263 / 307
第十一章 繚乱三姫
248.おすそ分け
しおりを挟む
アイカを狩りに誘ったロマナ。
聖山で一緒に狩りをしたときのような、生き生きとした笑顔で駆けている。
「お祖父様の帰還を祝う祭礼で、ヴールの主祭神〈狩猟神パイパル〉様に捧げる供物にするのだ」
「へぇ~! それは頑張らないといけませんね!」
「とはいっても総候参朝ほどの量は要らないし、内容に定めがあるわけではない」
「あ~、あのとき大変でしたもんね~」
リティアも誘った聖山での狩り。
朝から日が落ちる寸前まで駆け回って、ようやく必要な量を狩り終えた。
アイカとロマナが最初に近い距離で接した共通の思い出で、ふたりとも自然とその話題に触れてしまう。
ベスニク虜囚というヴールとロマナの最大の危機は、アイカがベスニクを連れ帰ったことで一応の幕を閉じた。
ただそれは、ロマナがもっとも険しい表情を浮かべていた頃をアイカは知らないということでもある。
そして、同行してるロマナの侍女ガラからすれば、初めて目にする主君の屈託のない笑顔でもあった。
「やはり、狩りたての焼きたては美味いな!」
と、アイカが捌いた鹿肉をほおばるロマナが相好をくずした。
ゆったりとした時間の流れる、物見遊山かスポーツのような狩り。
焚火の火に近づくには気温の高い季節になっていたが、ジュウッと肉汁のたてる音は皆の食欲をかきたてる。
輪をつくるのはロマナとアイカのほか、それぞれの従者。
ロマナはガラとチーナを連れ、サヴィアスも誘った。
アイカはカリュとアイラのほか、カリトンとサラナを連れてきた。
カリュの目に、サヴィアスの変貌は驚愕の一言であった。
元の主君である側妃サフィナが王座に就けようと執着していた、高慢な第4王子。
しかし、アルナヴィスに敗れヴールまで落ち延びる旅の間中、女官ソーニャから、
「あら~? そんなことも出来ないんですか~?」
「あらあら、そんなこともご存じないのですか~?」
と、こまかくこまかく自尊心を削られ、折られ、自己肯定感を完全に喪失していた。
卑小な我が身を思い知り狂親王アメルは前を向いたが、サヴィアスは下を向いていた。
それは、この狩りでもいかんなく発揮され、もともと得意とは言いがたいサヴィアスの弓矢は1頭も仕留めることができなかった。
アイカが、
「はい! サヴィアス殿下も食べてください!」
と、さし出す焼き立ての鹿肉にも卑屈な遠慮をみせる。
「いや……、私ごときが……」
「さし出されたものを断れるようなお立場ですか!? せっかくの鹿肉! 食べて力をつけて、次また頑張ればよいのです!」
と、ロマナはアイカの手から鹿肉をさした枝をひったくり、サヴィアスに押し付ける。
ただ、ロマナの眼差しは柔らかく憐憫にみちている。
――断れるような立場か?
とはキツイ言い回しだが、ロマナの明るい口調と笑みがそうとは感じさせなかった。
「サヴィアス殿下。知らないことは、知ってしまえばそれでおしまい。むしろ知らなかった頃には戻れません。できないことも、できるようになればよい、ただそれだけのことなのですよ?」
「私ごとき……、できるようになるなど……」
「できるようになろうとする、その心がけが大事なのですよ?」
「心がけ……」
「うまれたばかりの赤子だった頃、サヴィアス殿下は歩けましたか? いまは歩けるようになっているではありませんか」
「……はい」
「弓矢にしてもおなじこと。今日、お手に取られたということ、ひとつまた出来たではありませんか?」
内心ではソーニャの入念な《仕事》に舌を巻く思いさえするロマナであったが、王国の第4王子たる者このままにしておけないと、なにかれとなく世話を焼くようになっていた。
そして、アイカがカリュの耳元に口をよせる。
「な……、なんか……、いい感じですよね?」
「ええ……、意外な取り合わせですね……」
アルナヴィス出身のカリュには、その候家の血を継ぐサヴィアスに思い入れがない訳ではない。
ただ、それを凌駕するほどに《アホ》だと思っていた。
しかし、いま目にするサヴィアスは、自分の記憶とはあまりに違う。
「……完全に別人になられてますが、……きっと生まれ変わられる途中なのですよ」
「なるほど~。ロマナさんが世話焼き女房タイプなのも意外でした」
「ヴールの者は情にあついと聞きますから」
「へぇ~」
ロマナとサヴィアスを興味津々に眺めるふたりの横では、アイラが別の取り合わせをそれとなく観察している。
アイカから〈カリサラ〉と言われてから、妙に気になるカリトンとサラナのペアだ。
ヴールに入り、サラナの雰囲気が変わったことはアイラにも、アイカにも感じられていた。
それは、もちろんエカテリニと話せたためであったが、本人も同席したカリュもアイカたちに伝えることはなかった。
ただ、心の重石がひとつとれたサラナは徐々に心のハリも取り戻し、もとの《学級委員長タイプ》なハキハキとテキパキした性格がより表に出るようになっていた。
逆に表情に翳が見られるようになったのがカリトンである。
元の上官であるスピロが、ファイナ妹内親王と共にペノリクウスに滞在していることを知ったからである。
姉ペトラのはからいによって、表向きは人質として王都から逃がされたファイナ。
ペノリクウス候の参朝が無事終わった今、王都にもどっておかしくない身の上だが、姉内親王の意を汲みいまだ滞在を続けている。
そして、自らを《ペトラの騎士》と任じるスピロもまた、ヴィアナ騎士団4,000と共に妻でもあるファイナのもとにいた。
しかし、カリトンからすれば、スピロは主君バシリオスに叛いた上官である。
スパラ平原の決戦では、スピロがルカス側についたことが勝敗を決したと言っても良い。
その際、カリトンはスピロのあり方が許せずに戦場から離脱した。
スピロがペトラ姉内親王に従い、ファイナ妹内親王を夫として護っていることに、複雑な感情を抱かずにはいられない。
スピロを討ちたいかと言われれば、そうではない。
伏せられてはいるが、王位に就いたバシリオスのもとに戻ってほしいかと言えば、そうでもない。
純情に過ぎたかつての上官スピロ。
カリトン自身、彼のことを自分の心のなかの、どこに置いておけばよいのか決めあぐねている感じであった。
要するに、スッキリしない顔をしている。
そうなると、《学級委員長タイプ》としては放っておけず、なにかれとなく世話を焼くのが常となっていた。
「世話焼き女房が、ふたりいますね」
と、アイラが、アイカとカリュに悪い笑いを見せるのも無理からぬ景色が、鹿肉を焼く焚火のまわりで展開されていた。
その視線に気付いたわけではなかったが、ロマナが柔和な笑みを浮かべてアイカをみた。
「アイカ……、いや、アイカ殿下」
「はっ、はい!」
「ヴールは、アイカ殿下に大恩を受けた」
「いや、そんなぁ……」
「アイカ殿下の民を慈しむ心が、ガラをすくいあげ、ヴールに走らせた」
主君ロマナの言葉に、嬉しさと気恥ずかしさの入り交じった笑みを見せるガラ。
王都にいた頃とは比べものにならない上等であでやかな服を着せてもらっている。
時を経て再会できた恩人アイカと自分は、それぞれに立場が変わりすぎていて、喜びと同時に気恥ずかしさも隠せない。
そんなガラの頭を、突然ロマナがつかんでグリグリ回す。
「おかげで、わたしは最高の侍女を得た!」
「ロ、ロマナ様……、お戯れを……」
あたまをグルングルン回されて、うろたえながら応えるガラに、ロマナが抱きついた。
「返せと言われても、もう手放さぬぞ? アイカ殿下」
「も、もちろんです! ずっと、ふたり仲良くしてください!」
「ふふっ。……それにもちろん、お祖父様を救出していただいた。報告を聞くかぎり、お祖父様の救出にいたったのは《運が良かった》としか言いようがない」
「はい。ほんとラッキーでした」
「そうだ。アイカの《ラッキー》をおすそ分けしてもらったようなものだ。ほんとうに感謝している」
「いや、そんな……」
「そこでだ。なにでお礼をすればよいか、ずっと考えていたのだが、どうだろう? チーナをアイカ殿下の臣下の列に加えていただけないだろうか?」
「えっ? チーナさんを……?」
ヴールに帰り、西南伯軍にもどっていた眼帯美少女チーナがちいさくアイカに頭をさげた――。
聖山で一緒に狩りをしたときのような、生き生きとした笑顔で駆けている。
「お祖父様の帰還を祝う祭礼で、ヴールの主祭神〈狩猟神パイパル〉様に捧げる供物にするのだ」
「へぇ~! それは頑張らないといけませんね!」
「とはいっても総候参朝ほどの量は要らないし、内容に定めがあるわけではない」
「あ~、あのとき大変でしたもんね~」
リティアも誘った聖山での狩り。
朝から日が落ちる寸前まで駆け回って、ようやく必要な量を狩り終えた。
アイカとロマナが最初に近い距離で接した共通の思い出で、ふたりとも自然とその話題に触れてしまう。
ベスニク虜囚というヴールとロマナの最大の危機は、アイカがベスニクを連れ帰ったことで一応の幕を閉じた。
ただそれは、ロマナがもっとも険しい表情を浮かべていた頃をアイカは知らないということでもある。
そして、同行してるロマナの侍女ガラからすれば、初めて目にする主君の屈託のない笑顔でもあった。
「やはり、狩りたての焼きたては美味いな!」
と、アイカが捌いた鹿肉をほおばるロマナが相好をくずした。
ゆったりとした時間の流れる、物見遊山かスポーツのような狩り。
焚火の火に近づくには気温の高い季節になっていたが、ジュウッと肉汁のたてる音は皆の食欲をかきたてる。
輪をつくるのはロマナとアイカのほか、それぞれの従者。
ロマナはガラとチーナを連れ、サヴィアスも誘った。
アイカはカリュとアイラのほか、カリトンとサラナを連れてきた。
カリュの目に、サヴィアスの変貌は驚愕の一言であった。
元の主君である側妃サフィナが王座に就けようと執着していた、高慢な第4王子。
しかし、アルナヴィスに敗れヴールまで落ち延びる旅の間中、女官ソーニャから、
「あら~? そんなことも出来ないんですか~?」
「あらあら、そんなこともご存じないのですか~?」
と、こまかくこまかく自尊心を削られ、折られ、自己肯定感を完全に喪失していた。
卑小な我が身を思い知り狂親王アメルは前を向いたが、サヴィアスは下を向いていた。
それは、この狩りでもいかんなく発揮され、もともと得意とは言いがたいサヴィアスの弓矢は1頭も仕留めることができなかった。
アイカが、
「はい! サヴィアス殿下も食べてください!」
と、さし出す焼き立ての鹿肉にも卑屈な遠慮をみせる。
「いや……、私ごときが……」
「さし出されたものを断れるようなお立場ですか!? せっかくの鹿肉! 食べて力をつけて、次また頑張ればよいのです!」
と、ロマナはアイカの手から鹿肉をさした枝をひったくり、サヴィアスに押し付ける。
ただ、ロマナの眼差しは柔らかく憐憫にみちている。
――断れるような立場か?
とはキツイ言い回しだが、ロマナの明るい口調と笑みがそうとは感じさせなかった。
「サヴィアス殿下。知らないことは、知ってしまえばそれでおしまい。むしろ知らなかった頃には戻れません。できないことも、できるようになればよい、ただそれだけのことなのですよ?」
「私ごとき……、できるようになるなど……」
「できるようになろうとする、その心がけが大事なのですよ?」
「心がけ……」
「うまれたばかりの赤子だった頃、サヴィアス殿下は歩けましたか? いまは歩けるようになっているではありませんか」
「……はい」
「弓矢にしてもおなじこと。今日、お手に取られたということ、ひとつまた出来たではありませんか?」
内心ではソーニャの入念な《仕事》に舌を巻く思いさえするロマナであったが、王国の第4王子たる者このままにしておけないと、なにかれとなく世話を焼くようになっていた。
そして、アイカがカリュの耳元に口をよせる。
「な……、なんか……、いい感じですよね?」
「ええ……、意外な取り合わせですね……」
アルナヴィス出身のカリュには、その候家の血を継ぐサヴィアスに思い入れがない訳ではない。
ただ、それを凌駕するほどに《アホ》だと思っていた。
しかし、いま目にするサヴィアスは、自分の記憶とはあまりに違う。
「……完全に別人になられてますが、……きっと生まれ変わられる途中なのですよ」
「なるほど~。ロマナさんが世話焼き女房タイプなのも意外でした」
「ヴールの者は情にあついと聞きますから」
「へぇ~」
ロマナとサヴィアスを興味津々に眺めるふたりの横では、アイラが別の取り合わせをそれとなく観察している。
アイカから〈カリサラ〉と言われてから、妙に気になるカリトンとサラナのペアだ。
ヴールに入り、サラナの雰囲気が変わったことはアイラにも、アイカにも感じられていた。
それは、もちろんエカテリニと話せたためであったが、本人も同席したカリュもアイカたちに伝えることはなかった。
ただ、心の重石がひとつとれたサラナは徐々に心のハリも取り戻し、もとの《学級委員長タイプ》なハキハキとテキパキした性格がより表に出るようになっていた。
逆に表情に翳が見られるようになったのがカリトンである。
元の上官であるスピロが、ファイナ妹内親王と共にペノリクウスに滞在していることを知ったからである。
姉ペトラのはからいによって、表向きは人質として王都から逃がされたファイナ。
ペノリクウス候の参朝が無事終わった今、王都にもどっておかしくない身の上だが、姉内親王の意を汲みいまだ滞在を続けている。
そして、自らを《ペトラの騎士》と任じるスピロもまた、ヴィアナ騎士団4,000と共に妻でもあるファイナのもとにいた。
しかし、カリトンからすれば、スピロは主君バシリオスに叛いた上官である。
スパラ平原の決戦では、スピロがルカス側についたことが勝敗を決したと言っても良い。
その際、カリトンはスピロのあり方が許せずに戦場から離脱した。
スピロがペトラ姉内親王に従い、ファイナ妹内親王を夫として護っていることに、複雑な感情を抱かずにはいられない。
スピロを討ちたいかと言われれば、そうではない。
伏せられてはいるが、王位に就いたバシリオスのもとに戻ってほしいかと言えば、そうでもない。
純情に過ぎたかつての上官スピロ。
カリトン自身、彼のことを自分の心のなかの、どこに置いておけばよいのか決めあぐねている感じであった。
要するに、スッキリしない顔をしている。
そうなると、《学級委員長タイプ》としては放っておけず、なにかれとなく世話を焼くのが常となっていた。
「世話焼き女房が、ふたりいますね」
と、アイラが、アイカとカリュに悪い笑いを見せるのも無理からぬ景色が、鹿肉を焼く焚火のまわりで展開されていた。
その視線に気付いたわけではなかったが、ロマナが柔和な笑みを浮かべてアイカをみた。
「アイカ……、いや、アイカ殿下」
「はっ、はい!」
「ヴールは、アイカ殿下に大恩を受けた」
「いや、そんなぁ……」
「アイカ殿下の民を慈しむ心が、ガラをすくいあげ、ヴールに走らせた」
主君ロマナの言葉に、嬉しさと気恥ずかしさの入り交じった笑みを見せるガラ。
王都にいた頃とは比べものにならない上等であでやかな服を着せてもらっている。
時を経て再会できた恩人アイカと自分は、それぞれに立場が変わりすぎていて、喜びと同時に気恥ずかしさも隠せない。
そんなガラの頭を、突然ロマナがつかんでグリグリ回す。
「おかげで、わたしは最高の侍女を得た!」
「ロ、ロマナ様……、お戯れを……」
あたまをグルングルン回されて、うろたえながら応えるガラに、ロマナが抱きついた。
「返せと言われても、もう手放さぬぞ? アイカ殿下」
「も、もちろんです! ずっと、ふたり仲良くしてください!」
「ふふっ。……それにもちろん、お祖父様を救出していただいた。報告を聞くかぎり、お祖父様の救出にいたったのは《運が良かった》としか言いようがない」
「はい。ほんとラッキーでした」
「そうだ。アイカの《ラッキー》をおすそ分けしてもらったようなものだ。ほんとうに感謝している」
「いや、そんな……」
「そこでだ。なにでお礼をすればよいか、ずっと考えていたのだが、どうだろう? チーナをアイカ殿下の臣下の列に加えていただけないだろうか?」
「えっ? チーナさんを……?」
ヴールに帰り、西南伯軍にもどっていた眼帯美少女チーナがちいさくアイカに頭をさげた――。
32
お気に入りに追加
396
あなたにおすすめの小説
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
結婚式で王子を溺愛する幼馴染が泣き叫んで婚約破棄「妊娠した。慰謝料を払え!」花嫁は王子の返答に衝撃を受けた。
window
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の結婚式に幼馴染が泣き叫んでかけ寄って来た。
式の大事な場面で何が起こったのか?
二人を祝福していた参列者たちは突然の出来事に会場は大きくどよめいた。
王子は公爵令嬢と幼馴染と二股交際をしていた。
「あなたの子供を妊娠してる。私を捨てて自分だけ幸せになるなんて許せない。慰謝料を払え!」
幼馴染は王子に詰め寄って主張すると王子は信じられない事を言って花嫁と参列者全員を驚かせた。
【完結】婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる