胸を反らした。
ばいんっ。
くっ。こいつは、俺が恥ずかしがるのを分かってやってるってことが、だんだん解ってきた。
まんまと、顔を赤くしてチラチラ見てしまう……。あ、相変わらずご立派ですね……。
「こっちこっち。おいでおいで」
と、メイファンが呼んだのは、赤茶色の髪をした薬師の娘、ホンファだった。
顔を赤くしながら、メイファンの横に両膝を突いて、クゥアイのより少し立派なのを俺に向かって、クンッと突き出した。
「ホンファは今日16歳になったんで、今日から参加です!」
と、メイファンに紹介されると、赤い顔をしたホンファが口を開いた。
「よ、よろしくお願いいたします……」
そうか、もう4日経ったんだという思いとか、先輩たちの妙なノリに巻き込まれて大丈夫? って思いとか、あの時の服の中身はこうだったのかって思いとか、もう、なんか色々大変だった。
お互い顔を赤くしてる俺とホンファを見比べて、メイファンが明るい声を上げた。
「ようし! じゃあ、今日は一緒にマレビト様の腕をお流ししようねっ!」
と言うや、俺の左腕がメイファンにはさまれた。
――むにゅん。
「いいですよね? シアユン様」
というメイファンに、全身を真っ赤にしたままのシアユンさんが、コクリと頷いた。
――ふぁ(上)。
メ、メイファンさん? め、面倒見の良さを発揮し過ぎじゃないですかね……?
ホンファが先輩と同じようにして右腕をはさむ。
――くむっ。
メイファンの包み込めるようなサイズ感と違って、かろうじてはさんでる感じが、これまた……。
左腕では泡だらけのメイファンのが滑り始め、右腕のホンファのも同じように続いた。
――くむっ(上)。
……あのボディラインがハッキリ分かる赤いドレスの中身の感触がこれかぁ。
とか、つい思ってしまうのを止められない。
――くむっ(下)。
右腕にばかり意識が行ってしまうのは、やむを得ないと、思う……。気恥ずかしい。
なにか話でもしないと、耐え切れないと思って、ホンファに話しかける。
「ホ、ホンファは……、ずっと薬師をやってるの……?」
だから、シアユンさん。
――ふぁ(上)。
どうして、打ち合わせの続きは大浴場で、なんて言います?
――ふぁ(下)。
フェイロンさんと話した後、シアユンさんに城内の人事を大きく触ることについて相談を持ち掛けた。
「マレビト様は三卿一亭に推戴された、城主代理でもあります」
と、シアユンさんは言った。
「メイユイもイーリンも申しておりました通り、今やマレビト様の実力を疑う者はおりません。ご決断なされたのなら、果断に実行に移されるのがよろしいかと」
「あの……、すみません。話の腰を折るんですけど、『スイタイ』ってなんですか?」
「主に目下の者が推薦し、長として推し戴くことを言います。我が王国の初代王も群臣の推戴を受け即位されたものと伝わります」
へぇー。なんとなく、お飾りに城主代理に置かれてるくらいに思ってたけど、ちゃんと権威ある形が取られてたのか。
ウンランさんが反対せず、むしろ積極的に賛成してたのは、今から思えば、俺が失敗するって思ってたんだろうな。ボウヤって見くびってたし。
つまり、本来はそれだけ重い役職だってことだ。高校の文化祭くらいに構えてたのが、たまたま奏功しただけで、意識してたら潰れてたかもしれない。
――ふぁ(上)。
それから具体的な案を練り始めて、あーでもない、こーでもないと相談に乗ってもらい、そのまま大浴場に来て、全身を真っ赤にして黙って滑らせてる。
いつもの冷静沈着な物腰で「では、続きは大浴場で」なんて言うから、つい信じてしまったけど、次からは絶対に止めよう。
そこに、トトトッとメイファンが近寄ってきて俺の前に両膝を突いて、胸を反らした。
ばいんっ。
くっ。こいつは、俺が恥ずかしがるのを分かってやってるってことが、だんだん解ってきた。
まんまと、顔を赤くしてチラチラ見てしまう……。あ、相変わらずご立派ですね……。
「こっちこっち。おいでおいで」
と、メイファンが呼んだのは、赤茶色の髪をした薬師の娘、ホンファだった。
顔を赤くしながら、メイファンの横に両膝を突いて、クゥアイのより少し立派なのを俺に向かって、クンッと突き出した。
「ホンファは今日16歳になったんで、今日から参加です!」
と、メイファンに紹介されると、赤い顔をしたホンファが口を開いた。
「よ、よろしくお願いいたします……」
そうか、もう4日経ったんだという思いとか、先輩たちの妙なノリに巻き込まれて大丈夫? って思いとか、あの時の服の中身はこうだったのかって思いとか、もう、なんか色々大変だった。
お互い顔を赤くしてる俺とホンファを見比べて、メイファンが明るい声を上げた。
「ようし! じゃあ、今日は一緒にマレビト様の腕をお流ししようねっ!」
と言うや、俺の左腕がメイファンにはさまれた。
――むにゅん。
「いいですよね? シアユン様」
というメイファンに、全身を真っ赤にしたままのシアユンさんが、コクリと頷いた。
――ふぁ(上)。
メ、メイファンさん? め、面倒見の良さを発揮し過ぎじゃないですかね……?
ホンファが先輩と同じようにして右腕をはさむ。
――くむっ。
メイファンの包み込めるようなサイズ感と違って、かろうじてはさんでる感じが、これまた……。
左腕では泡だらけのメイファンのが滑り始め、右腕のホンファのも同じように続いた。
――くむっ(上)。
……あのボディラインがハッキリ分かる赤いドレスの中身の感触がこれかぁ。
とか、つい思ってしまうのを止められない。
――くむっ(下)。
右腕にばかり意識が行ってしまうのは、やむを得ないと、思う……。気恥ずかしい。
なにか話でもしないと、耐え切れないと思って、ホンファに話しかける。
「ホ、ホンファは……、ずっと薬師をやってるの……?」
14
お気に入りに追加
900
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
男女貞操逆転世界で、自己肯定感低めのお人好し男が、自分も周りも幸せにするお話
カムラ
ファンタジー
※下の方に感想を送る際の注意事項などがございます!
お気に入り登録は積極的にしていただけると嬉しいです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あらすじ
学生時代、冤罪によってセクハラの罪を着せられ、肩身の狭い人生を送ってきた30歳の男、大野真人(おおのまさと)。
ある日仕事を終え、1人暮らしのアパートに戻り眠りについた。
そこで不思議な夢を見たと思ったら、目を覚ますと全く知らない場所だった。
混乱していると部屋の扉が開き、そこには目を見張るほどの美女がいて…!?
これは自己肯定感が低いお人好し男が、転生した男女貞操逆転世界で幸せになるお話。
※本番はまぁまぁ先ですが、#6くらいから結構Hな描写が増えます。
割とガッツリ性描写は書いてますので、苦手な方は気をつけて!
♡つきの話は性描写ありです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字報告、明らかな矛盾点、良かったよ!、続きが気になる! みたいな感想は大歓迎です!
どんどん送ってください!
逆に、否定的な感想は書かないようにお願いします。
受け取り手によって変わりそうな箇所などは報告しなくて大丈夫です!(言い回しとか、言葉の意味の違いとか)
作者のモチベを上げてくれるような感想お待ちしております!
チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる