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131.攻める大浴場(1)

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――ふぁ(下)。

だから、シアユンさん。

――ふぁ(上)。

どうして、打ち合わせの続きは大浴場で、なんて言います?

――ふぁ(下)。

フェイロンさんと話した後、シアユンさんに城内の人事じんじを大きくさわることについて相談をけた。

「マレビト様は三卿さんきょう一亭いってい推戴すいたいされた、城主代理でもあります」

と、シアユンさんは言った。

「メイユイもイーリンも申しておりました通り、今やマレビト様の実力じつりょくうたがう者はおりません。ご決断けつだんなされたのなら、果断かだんに実行にうつされるのがよろしいかと」

「あの……、すみません。話のこしるんですけど、『スイタイ』ってなんですか?」

「主に目下めしたの者が推薦すいせんし、ちょうとしていただくことを言います。が王国の初代王も群臣ぐんしん推戴すいたいを受け即位そくいされたものと伝わります」

へぇー。なんとなく、おかざりに城主代理に置かれてるくらいに思ってたけど、ちゃんと権威けんいある形が取られてたのか。

ウンランさんが反対せず、むしろ積極的せっきょくてき賛成さんせいしてたのは、今から思えば、俺が失敗するって思ってたんだろうな。ボウヤって見くびってたし。

つまり、本来はそれだけ重い役職やくしょくだってことだ。高校の文化祭くらいにかまえてたのが、たまたま奏功そうこうしただけで、意識してたらつぶれてたかもしれない。

――ふぁ(上)。

それから具体的な案をり始めて、あーでもない、こーでもないと相談に乗ってもらい、そのまま大浴場に来て、全身をにして黙っててる。

いつもの冷静沈着れいせいちんちゃく物腰ものごしで「では、続きは大浴場で」なんて言うから、つい信じてしまったけど、次からは絶対にめよう。

そこに、トトトッとメイファンが近寄ってきて俺の前に両膝りょうひざいて、胸をらした。

ばいんっ。

くっ。こいつメイファンは、俺が恥ずかしがるのを分かってやってるってことが、だんだんわかってきた。

まんまと、顔を赤くしてチラチラ見てしまう……。あ、相変わらずご立派ですね……。

「こっちこっち。おいでおいで」

と、メイファンが呼んだのは、赤茶色あかちゃいろの髪をした薬師くすしの娘、ホンファだった。

顔を赤くしながら、メイファンの横に両膝りょうひざいて、クゥアイより少し立派なを俺に向かって、クンッとした。

「ホンファは今日16歳になったんで、今日から参加です!」

と、メイファンに紹介しょうかいされると、赤い顔をしたホンファが口を開いた。

「よ、よろしくお願いいたします……」

そうか、もう4日ったんだという思いとか、たちのみょうなノリにまれて大丈夫? って思いとか、あの時の服の中身なかみだったのかって思いとか、もう、なんか色々大変だった。

お互い顔を赤くしてる俺とホンファを見比みくらべて、メイファンが明るい声を上げた。

「ようし! じゃあ、今日は一緒いっしょにマレビト様のをお流ししようねっ!」

と言うや、俺の左腕がメイファンにた。

――むにゅん。

「いいですよね? シアユン様」

というメイファンに、全身ぜんしんにしたままのシアユンさんが、コクリとうなずいた。

――ふぁ(上)。

メ、メイファンさん? め、面倒見めんどうみの良さを発揮はっきぎじゃないですかね……?

ホンファが先輩メイファンと同じようにして右腕を

――くむっ。

メイファンのつつめるようなと違って、感じが、これまた……。

左腕ではあわだらけのメイファンすべり始め、右腕のホンファも同じように続いた。

――くむっ(上)。

……あのボディラインがハッキリ分かる赤いドレスの中身なかみ感触かんしょくがこれかぁ。

とか、つい思ってしまうのをめられない。

――くむっ(下)。

右腕にばかり意識いしきが行ってしまうのは、やむをないと、思う……。気恥きはずかしい。

なにか話でもしないと、れないと思って、ホンファに話しかける。

「ホ、ホンファは……、ずっと薬師くすしをやってるの……?」
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